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2016年3月号

  • 「かかりつけ指導料」に70点‐診療報酬改定案を答申

    ■中央社会保険医療協議会は10日、2016年度の診療報酬改定案をまとめ、塩崎恭久厚生労働相に答申した。かかりつけ機能を果たす薬剤師・薬局を評価するために新設した「かかりつけ薬剤師指導料」には70点をつける。一方で、全体の処方箋受付が月4万回を超える大型薬局グループで、特定の病院からの処方箋が95%を超えた場合などに、調剤基本料がこれまでの特例点数(25点)より低くなる「調剤基本料3」(20点)を新設。かかりつけ薬剤師指導料の施設基準を届け出ない薬局は、基準調剤加算(32点)が算定できなくなるほか、かかりつけ業務を行わない薬局は調剤基本料を半分に減らすなどして、かかりつけ薬局への移行を誘導している。手術室や集中治療室などでの薬剤管理を評価する「病棟薬剤業務実施加算2」には80点をつける。今回の改定は、地域包括ケアを推進する観点から、かかりつけ機能を果たさなければ、自ずと報酬が下がる仕組みとなっている。

     

     ■新設項目の目玉の一つ「かかりつけ薬剤師指導料」は、患者にかかりつけ薬剤師になることの同意を得た上で、服薬指導等を行うことを薬学管理料として評価するというもの。患者1人に対して1人の薬剤師に限り、次の来局時以降に算定できる。薬剤師は、患者の署名付き同意書を作成・保管し、患者のお薬手帳に薬剤師名と勤務薬局名を記載する必要がある。

     

    ■また、同加算を算定する薬剤師の要件として、▽3年以上の薬局勤務経験▽同じ薬局に週32時間以上勤務し、薬局に6カ月以上在籍▽薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得▽医療にかかる地域活動の取り組みに参画――などを挙げた。チェーン薬局などのように店舗間の異動や複数店舗勤務が多い場合は、算定が難しくなると見られる。

     

    同じく新設の「かかりつけ薬剤師包括管理料」(270点)は、地域包括診療料、地域包括診療加算等の算定患者が対象。「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件を満たした上で、患者の服薬状況等を薬学的知見に基づき随時把握し、医師にその都度情報提供すると共に、必要に応じて減薬等の処方提案の実施が要件。

  • 閉鎖式器具使用で180点‐抗癌剤の有効活用へ対象拡大

    2016年度診療報酬改定で、抗癌剤を注射する一部患者に対して算定できる「無菌製剤処理料1」の対象を拡大し、新たに閉鎖式接続器具を使用した場合に180点が算定できるようになった。現行制度では、閉鎖式接続器具を使用した場合、揮発性の高い薬剤では150点を算定できるものの、イホスファミド、シクロホスファミド、ベンダムスチン塩酸塩の3製剤に限定されていたが、今回の対象拡大により、単回使用バイアルを複数回使用し、使い切れずに残った抗癌剤の廃棄量を減らす動きに弾みがつきそうだ。

     

     ■抗癌剤の保険請求は、使い切った残薬が廃棄されているにもかかわらず、1回のみ使用されるバイアル単位で行われているが、その廃棄額は約500億円に上るとの試算もある。医療費削減に向け、使い切れずに残った抗癌剤を閉鎖式接続器具を使用して安全に次の患者に使うことにより、抗癌剤の廃棄量を減らす取り組みが提言されていたが、閉鎖式接続器具のコストが現行の診療報酬体系ではカバーできないことが課題となっていた。

     

    ■現行制度では、抗癌剤を注射する一部患者に「無菌製剤処理料1」を算定でき、閉鎖式接続器具を使用した場合、揮発性の高い薬剤の場合に150点を算定できるが、イホスファミド、シクロホスファミド、ベンダムスチン塩酸塩の3製剤に限定されている。

     

    ■今回の16年度改定では、要件だった揮発性の高い薬剤の場合の150点、それ以外の場合の100点を廃止し、新たに閉鎖式接続器具を使用した場合に180点を算定できるようになった。これにより、3製剤に限定されていた抗癌剤の対象が広がり、閉鎖式接続器具を用いた場合に180点が算定できることになった。閉鎖式接続器具を使用しなかった場合は、現行の50点から45点に引き下げられることになり、抗癌剤の有効活用に向け、閉鎖式接続器具の使用に弾みがつくことになりそうだ。