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さかい薬局グループ様

No.7さかい薬局グループ様

散薬調剤ロボット DimeRo(ディメロ)

応対者)株式会社薬心堂 代表取締役 坂井 優夫様
株式会社薬心堂 専務取締役 坂井 美千子様
ゲスト)一般社団法人日本在宅薬学会 理事長 狭間 研至様
取材者)株式会社ユヤマ 営業企画部 部長 森 和明
株式会社ユヤマ 営業企画部 主任 松尾 笑加
2014年11月、移転に伴い新規開局されたさかい薬局グループ市民調剤薬局様。(一社)日本在宅薬学会のバイタルサイン講習会で散薬調剤ロボット(ディメロ)の存在を知ったことをきっかけに、ディメロ導入を決断されました。
どのような考えでディメロを導入いただいたのか、そして、現在、実際にディメロをどのようにご活用いただいているか、代表取締役の坂井社長の想いや坂井専務のお考え、そして現場の薬剤師の先生方の意見を伺いました。
薬局入り口
薬局入り口
坂井社長×松尾
坂井社長×松尾

(松尾)市民調剤薬局様で受けている処方の内容についてお教えください。

(坂井社長)当薬局は、小児科と泌尿器科からの処方箋を受けています。処方受付件数は1日に120~150件程度。うち小児科と泌尿器科(透析含む)が7:3の割合です。そして、処方の約6~7割が散薬の処方になっています。

待合室内
待合室内

(松尾)貴店における在宅対応についてはいかがでしょうか?

(坂井社長)在宅対応もしており、少しずつ増やしていっている状況です。市民調剤薬局については10名前後(さかい薬局グループとしては約90名)の個人宅のみですが、スタッフがもっとやりたいと意欲的に言ってくれています。在宅対応は、セッティングなど、手間はかかるので、他の業務とのバランスを見ながら進めています。

(松尾)散薬処方の中で、ディメロはどのくらい活躍していますでしょうか?

(坂井社長)散薬処方の9割がたはディメロを使用しています。
(事務スタッフ様)薬剤師は散薬分包のほとんどをディメロを用いて行っております。ディメロの使用規定に満たない2g未満の少量の処方や、滅多に出ない珍しい薬品が処方された時だけ、1枚円盤の分包機を使用しています。

ディメロの使用状況についてお話くださる事務スタッフ様
ディメロの使用状況についてお話くださる
事務スタッフ様

(松尾)現在、何種類の薬品をディメロに搭載していますか?

(事務スタッフ様)現在ディメロに搭載している薬品は、全部で25種類あり、そのうち、よく使用する4種類については2個カセットを使用しています。こちらでほとんどの散薬処方を分包することができます。

(松尾)手差し窓を使用して手撒きをすることはありますか?

(事務スタッフ様)時間がかかるので使用していません。手撒きが必要なものは、分包機を使用しています。

(松尾)ディメロは目の前にいなくても秤量履歴や動画を後から確認できるようになっていますが、これらをどのように活用されていますか?

(事務スタッフ様)秤量履歴は1回だけ確認したことがあると聞いていますが、普段はほとんど見ることがありません。

秤量履歴、配分動画確認画面
秤量履歴、配分動画確認画面
分包前の処方監査の様子
分包前の処方監査の様子

(松尾)ディメロをご使用になって、どのようなところにメリットを感じていただけていますか?

(事務スタッフ様)ディメロのメリットは、速さと正確さですね。一度、1枚円盤の分包機使用の場合と比較した時があったんですが、ディメロの方が速かったですね。

(薬剤師様)移転前は1枚円盤分包機を2台使用していました。散薬秤量が多く、繁忙期の冬になると、1〜2名が1日中散薬秤量に付きっきりになっていました。このことを考えると、ディメロがないとかなり負担が増えると思います。機械は壊れた時は困るんですが、秤量を自動でやってくれますし、2枚の円盤で同時に配分できます。
私たちは分包後の重量鑑査だけすればよいのでとても助かっています。散薬秤量をしていた時間がなくなった代わりに、処方監査や先輩薬剤師への相談の時間、患者様との対話の時間にあてることができています。それに、ディメロは2枚円盤があるので分包機とあわせると実質3台分の能力になっています。

(松尾)薬局経営の中で、ディメロはどのように役立てられていますでしょうか?

