電子カルテの歴史とは?過去と現在から見る今後の電子カルテ
長く紙で管理され続けてきたカルテですが、昨今では電子データとして管理されることが多くなっています。
多くのケースでは電子カルテが用いられていますが、これは一体いつからこんなにも我々の生活に溶け込んだのでしょうか?
いったいどのような歴史があるのか?
本記事では、誕生から今後に至るまで、電子カルテの歴史についてご説明いたします。
電子カルテの普及
歴史をたどると、電子カルテの誕生は1999年のことです。
かつて存在した厚生省から示されたガイドラインによっていくつかの要件を満たしていれば
電子媒体に保存された診療録情報が原本として認められるようになり、電子カルテが普及
していきました。
それ以前は、カルテはずっと紙で管理されていましたが、1970年代以降、医療における様々なITの実践・運用が進むにつれてカルテデータもIT化が求められるようになりました。
レセプトコンピュータや診療支援ソフトなどの各種、医療ICTの導入が進む中、ついに1999年に電子カルテは法律的に認められ、普及するに至ったのです。
電子カルテの過去
歴史でみる過去、登場当時の現場ではこのような印象を持たれていました。
「めんどくさい」
「紙で何も不便じゃないんだから、このままでいいんじゃないのか」
どんなものでもそうですが、新たな技術が市民権を得るのには時間がかかるものです。
初めは、多くの方がその利便性よりも、今までのやり方から移行することへの忌避感をもっていました。
しかし、導入することによって、紙に書いたときに発生するような難読性や誤読、同時に複数個所でデータを閲覧することができず、使用するたびに正しい場所に直さなければならない、入力時の打ち込みミスなどの問題の解決をすることができます。
こういったメリットを享受するためには、紙カルテからの移行は必須であったのです。
とはいえ、どうして多くの方々が導入に忌避感を持っていたのかと言うと、当時はまだパソコン自体が新しい文化であり、パソコンに入力すること自体が大きな手間だと感じられていたのが大きな原因です。
実際、パソコン操作に慣れていない方にとっては、電子カルテへの入力作業は紙のカルテへの入力作業よりも時間がかかってしまうということもありました。
現在の電子カルテ
ですが、今現在では多くの診療所で電子カルテが導入されています。
それは、電子カルテのメリットが多くの方に受け入れられたというだけではなく、時代の変遷によるものもあります。
パソコンネイティブの世代の方が増え、パソコンの操作に対する忌避感がない世代にとっては、そもそも初めからメリットの高いものでした。
電子カルテメーカーの開発努力により、より使いやすいより負担の少ないシステムが構築されている、開業前の勤務医としての勤務先が電子カルテ化され運用に慣れている、といった複数の要因が影響し、そういった世代の多くの方はこぞって導入していきました。
また、それ以前の世代の方もパソコンやスマートフォンなどのIT機器に囲まれた生活を送るうち、極めて自然な機器や管理形態の発展であることを受け入れることができたのです。
電子カルテの今後の展開
今後、電子カルテの普及は益々進んでいくとみられます。
現代の生活において、IT機器は無くてはならないものですし、そういった生活を送っているよりIT依存度の高いITネイティブの世代の増加により、医療ICTの発展はさらに加速を増していくことでしょう。
電子カルテに関わる医療関係者側にとって、電子カルテを使うことがより自然なこととなっていくのです。
おわりに
電子カルテの歴史、過去・現在・未来についてご説明いたしました。
昔は存在すらしていなかった電子カルテが、今では主流のカルテ管理方式となっていっています。
電子カルテの普及度は今後もますます高まっていきます。
時代の流れとともに普及度を高めていくその歴史についても知っておくと良いでしょう。

株式会社ユヤマ

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