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2019年2月号

  • 【宮本医薬局長】薬機法改正周知に協力要請‐都道府県と議論の場設置へ‐厚生労働省

    ■厚生労働省の宮本医薬・生活衛生局長は、全国厚生労働関係部局長会議で今通常国会への法案提出を予定する薬機法改正案について、「施行期日は検討中だが、自治体が十分に周知できるよう配慮したい」との考えを示した。特に薬剤師・薬局関連の改正内容について、「医療計画等の政策の中で関係部署と連携しながら、薬局や薬剤師の役割の明確化と機能強化を考えることが必要」と指摘。これらに留意した取り組みを都道府県担当者に要請した。

     

    ■宮本氏は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で議論された取りまとめ案のうち、法改正に関わる部分に言及。薬剤師・薬局のあり方については、「地域包括ケアシステムの構築をさらに充実することが必要。その一環として、薬剤師がかかりつけ薬剤師として医師や医療機関と連携し、一元的・継続的な薬物療法の提供により、患者を支援することが本来医薬分業に期待される姿」との考えを示した。

     

    ■その上で、医薬品の服用期間を通じて必要な服薬状況の把握や薬学的知見に基づく指導の義務を明確化すること、患者が薬局を主体的に選べるよう特定の機能を持つ薬局を法令上明確にし、その機能を表示できるようにするなどの薬機法改正の方向性を説明。

     

    ■自治体担当者と改正内容について議論する機会を設けることを明らかにした上で、「法改正により、かかりつけ薬剤師・薬局の推進に関しては都道府県での業務に影響を与える内容がある。法改正が円滑に施行できるよう情報提供を行いながら、皆さんと議論していきたいと考えており、ぜひ協力をお願いしたい」と要請した。
    また、健康サポート薬局の取り組みについて、「法改正後も引き続き取り組みを進めていく」方針を表明。「届け出がさらに進むよう住民への健康サポート薬局の周知と関係課の連携をお願いしたい」と求めると共に、「住民の方々が自分の地域の健康サポート薬局を探すことができるよう、薬局機能情報提供制度などを速やかに公表し、情報発信を行っていただくことが重要」と述べ、これらに留意した取り組みを促した。

  • ニボルマブを約8000万円廃棄‐DVO実施で薬剤費削減に‐旭川医科大学病院薬剤部

    ■北海道内の医療機関で免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ」の廃棄量の実態を調べたところ、昨年3月末の薬価ベースで約8017万円に上ることが、旭川医科大学病院薬剤部の福土氏らの研究で明らかになった。調整当日に単回使用バイアルの複数回使用(DVO)を実施した施設では、約1187万円の薬剤費削減につながっていることも分かった。現在、1回240mgの固定用量が承認され、ニボルマブの残薬問題は解消されたと考えられているが、海外ではイピリムマブとの併用療法で体重換算の投与量が設定されていることから、「無菌性を担保する調製方法を取り入れることで開封後の使用期限を延長し、DVO実施によるバイアル内残薬の有効活用が期待される」としている。

     

    ■抗PD- 1抗体「ニボルマブ」をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬の登場は、癌の免疫療法を開花させた一方、高額な薬剤費が大きな社会問題となってきた。こうした中、国民医療費の高騰を防ぐため、2017年2月には緊急薬価改定が実施され、ニボルマブの100mgバイアルの薬価が50%引き下げられた。その後、昨年4月の薬価改定、11月の薬価収載時に用法用量変化再算定が適用され、ニボルマブの薬価は約4年前の72万9849円から17万3768円と大幅に引き下げられたが、適応拡大が急速に進みつつある高額なニボルマブの適正使用が大きな課題となっていた。

     

    ■こうした中、福土氏らの研究グループは、残薬を有効活用して薬剤費削減が期待されるDVO導入を視野に、北海道内のニボルマブの廃棄実態を調査すると共に、バイアル内の安定性について検討を行った。

     

    ■参加協力が得られた北海道内の17施設で17年10月から昨年3月までの6カ月間に各施設で調製されたニボルマブを回収し、バイアル内の残液の重量を過量充填分を含めて計測。ニボルマブの廃棄量として算出した。その結果、2045調製分のバイアルが回収され、100mgと20mgバイアル内の残液の総量は、それぞれ86.3バイアル分、648.4バイアル分に相当し、昨年3月末時点の薬価ベースでニボルマブの廃棄額は約8017万円、廃棄率は約6.1%に上ることが判明した。また調製当日にDVOを実施した施設では、158本の20mgバイアルが未使用となり、約1187万円の削減につながっていた。ニボルマブを調製対象患者の癌種は、肺癌が62.4%と最も多く、次いで腎細胞癌18.4%、胃癌13.7%の順で、投与量は中央値で175mgだった。

     

    ■さらに、ニボルマブの残液を解消するため、DVO導入を視野にバイアル内のニボルマブの安定性について検討を行った。調製後のバイアル内に残ったニボルマブの蛋白質濃度とPD-1に対する結合活性の経時的変化を評価したところ、室温と4℃いずれの保存条件下でも開封後28日目まで有意な変化は見られず、長期的に安定性を保っていると考えられた。

     

    ■現在、ニボルマブは日本でも1回240mgの固定用量が昨年8月に承認され、高額な残薬問題は解消されたと言える。ただ、福土氏らは、今回の調査結果でニボルマブ投与量の中央値が175mgであったことを踏まえ、「1回240mgの固定用量が日本人にはオーバードーズになることが懸念される」と指摘。また、海外ではイピリムマブとの併用療法で体重換算の投与量が設定されていることから、「無菌性を担保する調製方法を取り入れることで開封後の使用期限を延長し、調整当日に限らないDVO実施によるバイアル内残薬の有効活用が期待される」としている。