(坂井社長)うちは女性が多いので女性が働きやすい職場づくりをしたいんですよね。自分は裏方でいいので、薬剤師や事務スタッフ、前線のみんなが活躍できる場を創りたい。女性は出産などで仕事ができない時期もありますが、薬剤師や事務スタッフが結婚して子どもを産んでもまた戻ってこられるようにしています。ここは小児科の患者様を相手にしていますが、自分が子どもを産んで育てる経験をしているからこそ、その患者様にかけられる言葉もあると思っています。

また、仕事でブランクがあると作業能力の低下やスキルの停滞が起こる可能性がありますが、そこも機械化によってカバーすることができると考えています。

やさしい笑顔で想いを語る坂井社長
やさしい笑顔で想いを語る坂井社長
お子様向けコーナーには絵本やおもちゃが並んでいます
お子様向けコーナーには絵本やおもちゃが並んでいます
市民調剤薬局のスタッフの皆様
市民調剤薬局のスタッフの皆様
さかい薬局グループ様はこんなところ
「ベテランも新人も安心して働ける職場」

(市民調剤薬局様)

福岡県北九州市の小倉駅からモノレールで2駅の「旦過駅」下車、徒歩3分、市街地の大通り沿いに位置する薬局様。
「薬」というシンプルな看板は、一般的な「薬局」イメージとは少し異なり、一瞬、何屋さんかな?と思わせるようなスタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。
薬剤師の先生方や事務スタッフ様は、のびのびと働いている印象で、坂井社長の「薬剤師・事務スタッフが働きやすいように」という想いが実現されているようにも感じました。ディメロの働きにより、ますます、現場の皆様が活躍されることを願っています!

市民調剤薬局外観
市民調剤薬局外観
「薬」の看板
「薬」の看板
坂井社長×松尾
左から 松尾×狭間先生(special guest)×坂井専務×森

(森)かかりつけ、在宅医療にディメロがどのくらいお役に立てるのか。さかい薬局グループ 坂井専務に加えて、ディメロ導入のきっかけとなった(一社)日本在宅薬学会の狭間研至先生をスペシャルゲストとしてお迎えしております。まずは、狭間先生に、どういった思いで、ご講演の中でディメロに触れられたのか、お教えいただけますでしょうか。

(狭間先生)ディメロのようなロボットを目にしたときに、若者は現場ってこんな風なんだと驚きますが、年配の方にいたっては、絶句してしまいます。
自分がこれまでやってきた業務が丸々置き換わってしまうので、年配の方は実感を持って驚かれるんですよね。
今までの何十年間は何だったの?という思いです。
これまで当たり前だったことが当たり前でなくなるというような、考え方のシフトという意味で、インパクトがあると思います。
私自身は調剤はできないので、本当の意味でのインパクトはわかりませんが、外科医にとって、腹腔鏡の登場によって開腹/閉腹をしなくてよい手術が出てきたことと似ているんじゃないでしょうか。

(森)坂井専務は若い世代と年配の世代とのちょうど中間にあたるかと思いますが、現役バリバリで働かれている中で、どのようなインパクトがあったのでしょうか?

ディメロとの出会いについて語る坂井専務
ディメロとの出会いについて語る坂井専務

(坂井専務)狭間先生の講演の中で、ディメロが紹介されたとき、コレだ!と思ったんですよね。
実は私は調剤の作業が結構好きなんです。だから24時間と限られた時間の中で、調剤を自分の手から離すということに対する寂しさはよく分かります。
これから在宅に取り組んでいこうとしているときに、中々取り組めない理由として挙げられることに、「今の作業を手放せない」とか「やったことが無いからどうすればいいのか分からない」、「渡す準備にも時間がかかる」といったことがあると思いますが、在宅に取り組んでいくことをスタッフに受け入れてもらうために、どうすればよいかということをずっと考えてきました。
そんな時に狭間先生の講演をお聞きしたのですが、ディメロを見た瞬間、今まで考えてきたことがすべて解決すると思って、すごくワクワクしました。

