【電子カルテコラム】縦覧点検(じゅうらんてんけん)とは?
レセプト審査の際に行われる重要な点検内容に「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」があります。
保険医療機関では月に一度診療報酬請求を行わなければなりません。
レセプト審査を行う審査支払機関にレセプトを提出するのですが、審査支払機関がレセプトをチェックしていく際に行うのがこの縦覧点検(じゅうらんてんけん)」です。
今回は、電子カルテコラムとして「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」についてご紹介していきます。
【審査支払機関】「レセプト審査」について
毎月行われる「レセプト請求」はさまざまな医療事務業務の中でも一大業務だと言われています。
「レセプト請求」は、レセプトを審査支払機関に提出すればそれで完了というわけではありません。
審査支払機関では「突合点検・縦覧点検」によりレセプトデータを隅々までチェックし、請求内容の審査を行っているのです。
近年では電子レセプト請求の方法が広まってきているため、レセプトデータ同士の関連付けやレセプトデータの蓄積が簡単に行えるようになり、審査支払機関でも電子的なデータチェックが可能となっています。
レセプト審査で行われている点検内容の一つ、「縦覧点検」について詳しく見ていきましょう。
「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」とは
同一医療機関において同一患者の過去6ヶ月分のレセプト請求と当月分のレセプト請求とを照らし合わせて確認を行い、診療行為の回数や過去の経緯とのつじつまが合っているかを
チェックしていくことを「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」と言います。
審査支払機関によるレセプトチェックとは、送られたデータ分の確認だけを行うものではなく、患者さん一人一人の過去レセプトにも目を通してしっかりと点検・確認を行っていくことを指します。
例えば数ヶ月に1度と決められている検査回数が適切なものであるか、管理料の算定方法が正しいかなどの点検が行われるのです。
「増減点連絡書」について
この「増減点連絡書」とは、医療機関がレセプト審査・点検を行った結果、査定された際にレセプトの点数や内容を報告する文書になります。
この「増減点連絡書」によって縦覧点検結果である査定内容が分かるようになっているのです。
ただ縦覧点検に限ったことでなく、レセプト審査により点数に増減があった場合にはその内容が文書に記載されるのです。
「増減点連絡書」では増減点とみなされる理由がアルファベッドで記されていて、どのようなカテゴリであるかの凡例も記載されています。
ただ、カテゴリは大まかなので、増減点された具体的な内容ははっきりとは分からないため、審査支払機関に直接問い合わせを行うのが一番良いでしょう。
「この点は間違っているのでは?」という内容があった場合は、審査結果に対して異議を申し立てることもできます。
この異議の申し立てを「再審査請求」と言います。
おわりに
今回は、電子カルテコラムとして「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」についてご紹介しました。
「縦覧点検(じゅうらんてんけん)」は患者さんの当月分と過去6ヶ月分のレセプト請求の内容を照らし合わせて、診療行為の回数・内容を確認していくことを言います。
検査回数・内容に不備が無いかを確認する「縦覧点検」によって、患者さんの健康を守ることにもなるのです。

株式会社ユヤマ

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