電子カルテを導入するまでのスケジュールをまとめておこう
「電子カルテを導入したいけれど、導入の流れやスケジュールがイマイチよく分からないので不安…」という方も少なくないのではないでしょうか?
基本的に電子カルテの導入には時間がかかるものであるため、余裕をもった行動をおすすめします。
今回は、電子カルテの導入スケジュールについてご紹介していきます。
【本稼働の半年前】導入の検討開始
本稼働の半年前には電子カルテ導入を検討し始めていきます。
電子カルテの販売会社に連絡する
まずは電子カルテの販売会社に連絡してみましょう。
基本的に電子カルテの導入には時間がかかるものであるため、早めに行動するのが吉です。
要望・気になる点を伝える
販売会社の担当者に電子カルテに関する要望や確認しておきたいポイントを伝えましょう。
詳細に伝えておくほど、要望通りのものをデモしてもらいやすいです。
デモンストレーションを行う
販売会社がその要望を元に選んだ機材を院内に持っていき、電子カルテのデモンストレーションを行ってくれます。
このデモでは実際に電子カルテの機材を使用するため、使い心地をしっかりと確認していくことができます。
周辺システム・機器との連携についても連携の可否や連携時の動作、操作手順等について詳しい説明を受けましょう。必要であれば、電子カルテメーカーと周辺システムメーカーを同時に招いて連携のデモンストレーションをしてもらうのもおすすめです。
見積もり・検討
見積もりを提示してもらい、さまざまな機能・システムを比べながらどの電子カルテにするかを検討していきます。また、電子カルテの導入に際して、併せて導入する周辺機器やシステムの検討も必ず行い、電子カルテと「何を」「どのように」連携させたいのか、その為の追加費用はどれぐらい発生するのかを見極めた上で結論を目指しましょう。
【本稼働の3~4ヶ月前】発注
本稼働の3~4ヶ月前には発注を行うようにしましょう。
発注・ヒアリング
注文書を出して電子カルテの発注を行うと、担当者との間で、電子カルテの設定に関する詳細な打ち合わせが始まります。担当者が電子カルテに関する詳細な要望を確認していきます。
メーカーからの機器出荷までに大半の条件設定事項の確認・依頼が済ませられていれば、搬入設置後のステップがスムーズになります。逆に出荷までに済ませられなければ、これらの設定作業は搬入・設置後から着手しなければならなくなり、本稼働までにより多くの時間と手間を要してしまうことになるので注意しましょう。
インターネット回線を手配する
電子カルテのシステムアップデート時やレセプトのオンライン上での請求は、インターネット回線が必要になります。既存の回線でそのまま使用できるのか、キャリアのプラン変更や回線増設が必要なのかを確認しましょう。回線契約を新規で行う場合、予想以上に時間がかかってしまうことがあるため気を付けましょう。
【本稼働の1~2ヶ月前】納品
本稼働の1~2ヶ月前には電子カルテの納品が行われます。
セッティング・操作の説明
希望する場所に電子カルテをセッティングしてもらいます。この時、電子カルテシステムと連携させる周辺機器やシステムとの相互接続作業を行います。
その後、医師に対して電子カルテの操作方法、看護師やスタッフには窓口業務の使用方法などを説明していきます。
担当者が実際に来院し、セミナーのような形で説明を行ってくれます。
1回だけということはなく複数回に分けて、説明・指導を行ってもらうため時間がかかるものであることを覚えておきましょう。また、説明を受ける時間の後にそれらを復習・練習する時間も必ず設けて、次回の説明時に不明点やうまくいかなかった点について、質問・相談を行うなど、費やした時間をより有意義なものとする為のスケジューリングをしっかりと行いましょう。
テスト運用を行う
手順を元に電子カルテのテスト運用をし始めてみます。
患者やスタッフの動線に停滞が生じていないか確認を行い、問題点の洗い出しを行います。実施後には全員でミーティングを行い、運用ルールの変更や追加などを協議したり、システム設定の変更等により解決が図れないか、電子カルテシステム担当者から助言・提案を受けるなどしましょう。
本稼働
ここでようやく本稼働となります。
本稼働日からおおむね2~3日間はメーカー担当者が終日立ち合いを行ってくれますので、テスト運用等、事前の準備期間中に洗い出しきれなかった運用上の細かい問題点などあれば、その場で直ちに解決していきましょう。
もちろん、本稼働後でも使用している中で疑問や気になる点が新たに出てきた場合は、販売会社に相談してみるようにしましょう。
おわりに
今回は、電子カルテの導入スケジュールについてご紹介しました。
電子カルテの本稼働までの道のりは長く、半年前には検討し始める必要があります。
思い立った時にすぐに導入できるものではないため、必ず時間に余裕をもって導入を進めるようにしてください。
また電子カルテの導入を検討する際には、できる限り細かく要望をリストアップして販売会社にそれを伝えるようにするのがおすすめです。そうすることでより希望通りの電子カルテを導入することができるでしょう。

株式会社ユヤマ

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