電子カルテを導入する際にしておくべき心構え

電子カルテの導入は、医療機関にとって大きな改革であり、日常業務の効率を大きくアップさせます。
しかし、場合によっては医療機関内の混乱を招き、運用に支障をきたす可能性もゼロではありません。
不要な混乱を防ぐために以下の4つの心構えをきちんと頭に入れておくようにしましょう。
「業務の効率化」のための導入であることを忘れない
まず、1番大切な心構えは「電子カルテの導入」が目的ではないということです。
「ペーパーレスにならなければ、導入費用がもったいないのではないか」といったことを考える人は多いですが、導入した後にも紙カルテの方が効率的な場面はあります。メモや連絡票、チェックリストのようなものは、運営面において紙媒体ならではのメリットがあります。
また突然電子化してしまったことによって、混乱をきたし改善どころかサービスのレベルが低下してしまったとなれば、全く意味がありません。
なので、完全ペーパーレスにこだわる必要はありません。
あくまでも「業務の効率化」のためであり、今まで使ってきたもので電子カルテにない要素があれば、上手に併用することで業務の効率化を図りましょう。
維持費用の考慮をしておくこと

電子カルテは、1度導入すれば終わりというわけではありません。
便利になる反面、その優れた技術をその後も維持するにはそれなりにコストはかかってしまいます。
また、パソコンもハードディスクなどが不調になったり電源部などが壊れたり、メモリも日々使っていく中で次第に劣化していったりするものです。
パソコンがきちんとした安定稼働が期待できるのは5年と言われているため、その点もよく理解しておくことが重要です。
そのような点も把握していれば、最終的には業務効率が大きく改善されることは間違いありません。
スタッフのコンセンサスをきちんと取ること

スタッフの理解が得られていない状態で、院長の一存で強引に導入してもただ混乱が起きてしまうだけです。
業務を効率化して見直しを図るためだという目的をきちんと説明し、スタッフのコンセンサスを得ることを怠らないようにしましょう。
いつもと異なる新しいシステムを運用していくときには、スタッフにある程度負荷がかかってしまうことは避けられません。
そういったことも考慮したうえで、最終的にプラスになるのだということをよく説明しておくことが大切です。
電子カルテの導入は、業務フローの改善を考え各書類の見直しのきっかけにもなるので、チーム一丸となってシステム化に取り組めるようにスタッフの雰囲気を作りましょう。
十分な準備期間を用意する
電子カルテはとても優れた技術であり、将来的には利用していない病院はなくなると考えられるほど素晴らしいシステムです。
しかし、導入すればすぐに全てが変えられるというわけではなく、運用も簡単ではありません。
どのような薬を使ったのかといったリストアップを行っていったり、よく使う処方をセットにして登録したり、準備には様々な工夫が必要でそれなりの時間がかかります。
電子カルテ導入の際には、普段の診療も行いながら少しずつこういった準備を行わなければいけません。
なので、極力長く準備期間を設定することが大切と言えるでしょう。
準備期間があまりにも短いと登録作業などがいい加減になり、十分に電子カルテの良さを生かしきれないということにもなりかねません。
しかし、通常フローになるまでの準備を着実に行っておけば、とても使いやすく経営に有利なツールとなることでしょう。
おわりに
電子カルテを導入するということは、医療機関にとって根本的な作業を変えるような大きな改革となります。
早めに、そして格段に業務効率の向上を目指すためにも、ただ受け身の姿勢で導入をするのではなく、心構えをしっかりと持って導入しましょう。
株式会社ユヤマ
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