2026年1月号
お薬手帳持参を原則化-生活保護者の薬局利用
専門薬剤師、初の共同運営-HIV領域でエイズ学会と
お薬手帳持参を原則化-生活保護者の薬局利用
情報提供元:薬事日報社
厚生労働省の医療扶助・健康管理支援等に関する検討会は11日、議論の中間整理案を概ね了承した。生活保護受給者の医療機関受診時と薬局利用時にお薬手帳を持参することを原則とした。一定種類数以上の医薬品の投与を受けているなど「重点対応対象者」として選定された人には、薬局への同行支援などを行うよう福祉事務所に求めた。
生活保護受給者の服薬状況として、処方される医薬品の種類が多い傾向が見られる。医薬品の適正使用に向けた支 援策も含め、検討会で10月から4回にわたって議論した結果を中間整理としてまとめ、必要な対応を取るよう国に求めた。
医薬品の適正使用に向けた取り組みとして、医療機関・薬局で患者の薬剤服用歴や併用禁忌・重複投薬の確認が確実にできるよう、受給者が受診時・薬局利用時に電子版お薬手帳を含めたお薬手帳を持参することを原則とした。
お薬手帳の確認や電子処方箋等による薬剤情報の閲覧を通じて服薬状況等の確認を行うこととし、確認結果を踏まえて適正使用に関する必要な対応を行う。
福祉事務所による重複・多剤投与対策も盛り込み、「最も重要なポイント」として服薬に関する相談対応、服薬管理方法見直しに向けた助言・指導、処方内容の調整など、医師・薬剤師による対応につなげるとし、国が丁寧な技術的支援を行うことが適当とした。
具体的には、同一月内に複数の医療機関から同一成分の医薬品を処方されている人、同一月内に6種類以上の医薬品の投与を受けており、かつ複数の医療機関を受診している人に文書での通知などを実施する。
その中で、15種類以上の医薬品の投与を受け、複数医療機関を受診している人などのうち、嘱託医・薬剤師等との協議により、「重点対応対象者」として選定された場合、対面指導や薬局への同行支援など重点的な対応を行う。
重点的な対応に当たっては、併用禁忌など薬学的リスク、ケースワーカーが訪問調査時に把握した情報の勘案など、優先順位づけの考え方を国が具体的に提示すべきとした。
受給者が健康行動に取り組むよう促すことも重要とし、健康サポート薬局や連携して相談対応等を行う地域の薬局などが地域の身近な相談窓口として機能し、福祉事務所が服薬等に課題を抱える人に対して薬局への相談勧奨を行うなど積極的な連携が進められるよう国が取り組み事例を収集・共有するよう求めた。
専門薬剤師、初の共同運営-HIV領域でエイズ学会と
情報提供元:薬事日報社
日本病院薬剤師会は、来年4月からHIV感染症専門薬剤師制度について日本エイズ学会との共同認定制度を開始する。両団体の委員で運営する共同運営委員会で基本方針等を検討し、来年3月に協定書を締結する計画。日病薬が運営する専門薬剤師制度で学会と共同運営化するのは初めて。エイズ学会の医学的知見と日病薬の薬学的専門性を融合させ、専門薬剤師制度の信頼性向上を目指すと共に、専門医療機関連携薬局の傷病区分としてHIVを追加予定にあることから、薬局に勤務する薬剤師も取り込む方針だ。
共同運営化はエイズ学会からの打診を受けて実現したもの。日病薬は2008年からHIV感染症専門薬剤師制度を運用 し、試験や病院研修、認定審査の実務を担ってきた。既にHIV薬物療法認定薬剤師が102人、HIV感染症専門薬剤師が33人に上る。
専門的な薬物療法を提供し、高度な薬学的管理機能を発揮する専門医療機関連携薬局は癌に加え、小児疾病、HIVの傷病区分を追加する方向にある。薬局の認定要件として、学会認定を受けた専門薬剤師の配置が要件となっている。
日病薬とエイズ学会は、これまでも一部協業して運営を進めてきた。エイズ学会はHIV専門薬剤師制度を運営することを決め、専門医療機関連携薬局において専門性を認定する団体として申請する方針だ。既に日病薬が運営しているHIV専門薬剤師制度があり、「同じ疾患領域で複数の専門薬剤師制度が存在するのは好ましくない」との理由で共同認定制度の協議を開始。両団体で基本合意内容を了承し、共同運営を開始する見通しが立った。
専門薬剤師制度を運営する日病薬に、エイズ学会は臨床や基礎領域で最新の医学的知見をもとにした研修会を開催しており、地域医療や予防施策への参画など学術性や社会的機能を有している。両者が持つ強みを融合させることで、同専門薬剤師制度の社会的な信頼性のさらなる向上を図りたい考え。
名称・認定証は「HIV感染症専門薬剤師」等を継続し、両学会の共同認定であることを明記する。両団体の委員で運営する共同運営委員会で基本方針等を検討し、実務は実績のある日病薬の委員会が継続し、エイズ学会の委員が参画するとしている。
奥田真弘副会長は10日の記者会見で、「学会との共同運営によって信頼性が得られる制度設計を行い、患者さんから頼りにされ、認定者も増えることが期待される」と語った。
薬局薬剤師に対するアプローチについては、「HIV専門薬剤師の認定者の中に、薬局に在籍している薬剤師もいる。専門医療機関連携薬局にHIVが加わることで認定者が増えると思うので、共同運営委員会で具体策を検討していきたい」と語った。