導入しやすい電子カルテとは
電子カルテとは、従来医師が患者の診療データを手書きで記入していた紙のカルテを、電子的なシステムに置き換えたものです。
ここ十数年のうちに医療機関では電子カルテ化が一般的になってきており、新規開業する医師のほとんどが開業と同時に導入しています。
開業時の電子カルテの導入が進んでいる
カルテを電子情報に置き換えてデータベース化することで、一括管理が可能になり様々なメリットが生まれます。
そのメリットにより、これまで改善が必要でも手を付けられなかったことを解決できることもあります。
電子カルテの導入で改善できることの1つに、時間の短縮があります。
診察はカルテがないことには始まらないので速やかに準備する必要があります。
ただ、患者はいつ誰が来院するか分からないため、来院されてからの準備になります。
その際、紙カルテだと膨大な量のカルテの中から探さなければならず時間がかかってしまうこともあります。
しかし、電子化していれば検索するだけでカルテを取り出すことができ、業務時間および待ち時間の短縮にもつながります。
また、書き間違いや記載事項の変更があった場合などの手続きも簡単に行うことができます。
患者にとって診察時間以外の負担が減ることは、とても嬉しいことです。
開業と同時に電子カルテを導入できていれば、スピーディーに診察してもらえると患者が増えるきっかけにもなるかもしれません。
電子カルテの機能
カルテを電子化すると、予約や受付の業務、患者の待ち時間、さらに医師の文書作成などに長くかかっていた時間を短縮することができ、その新たにできた時間を患者へのケアに当てることができます。
つまり、サービスの向上につながり、クリニックの評判に影響するのです。
やはり医師や事務員、その他コメディカルの精神的な余裕は、サービス向上の重要な鍵となることは間違いないでしょう。
また、検査機関に検査を依頼することがありますが、その結果をインターネットでやり取りし、電子カルテ内に取り込むことが可能です。
そうなると、何種類ものデータ資料を開く必要がなく、複数のデータを1つの画面で解析することが可能になります。
さらに、「あの患者の情報が見たい」と思い付いた時に、すぐにその情報を確認および処理することができます。
電子カルテの機能で何を1番重要とするか決める
様々な電子カルテのメーカーが、それぞれの医療機関に対応できるような改良に取り組んでおり、どの電子カルテがいいのか迷うこともあります。
そこで重要なのはシステムを導入する、または更新する際に何の機能を重要視するかということです。
いくら最新型といわれても、自分やスタッフが使えるものでないと意味がありません。
色んな機能を入れすぎて操作が複雑になってしまったり、画面にある情報が多すぎて選択しにくくなったりすることもあります。
電子カルテには、基本的な機能から技術的な機能まで幅広い機能があります。
そして、カスタムできないものもありますし、カスタムできるものもあるのです。
パソコンの操作が苦手なら操作が簡単であることを重要とし、技術的な機能が必要な場合には厳選して追加する必要があります。
逆に、パソコンの操作が得意で技術的な機能をたくさん入れたいという場合は、基本的な機能よりも技術面で求めることを重要視する必要があります。
電子カルテは1度導入すれば簡単に変えられるものではないので、何が最も重要なのか決めておくことがとても大切です。
電子カルテの機能以外にも目を配る
電子カルテを導入する際は、機能以外のことにも目を配る必要があります。
導入するには初期費用がかかりますし、その後のランニングコストも軽視することはできません。
また、自然災害や停電などで使えなくなるリスクもはらんでいるので、そういった際もサポートが行われるのかどうかということも大切です。
さらに、電子カルテ導入後のよくある問題に、医師が液晶画面ばかりのぞき込むようになってしまうということがあります。
患者とのコミュニュケーションは会話でしか図れず、顔を見ることで症状を読みとれることもあるので、目と目を合わせることはとても大切なことです。
電子カルテばかりに気を取られないようにする必要があり、より簡単な操作で入力できることは重要なのです。
おわりに
電子カルテを導入することは医療機関の評価へつながりますし、開業と同時に導入していれば患者からの評価を得やすいです。
電子カルテを導入して待ち時間を減らし、スピーディーな診察を行ないましょう。
これから開業を考えている方は、同時に電子カルテの導入も考えてみてください。

株式会社ユヤマ

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