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2020年11月号

  • 「かかりつけ」持つ患者増加‐薬剤師の対人業務に期待も(健康保険組合連合会)

    健康保険組合連合会が8月に実施した調査で、かかりつけ薬局・薬剤師を持つ患者が増え、約2割に上ることが分かった。依然として地理的な理由で薬局を選択している患者が大半を占めていたものの、副作用の説明など薬局・薬剤師の対人業務に期待する声が全体の3分の1を占めた。地域の患者ニーズへの対応力が薬局経営で重要な要素になりそうだ。
     同調査は、新型コロナウイルスの影響で患者の受療行動や意識変化を把握する目的で実施したもの。調査結果は今月下旬に公表予定だが、札幌市内で開かれた日薬学術大会の分科会で、健保連理事の幸野庄司氏から薬局・薬剤師に関連した調査結果が紹介された。
     病院や診療所を受診した際にどこで薬を受け取っているかを聞いたところ、「受診した医療機関の近くの薬局」が61%、「受診した医療機関」が19%となった一方、「いつも決まった薬局(ただし、薬剤師は決まっていない)」が11%、「いつも決まった薬剤師、薬局」が7%となった。2割近くがかかりつけ薬局を持つようになるなど、増加傾向がうかがえる結果となった。
     薬局をいつも利用している主な理由について、患者が依然として「立地」を重視して薬局を選んでいたが、「薬剤師が副作用や注意事項などをきちんと説明してくれる」「ジェネリック医薬品など薬代が安くなることを説明してくれる」など、薬剤師の対人業務を挙げる回答も多かった。少数ではあるものの、「オンライン服薬指導を実施しているから」との回答も見られた。
     「薬局・薬剤師に期待すること」でも、自宅や職場から近い、受診した医療機関から近いなどが半数を超え、「立地」での利便性を求める意見が目立ったが、「薬剤師からの副作用説明」「ジェネリック医薬品の説明」も全体の3分の1が望んでいた。
     幸野氏は、かかりつけ薬局・薬剤師を持つ人たちが増加傾向にあることを踏まえ、「新型コロナウイルス感染症の影響で受診頻度を減らすなど患者の受療行動が変わる一方、薬局や薬剤師の対人業務に期待する人たちが増えてきた」と説明。
     ただ、薬学管理料の算定状況を見てみると、技術料全体の94%が薬剤服用歴管理指導料で占めるのに対し、かかりつけ薬剤師指導料は1.5%、残薬解消に取り組む外来服薬支援料は0.01%に過ぎず、「厚生労働省は対人業務のインセンティブを付けているが、薬局がついていけていない」と厳しく指摘した。
     その上で、「調剤基本料と薬歴管理指導料だけでは経営が成り立たなくなる」と強調。調剤以外の付加価値や地域での貢献、オンライン診療・服薬指導などデジタル化に対応できない薬局は「10年後には生き残れなくなる」と警鐘を鳴らした。

  • 病薬研修会、約7割で再開‐ウェブ環境整備に支援要望(日本病院薬剤師会)

    新型コロナウイルス感染症の影響で休止中だった日本病院薬剤師会の研修会が徐々に再開している状況が、「都道府県病院薬剤師会の活動状況報告」で明らかになった。約7割の都道府県で研修会を再開しており、今後再開予定を含めると9割以上に上った。都市部ではウェブと集合型研修のハイブリッド形式で実施される一方、感染者数の少ない地方では集合型研修が行われている実態にあり、研修単位シールの配布などを含め、ウェブ研修の環境整備が今後の課題となりそうだ。
     17日にウェブ上で開催された地方連絡協議会で報告された「都道府県病院薬剤師会の活動状況報告」によると、全都道府県が研修会の開催で新型コロナウイルス感染症による影響があったと回答した。新型コロナウイルス感染症の第1波の時期に、ほぼ全ての研修会が中止となったものの、緊急事態宣言が解除された6月以降に徐々に再開されており、現在は「全面的に再開」が12.8%、「一部再開」が29%、「今後再開の予定」が21.3%、「休止中」は4.3%となった。
     研修会の開催方法については、「集合型研修」が25.3%、「ウェブ研修」が42.7%、「集合とウェブのハイブリッド研修」が32.0%と均衡していた。感染者数が多く、ウェブ環境が整備されている都市部では、集合とウェブのハイブリッド研修が多く実施されていた一方、感染者数が少ない地方では集合型研修が多く行われており、地域の感染者数やウェブ環境の整備状況に応じて実施されていることが分かった。

     地方で集合型研修が行われている背景にはウェブ環境が整っていないことも理由の一つにあり、約8割の都道府県がインターネット環境整備を目的とした日病薬の支援を希望していた。
     各都道府県からは「ウェブ開催は機材確保や参加費徴収、単位交付にかかる人的負担が大きい」(青森県)、「事務局業務が煩雑化しており、中央での研修システムのシステム化を早期に実現してほしい」(宮城県)、「全国版セミナーの機会を増やしてほしい」(奈良県)、「参加者の確認、参加時間の把握、研修シールの配布など、これまでの研修会に比べ何倍もの時間と人手を要しなければ、開催ができない」(長崎県)と病院薬剤師が自己研鑽する機会の減少を懸念する声のほか、県病薬からウェブ研修会参加者への研修シール配布に苦慮している現状が浮き彫りになった。
     こうした課題に対し、他都道府県からの研修受け入れを行う県病薬も出ている。石川県病院薬剤師会では北陸3県の県病薬間でそれぞれが主催する研修会について、各県が実施する研修会に参加できるようにすると共に、研修シールの管理や郵送の事務作業を各県病薬事務局で分担するなどの連携、協力を行っていることが報告された。