• ツイート

視点を持って業界を読み解く。調剤Scope

健康ナビステーションに
向けて vol.2~医療番組が待合室の患者に与える影響~

保険薬局が処方箋対応偏向のスタイルから、街の科学者たる薬物医療の相談窓口的な機能を併せ持つことが行政からも求められる今、待合室では何が出来るのか考える向きも多いと思われます。そこで、患者向け動画コンテンツの可能性を狭間研至先生に伺いました。

HK(回答者); 狭間研至(医師・ファルメディコ代表取締役社長・日本在宅薬学会理事長)

Q(質問者); 森和明(ユヤマ営業企画部部長)

*調査とグラフ作成; 鈴木 隆博(ユヤマ商品企画課課長)、谷 由衣(ユヤマ営業企画課)

Q; 今回は狭間先生が監修されている患者向け動画コンテンツ【めでぃちゃん】を、当社の投薬順番表示システム【Y'sVision】の画面に放映した薬局さんで行った患者さんへのアンケート結果(n=72)に基づいて、色々伺いたいと思います。
まず、ご存知ない方のために【めでぃちゃん】について、その企画意図とどのようなコンテンツが用意されているのか?簡単にお教え頂けますか?

HK; 一言でいえば、『待つ時間』を『知る時間』に変えるということです。病院や薬局では待ち時間が問題となります。待ち時間を短く、また快適に過ごしていただくような取り組みは大切ですが、ただ、待ち時間をゼロにすることはできません。
その一方で、病院や薬局での待ち時間は、忙しい毎日の中で自分の健康や体のことについて向き合える数少ない時間になりえます。今、待合室にはテレビモニターが置かれていることも多いですが、そこに、健康や病気に関する情報が流れていれば、患者さんの行動がかわり、より健康な生活にシフトするきっかけがつかめるのではないかと考えました。
現在は、身近な病気の基本的な知識から、最新の治療法や薬局の活用など、健康や治療に関する幅広い内容を、専門の先生にご出演いただき、関西テレビのアナウンサーとの対談形式でまとめています。

Q; ありがとうございます。では、アンケート結果についてお聞きします。待合室で動画コンテンツ(以下、医療番組)を見たとの回答が45.8%(図1)と、見ていない患者さん(47.2%)と拮抗した数値が出ました。この結果をどのように捉えますか?
因みに、こちらは既存店で、従来は普通のテレビ番組を流していたそうです。

HK; もともと待合室でも、本や雑誌を読まれる方は多いですし、最近では、私もそうですが、スマホ(スマートフォン)を見ながら過ごすという方が増えているというのは、基本的にあると思います。
おそらく、病院や薬局で待つ時間は、どちらかといえば、避けたい時間で、その時間をどうやって潰すのかという考えが一般的だとすると、ある意味では、当然なのかも知れませんね。

図1

Q; 次に薬局で見るならどのような番組が良いか?との質問について。色々な意見があったものの、トップには医療番組(33.0%=図2)が選ばれました。これまでの慣習から普通のテレビ番組が上かと思っていましたが、大健闘です。

HK; そうですね。ある程度、アンケートにお答えいただいた方が気を遣われたのかも知れませんが(笑)。ただ、やはり、薬局では特に医師による診察を終えたあとということもあり、自分の体や病気のことについて、注意が向いている時間ではないかと思います。このことが、医療に関する正しい情報を得たいというニーズにつながっているのかも知れません。いずれにしても、企画した私にとっては、うれしい、勇気づけられるデータですね。

図2

Q; 医療番組であればどのような内容のものが見たいか?(図3)この質問に対しては、n=72にも関わらず、複数回答で215とお一人平均3件ものご意見が寄せられ、非常に活発な感を受けました。患者さんに提供すべき医療番組について、どのような可能性を感じられましたか?

HK; 大きく分けると、最新の治療法など疾病に関する基本的な知識、疾病の予防なども含めた日常生活の中で気を付けたいポイント、さらには、ちょっとした健康に関するお得な情報(知っていて良かった!)というものも良いと感じました。
また、昨今、介護は誰にとっても身近な話題になりつつあります。医療のみならず介護、さらには医療と介護がオーバーラップするような分野についても、潜在的なニーズはあるかも知れないなと思いました。

Q; 一方で医療番組の内容が解り易いかどうかとの問いに対して、未回答を除く49名のうち57.1%は解り易いと回答(図4)。但し、まだ約4割はネガティブな回答が寄せられました。より噛み砕いた番組作りも必要なのかも知れませんね?そう言えば、エクササイズの番組では一緒に体を動かしている患者さんも見受けられました。

HK; そうですね。病気に関する基礎知識には、一般の方の場合には、もちろん個人差があります。【めでぃちゃん】のコンテンツは、専門家に事前にヒアリングした上で、アナウンサーの方が一般の方代表という観点でご質問するという形式をとっており、基本的には、どなたにもわかっていただける工夫をこらしていますが、今後、さらにわかりやすくする取り組みは続けたいと思います。
あとは、待ち時間にできるエクササイズも、きっとおうちでもしていただけると思いますが、そういった意味では、体操の内容などをまとめたリーフレットをご用意しても良いかも知れませんね。

Q; 医療番組の長さは回答者(n=43)中、40名とほとんどの方が普通、つまり待ち時間にフィットしたちょうど良さを感じられている(図5)ようですね。

HK; おおむね1本あたり3-5分程度を想定しています。また、出演しているアナウンサーさんも関西テレビの方ですし、それだけでなく、作成しているスタッフも、テレビ番組を数多く手がけているプロの方ばかりです。厳選された講師の皆さんが伝えたい内容を、わかりやすくコンパクトに伝えるスキルというのは、ある意味ではテレビ局の真骨頂です。私が本プロジェクトにテレビ局の方とコラボして取り組んできたのは、テレビ局はこのわかりやすく伝えるという技術が優れていることもあります。

図5

Q; このような医療番組が放映されている薬局の待合室、約2割の患者さんが魅力的だとお答えになり、また来ようと思うと回答された方は実に約3割にものぼります。これまで立地に依存した薬局が多いと言われてきたなか、3割もの来局者がリピートを希望するという意味は、患者さんのみならず薬局の経営的にも非常に大きいと思いますが、いかがでしょうか?

HK; そうですね。今は、まだ直接的な影響は少ないかと思いますが、お越しいただいている患者さんに、『待つ時間』を『知る時間』にというような考えが根付いてくれば、【めでぃちゃん】がない待合室は、何か物足りないような空間に感じられるかも知れませんね。
そのためにも、その時その時のトレンドもみながら、それぞれの分野のすばらしい専門家の先生にご出演いただき、魅力的なコンテンツを拡充していくことが大切だなと思っています。

図6

Q; 健康ナビステーションは厚労省が提唱したものではありますが、このチャンスをぜひ多くの保険薬局で活かして頂きたいですね。私どもとしては、【めでぃちゃん】を同じ画面に流せる投薬順番表示システム【Y'sVision】でお役に立ちたいと考えています。狭間先生、本日はどうもありがとうございました。

HK; コンテンツのサンプルは【めでぃちゃん】のWEBサイトに公開されていますので、ぜひご覧頂ければと思います。ありがとうございました。

Q; 薬剤師のみなさま、コンテンツサンプルはユヤマの営業所にもありますので、お気軽にお声がけください。

狭間 研至 医師/㈱ファルメディコ 代表取締役社長

(狭間 研至 医師/㈱ファルメディコ 代表取締役社長)