そこで、「(ロボットで)こういうことができたとしたら●●がどうなる」と、解決したい内容を全部洗い出して、それが実現できるのかどうか、すぐにユヤマさんに連絡して確認しました。
そして、ロボット導入後も、スタッフのみんなに理解して使ってもらうため、みんなが普通に作業している時に、ストップウォッチを持って、人がやった場合とロボットがやった場合で作業時間の計測を行いました。ベテランの時、新人の時など、色々なパターンでやってみたんです。
そうしたら、測定結果にすごい差があって驚きました(下記枠内)。
結果をスタッフにそのまま伝えましたが、最初はみんな信じてくれなかったんですよ。
でも実際に結果がそうなっていましたので、ある意味頼ったほうがいいんだなとみんなも考えてくれるようになりました。

市民調剤薬局様にて測定した処方内容(例)

・メプチンドライシロップ0.005%
・ムコダインDS50%
・オノンドライシロップ10%
分2 5日分

(計測結果)
・薬剤師+分包機 秤量~分包完了まで   4分~4分30秒
・ディメロ    処方発行~分包完了まで 3分前後

※計測する環境や条件等により、所要時間は変動します。

(森)「こういうことができたら…」といろいろな仮定をご自身でイメージできたことがすごいですね!中々誰もがそこまでできないんじゃないかと思います。

(坂井専務)それまで、ずっとどうしたらよいかを考えていたんです。「その作業に薬剤師を取られなかったら・・・」という発想ですね。

(森)ただ新しい商品に出会ったというよりは、準備していた人のところにタイミングよくロボットが舞い降りたという感じでしょうか。坂井専務がずっと考えていらっしゃったから、調剤ロボットという新しい発想を受け止めることができたのだと感じます。
ところで、狭間先生は、全国各地で講演されていると思いますが、調剤ロボットについてはどういった薬局様で反響が多いですか?

(狭間先生)薬剤師の先生方の現状は、目の前の業務に追われすぎて考えることすら無理な状況です。時間、気力、体力と色々な面で、余裕がないのだと思います。
しかしながら、対物業務から対人業務へと働き方を変えていかなければならない、そういうテーマに問題意識を持つ薬局さんになら当てはまるんじゃないでしょうか。現状はまだ、多くの方が門前の対物業務に追われていますが、門前の対物業務でのコストが合わなくなってくると、働き方を見直さざるを得なくなってきます。
坂井先生はどちらかというと経営者寄りですよね。一般的に勤務薬剤師の場合は変化を嫌います。年配の方になると、自分は流れに乗らなくてもこのまま逃げ切れるかなと思って、新たな考え対しては「すごいですね」、だけで終わってしまうこともあります。坂井先生の場合は経営者視点もお持ちだから、働き方の変化を受け入れる環境や立場があったんじゃないでしょうか。

狭間先生&坂井専務
狭間先生&坂井専務

(森)坂井専務は経営者と薬剤師、両方の目を持っていらっしゃるんですね。実際にディメロを導入されてみて、いかがでしょうか?

(狭間先生)確か、ずいぶん早い時期に入ったんですよね。しかも導入時に壁を壊したとか。

(坂井専務)そうそう。設置の時は結構大変だったんですよ。
実際にディメロを導入してみて、今は、スタッフ全員が「(ディメロが)ないと困るよね」と言っています。担当の営業マンには、すごくよく対応してもらっていて、細かなメンテナンスまでを行ってくれるのでとても助かっています。
このあたりは、MRの方が近くに住んでいることが多い地域なんです。そして、その奥さんが薬剤師というパターンが多いのですが、社長はその奥さん方の復帰支援にとても力を入れています。MRの方は転勤も多いんですが、弊社で復帰することが奥さん方の自信につながれば、 転勤後もそれぞれの地域で医療に貢献できると考えているんです。
薬剤師が復帰をする際に、分からない事があっても忙しい時間帯だと、ベテランの方に中々聞きづらかったりしますよね。ディメロがいることによって、ベテランの方も監査中でも手を止める余裕があるので、自信を持って対応できますし、復帰する薬剤師にとっても安心です。
小児科の調剤って薬剤師から結構怖がられるんですが、ディメロのおかげで気軽に入社していただけるようになりました。
薬剤師が調べたり、考える時間を、ディメロによってつくることができていることは大きなメリットだと思います。

(森)ディメロの導入によって、業務の質が上がるとも言えそうですね。

(坂井専務)そうですね。これまで14時から16時に夕方以降の調製準備をしながら外来対応をしていたのですが、ディメロを導入したことで、調製準備の時間を空けることができました。今では、この時間帯を活用して、外来対応しながらも在宅の研修を行っています。
薬剤師は通常、業務時間外に研修を行うんですが、主婦で家事や子育てをしていたり、あるいは家族の介護をしている中だと、中々自分の時間を取ることも難しいので、業務時間内に研修時間を確保できることはとても重要だと感じています。

(森)他店舗でこういうロボットがあったらいいなとか、お困りのことはございますか?

