YUYAMA

在宅医療 成長期~ 薬局は何から始めれば良いのか? Part 1

在宅にかける想いの明文化

~薬剤師の業務領域の拡大
  という観点で議論を

「在宅医療」という言葉が歩き出して久しくなる中、昨今、調剤薬局ないしは調剤併設型DgSが「在宅医療」に参入するケースが増大している。そして、ここでいう「在宅医療」とは、薬局薬剤師が連想する“個人在宅”ではなく、高齢者入所施設・住宅(有老ホーム、グループホームそして、サービス付き高齢者向け住宅など)への“施設在宅”を指す。ここで、なぜ“施設在宅”?と感じる向きもあるかと思うが、“施設在宅”に参入する最大の要因は、施設の介護職(施設により看護職も含む)における薬剤関連業務量の過多と薬局側としての効率化だ。ここで、安易に薬局側としての効率化だけを考え“施設在宅”に取組まないでいただきたい。なぜなら、在宅にかける想いが社内にも明文化されないまま高齢者入所施設にアプローチしたところで、成功するわけがないからだ。万一、アプローチした高齢者入所施設から薬剤関連業務全般を請け負うことになったところで、ただの薬の運び屋になってしまうのが関の山。もし、「在宅医療」に参入をしたい、と決めたなら是非とも、薬剤師の業務領域の拡大という観点のもと社内全員で議論をして欲しい。

外部環境の把握とサービスレベルの決定

~介護職の期待を超える
  サービス・持続可能なサービス

自社(自店)エリア周辺にも高齢者入所施設・住宅が存在することと思う。ここでだ。各種施設・住宅のこと、また介護職がどのような薬管理をしているのか、などを理解するために、「施設入所希望者」という設定で調査・ヒアリングを実施して欲しい。この調査・ヒアリングから薬局側として一番入手したい情報は、(1)訪問診療(ないしは往診)に来る医療機関 (2)薬局名とそのサービスレベルだ。一般に、薬局が施設・住宅に提供するサービスには5階層ある。
1.一包化 2.配達 3.薬セット 4.回診同行(薬剤師回診) 5.カンファレンスだ。ここではマズローの欲求階層説と比較するかたちで、高齢者施設側が薬局に要求する事柄ということで、要求階層説となぞらえた。調査・ヒアリングにおいて、施設に入り込んでいる薬局のサービスレベルはどの階層か、を把握するとともに自社(自店)エリア周辺の施設・住宅に対するサービスレベルの平均値を出して欲しい。その上で、自社のサービスレベルを決定するというステップを踏む。この調査・ヒアリングなくして、自社のサービスレベルの決定は有り得ない。このサービスレベル決定においてのポイントは、介護職の期待を超えるサービスの検討と、自社が今後いくつもの施設・住宅の薬剤関連業務を請け負った時でさえも同一(持続可能な)サービスを提供できるか、というものの両睨みで考えて欲しい。

パートナーとなる医療機関を探す

~医療機関を選択できる環境づくり
 を目指すホーム

高齢者入所施設側には様々な悩みがある。その悩みを薬局単体で解決できればよいが、無理な場合も往々にしてある。そんな時は、積極的に周辺業種をパートナー化することを勧める。これは全体最適という考え方なのだ。そして“施設在宅”においての最大のパートナーとは、施設の訪問診療(ないしは往診)に積極的な医療機関だ。その医療機関が24時間365日対応可や緊急時にもすぐ施設に駆けつけます、というスタンスをもったところであるとなおのこと良い。なぜなら、定員数が50名を超えるような高齢者入所施設であると複数の医療機関と提携関係にありたい、という想いを持っているからなのだ。この理由は、新しく入居する本人・家族に対して、「当ホームは、複数の医療機関と提携をしており、万一かかりつけ医がいらっしゃらないという方のために、医療機関を選択できる環境を整えております。」と言いたいからだ。

営業部隊を組成する

~営業時間・稼動日数
  の確保

“施設在宅”に参入するためには、マーケティングに基づく営業活動が必要になる。自社において本部人員数に恵まれている、といったところなら営業部隊を組成することとなる。また、店舗数も人員にも限りがあるといった場合には、経営陣が営業最前線に立ち営業時間の確保を余儀なくされる。また、この営業時間の確保(稼動日数)とともに掛け合わせて考えていかなければならないのは、自社(自店)エリア周辺にどれだけの数の高齢者入所施設が存在し、総勢何名の定員がいるのか?この時、“施設在宅”を推進する店舗を起点に、20~30分圏で出向くことを条件としたい。この20~30分圏とは、臨時薬にも迅速に対応するためである。

※高齢者向け施設に関する調査等に関するご相談は、
  船井総合研究所 経営コンサルタント 清水洋一まで(下記ボタンより連絡可能)

(文責:2013年1月 清水 洋一 船井総合研究所 ㈱チーフ経営コンサルタント)
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