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視点を持って業界を読み解く。調剤Scope

調剤ロボット化が始まった。

PTPシート払出装置のブームとは

昨年は大手チェーン薬局での導入の動きがメディアを賑わすなど、久々に調剤機器業界に新しいソリューション・ブームを巻き起こし始めているかのように見える、錠剤のPTPシート自動払出装置。このブームの背景にあるものとは、いったい何なのか?
そして、これは大手チェーン薬局だけが享受できるメリットなのか?
それとも大規模店舗以外の薬局でも福音となる製品なのか?について考えてみたい。

分包機がリードしてきた調剤機器

 調剤機器と言えば真っ先に浮かぶのが分包機。多くの薬剤師の方は、そうなのではないだろうか。
実際、散薬の分包機は昭和30年代から、日本の調剤シートをリードしてきたと言えよう。実際、多くの調剤機器メーカーがしのぎを削って開発を進めてきた歴史がある。分包機が市場に広く受け入れられたのは、当時から今まで秤量調剤における『省力化』という切実なニーズが横たわっていたからであろうとは想像に難くない。

『省力化』は、秤量調剤だけで良いか

 では、『省力化』ニーズは、秤量調剤だけのものだったのか。この問いに対する答えが、PTPシートの自動払出装置にあるのかも知れない。
(株)ユヤマが行った平成20年11月の調査では、保険薬局におけるPTPシートの計数調剤がすべての調剤業務に占める割合で最多回答帯となったのが50~70%。つまり半分以上、2/3程度の業務が『省力化』の恩恵に預かって来なかったという事実が判明した。

PTP払出自動化は大型店だけのものか?

調剤業務がある所すべてが一考の余地あり

現代特有の社会的ニーズリスクマネージメント

 現代においては『省力化』が持つ意味も変化しつつある。例えば薬剤師という専門職がより服薬情報を患者にケアすることが求められていることによる時間捻出のための『省力化』という考え方だ。また、『省力化』以外にも『リスクマネジメント』も声高に叫ばれ、調剤過誤・インシデントを起こさない仕組み作りについても、業界のみならず社会的な要請が高まっている。要するに、医療行為である調剤を実施する薬局のすべては、調剤の大半を担う計数調剤、つまりPTPシートの自動化を検討すべき時期に来ていると言えるのではないだろうか。その証拠に、PDAを用いた計数調剤用のチェックシステムの普及が進んでいる。しかしながら、同様のシステムでは『リスクマネジメント』の担保はともかく、もう一方の『省力化』については残念ながら守備範囲外だ。

PTPシート払出装置を検討する二重の意味

 ここまで見てきたことに加え、薬剤師の6年制教育移行に伴い、さらに多面的な業務が薬局の使命として課せられることによって、『省力化』はこれまで以上に求められることは間違いない。そして、この『省力化』を切り開く新たな領域の最右翼こそは、PTPシート払出に代表される計数調剤であることも疑いようのない事実だと言える。
 そして、『リスクマネジメント』が今後の薬局における生命線を握る要素のひとつになることを考え合わせれば、PTPシートの自動払出装置の導入は、なにも大型チェーン薬局だけのものではなく、プロフェッショナルな薬局すべてがその対象として検討の余地があるものではないだろうか。
 それが現代の調剤薬局を取り巻く環境だと言えるのかも知れない。

(文責:2011年3月 森 和明 ㈱ユヤマ 営業企画部部長)

現在、ユヤマではPTPシート自動払出装置『ロボピック』を販売しております。