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2016年6月号

  • 「薬局の地域活動」で具体例 - 厚生労働省 保険局医療課

    ○ケア会議、薬と健康の週間など

    ■厚生労働省保険局医療課は19日、2016年度診療報酬改定に関する疑義解釈資料(その3)をまとめた。かかりつけ薬剤師指導料・同包括管理料の施設基準の一つになっている「医療に係る地域活動」の具体例として、地域で多職種が連携して定期的に行っている地域ケア会議や、薬と健康の週間、注射針の回収などへの主体的・継続的な参加を挙げた。

     

    ○ポスター掲示のみは不可

    ■地域活動の考え方について、▽地域包括ケアシステムの構築に向けた、地域住民を含む地域における総合的なチーム医療・介護の活動▽地域において人のつながりがあり、顔の見える関係が築けるような活動――に「主体的・継続的に参画していること」とした。

     

    ■活動の具体例として、▽地域ケア会議など地域で多職種が連携し、定期的に継続して行われている医療・介護に関する会議▽地域の行政機関や医療・介護関係団体等(都道府県や郡市町村の医師会、歯科医師会および薬剤師会並びに地域住民に対して研修会等サービスを提供しているその他の団体等)が主催する住民への研修会等――への主体的・継続的な参加を挙げた。

     

    ■こうした活動のほかに、▽行政機関や学校等の依頼に基づく医療に係る地域活動(薬と健康の週間、薬物乱用防止活動、注射針の回収など)への主体的・継続的な参画▽行政機関や地域医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力のもとで実施している休日夜間薬局としての対応、休日夜間診療所への派遣▽委嘱を受けて行う学校薬剤師の業務――も該当するとした。ただ、薬と健康の週間、薬物乱用防止活動などへの取り組みについては、「薬局内でのポスター掲示や啓発資材の設置のみでは要件を満たしているとはいえない」ことを明確化した。


    ■薬局による「医療に係る地域活動」をめぐっては、活動内容に幅を持たせたこともあり、地方厚生局によって解釈にバラツキが生じていた。そのため、同じ活動内容でも地域によっては算定できないところもあった。


    ■こうした状況を踏まえ、今回示された考え方に沿った活動内容を行っていたものの、4月にかかりつけ指導料の届け出が地方厚生局受理されなかった薬局への特例を設けた。通常、5月中に届け出を行うと6月1日からの算定となるが、5月に限っては「届け出受理日から算定することは差し支えない」とした。なお、6月以降の届け出については、通常どおり、翌月1日から算定する取り扱いとなる。

  • 疑義照会で1000万円削減‐抗癌剤処方を確認、副作用回避

    ■日本病院薬剤師会東北ブロック第6回学術大会が21、22の両日に郡山市内で開かれ、癌の化学療法で薬学的介入を行った経済効果が、佐藤氏(岩手医科大学病院薬剤部)から報告された。副作用の可能性から抗癌剤の投与量に関する疑義照会が行われ、処方変更されたケースが約3割あったと指摘。薬剤師が疑義照会を行うことにより、好中球減少の副作用による緊急入院を回避できたと仮定した場合、年間約1000万円の医療費削減につながる可能性があるとした。佐藤氏は「疑義照会を怠った場合のコストは大きい」と述べ、「薬剤師も介入の経済評価を検証していく必要があるのではないか」とコスト意識の重要性を強調した。

     

    ■癌の化学療法では、副作用の発生が避けられず、薬剤師の介入が重要とされているが、薬学的介入を経済的指標で分析した研究は少ないのが現状。そこで、癌専門薬剤師でもある佐藤氏は、重篤な副作用を回避する疑義照会や支持療法の提案など、薬学的介入による経済効果を検討した。

     

    ■薬剤師が医療経済的に貢献する重要な役割の一つに重篤な副作用を回避する疑義照会がある。同院の化学療法室における疑義照会の内容を調べたところ、抗癌剤の処方への疑義照会で変更されたケースのうち、投与量に関するものが29%と最も多く、次いで規定の支持療法がないものが16%だった。

     

    ■佐藤氏は、仮に好中球減少が見られながら薬剤師が疑義照会を怠り、誤った医療行為が行われた場合のコストを試算した。一般的にDPC病院で好中球減少による緊急入院を5日間した場合、1件当たりの医療費は約20万円。これに薬剤師による疑義照会が年50件あったことを踏まえると、年間約1000万円程度のコスト削減につながる可能性が考えられた。

     

    ■佐藤氏は、「薬剤師が疑義照会を怠った場合に、発生する可能性のある医療コストは非常に大きいことを考えるべき」と強調。薬剤師は、副作用による患者のQOL低下を防ぎ、薬学的介入により向上させる活動が重要としつつ、経済評価の検証も必要と訴えた。

     

    ■ 一方、宮崎瑞穂氏(前橋赤十字病院名誉院長)は、病院経営の立場から言及。同院では、病棟薬剤業務実施加算(100点)の算定により、約3000万円の増収につながったとし、これにより薬剤師5人の増員を実現したことを紹介。「5人の増員により、医療安全と質向上、医師の負担軽減につながった」とメリットを述べた。
    さらに、医薬品の適正使用推進による経済効果も指摘。具体例として、アルブミン製剤の使用量減少により、4年間で約3000万円のコスト削減につながったほか、後発品の使用促進によって、2013年の1年間で約2億円以上の薬剤費削減効果があったことなどを例示。その上で、「薬剤師は医薬品を通じて医療の質向上と病院経営に貢献できるキーパーソン」と強調。特に病院幹部の薬剤師に対し、経営についての専門教育を受けることが望まれるとした。