(坂井専務)別包で分包したものどうしを貼り付けする作業を自動化できるロボットや、在宅のおくすりカレンダーに自動でセットしてくれるロボットでしょうか。
それと、「あったらいいな分包紙」っていうのがあるんですが、「遮光」の分包紙や、「真空パック」してくれる分包紙なんかがあるといいなと思いますね。

(狭間先生)分包紙の素材についての工夫もありますが、処方の変更など、そもそもその薬でいいのかどうかを考えることによって対応できる場合もありますね。
後は現場を見に行くのが一番です。やっている本人たちは分からなくなっているので、他業種から見てもらったほうが気づけたりするんじゃないでしょうか。

(坂井専務)機械化が進むことによって、撒けない薬にも見直しが入ればいいなと思います。

(森)そういえば、分包機が普及したことによって、最近は製薬メーカー様から事前に分包機に通せるかどうかの問合せも増えましたね。本日は、日本在宅薬学会学術大会の合間にお時間をいただいておりますが、在宅への取り組み状況についてはいかがですか?

(坂井専務)さかい薬局グループでは、現在市民調剤薬局で10名前後(さかい薬局グループとしては約90名)の患者さんの対応を行っています。
患者さんのお宅での薬の保管状況って、ヘルパーさんなどが作業上に便利な場所に置かれていて、薬の性質についてはあまり考えられていないんですよ。火にかけているやかんの真上の棚に置いていたり、薬剤師では考えられないような、湿気の多い場所に平気で置かれていたりするんです。
一度、ある患者さんのお宅から、薬包の印字がなくなったというクレームが入って、何でだろう?と驚いたんです。話を聞いたり、実際に実験してみたことによって、その薬包は台所の寒暖差が激しいところに置かれていて、結露して水滴が表面についたことによってインクが流れていることが分かったんです。薬をユニパックに入れて、冷蔵庫で保管するようにお願いをして、その問題は何とか解決しました。
このように、患者さんのお宅に行くことで、薬局の中では全く想像もしなかった問題や薬学的な有害事象の原因を突き止めることができることはよくあります。この時間を捻出するためにも、薬剤師が薬局を離れることができる環境をつくる必要があると思います。私たちはディメロのおかげでそのような時間をつくることが可能になりました。

(森)在宅の現場では色々な出来事があると思うのですが、そういった事例を、他の薬局様と共有されていたりするものなのでしょうか?

(狭間先生)まさにそうした在宅患者さんのリアルな生活場面まで含めて、薬剤師がどのように薬学的アプローチを行ってチーム医療に貢献するかを『在宅療養の薬学的謎解き』(日本在宅薬学会/編、㈱じほう、2016年)としてまとめました。

(森)こちらの本からは在宅の現場で多くの薬剤師の先生方が目を輝かせて働いていらっしゃる様子が伺えますね。

(坂井専務)実は以前、薬剤師の仕事がつまらないと感じて辞めようと思ってた時期があるんですが、そんな時に、狭間先生に出会ったんです。狭間先生のお話を聞いていると、薬剤師の仕事って、在宅も含めてこんなにアーティスティックな仕事なんだって初めて感じました。
病院を退院した後の患者さんや家族の思いってわからないですよね。もしかしたら、こんな治療続けたくないと思っているかもしれない。薬剤師の仕事っていうのは、この患者さんが欲っしているものは肉じゃがなのか、あるいはカレーなのか、シチューなのかを見極めることなんじゃないかと思うんです。材料は一緒でも、それをどう料理するのか考える、つまり、コーディネートの仕事なんですよね。

(森)患者さんやご家族の想いにあわせてコーディネートとなると、この領域はロボットの世界じゃないですよね。

(坂井専務)そうですね。ロボットに任せられることはやってもらうんだけど、人には人の旨みがあるというか、そういうところが薬剤師としての力の発揮しどころだと思いますね。

(森)お2人の先生方、本日はどうも、ありがとうございました。

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