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2019年7月号

  • 通知で対人業務の推進を‐安川薬事企画官「前向きに捉えてほしい」(厚生労働省)

    情報提供元:薬事日報社

    ■厚生労働省医薬・生活衛生局総務課薬事企画官の安川孝志氏は、都内で講演し、厚労省が4月に発出した非薬剤師業務の考え方を整理した通知について、「通知によって、しっかり対人業務を行えるようになると前向きに捉えてもらいたい」と語った。非薬剤師やロボット、人工知能(AI)などを今後どのように活用していくのかは「対人業務を充実させる中で、調剤に責任を有する薬剤師が判断していくべきもの」と呼びかけた。

     

    ■安川氏は通知について、「大きな反響があったが、厚労省のこれまでの考え方を示しただけであり、決して規制緩和の類ではない」と言及。その上で「薬剤師が対人業務をしっかり行うために、対物業務の効率化の考え方を示した。調剤の責任が薬剤師にあるのは当たり前のことで、前提としてどういったことができるのかを示した」と解説した。

     

    ■通知に対しては「薬剤師が必要でなくなると焦りを感じている方がいる」とした上で、「今までその程度の業務しかしていないのであれば、そうかもしれないが、薬剤師として本来必要な対人業務をしっかりできるようになると前向きに捉え、これからの業務を考えてもらいたい」と訴えた。

     

    ■今後、ロボットやAIが様々な業務に浸透すると見込まれる中で「薬剤師がロボットやAI に置き換わる存在なのか、これらの技術を活用できる存在になるのか、しっかり考えてやっていただきたい。私は後者だと思う。これらを活用し、患者のためにより良い業務をしっかりやるのが本来の目的だと思う」と語った。

     

    ■一方、安川氏は、現在国会で審議されている医薬品医療機器等法改正案について、「薬剤師が関係機関と連携をしっかり取ることが法改正のポイントにもなっている」と強調した。 かかりつけ薬局の薬剤師が、患者の入院時に服薬情報を病院に提供することで、持参薬情報を把握する病院薬剤師の業務は軽減される。その結果、退院時の薬剤情報提供にも力を割けるようになるが、安川氏は「現在そういったことがほとんど行われていない」と課題を指摘。「薬薬連携という言葉はあるが、どこまで効果的に連携できているかは疑問。今後は密に連携する必要がある。薬薬連携が効果的になることで病院薬剤師の業務も変革が可能になる」とした。

  • 補助者の業務範囲など検討‐「業務あり方検討会」を新設(日本病院薬剤師会)

    情報提供元:薬事日報社

    ■日本病院薬剤師会の木平健治会長は、都内で開いた通常総会で、「病院診療所薬剤師業務のあり方に関する検討会」を新設したことを報告した。厚生労働省が薬剤師以外の者が行うことができる業務の基本的な考え方を整理した4月2日付の通知「調剤業務のあり方について」が発出されたことを踏まえ、▽調剤の概念▽補助者(薬剤助手等)の業務範囲▽補助者に必要な研修の実施――などについて検討し、夏頃をメドに結論を得る。

     

    ■同検討会は、委員長の眞野成康氏(医療政策部長)をはじめ、荒木隆一委員(地域医療委員会委員長)、清水孝子委員(診療所委員会委員長)、舟越亮寛委員(医療安全対策委員会委員長)、室井延之委員(薬剤業務委員会委員長)で構成する。

     

    ■主に、調剤の概念や補助者(薬剤助手等)の業務範囲、補助者に必要な研修の実施について検討する。常務理事会の構成員も可能な限り検討会に出席することとし、日病薬としての考え方をまとめる。

     

    ■木平会長は、4月2日付の厚労省通知で、調剤に最終的な責任を持つ薬剤師の指示で行える具体的な業務について、「有識者の意見を聞きつつ、さらに整理を行い、別途通知する」としていることに言及。「日病薬として、どのような考えで対応していくか、共通認識を持っておく必要がある」と述べ、検討会設置の背景を説明した。

     

    ■また総会では、医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフティングに関する議論が進む中、代議員からは新たに設置した検討会への意見が相次いだ。大阪府の西原雅美代議員は、具体的なとりまとめの時期について質問。東京都の濱敏弘代議員は、「調剤の概念は時代と共に変化するものと思っている」とし、「次世代を担う若い薬剤師が励みになるような議論、とりまとめをお願いしたい」と要望した。 

    桑原健専務理事は、厚労省通知において調剤に該当しない行為として、調剤済みの薬剤を院内の配薬カート等に入れることが明記されていることを指摘。「病院業務についても一部触れていることから、日病薬としての考え方を示す必要がある」とし、改めて検討会設置の意義を強調。「夏頃をメドに結論を出し、会員に対しても何らかの形で示したい」との考えを示した。