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電子カルテ
ドクターリポート01 - 調剤まで自動化した電子カルテ。
少人数のオペレーションを可能に。
応対者:かみや内科クリニック(福島県)菅原慎一先生
小児科・内科を標榜し、福島県田村郡小野町で院内処方を行っている菅原慎一先生。
電子カルテと当社調剤機器をシステム連動し調剤まで自動化されている先生のこだわりはなにか?
お話を伺ってみました。
- まずはこの建物についてですが、非常に特徴的なデザインとお見受けしましたが、なにか先生のお好みやこだわりといったものがあるのでしょうか。
- アメリカの50〜60年代の雰囲気が好みということもあり、ベースとして、アメリカのカントリーにあるような、ミッドセンチュリーデザインをイメージし設計士さんと打ち合わせをして建てました。
- 外観だけでなく、非常に洗練された内装からもこだわりを感じられます。
- そうですね、内装はインテリアデザイナーさんを入れずに私たちだけで決めていきましたが、良い意味で病院っぽくなく、家のような温かい雰囲気になるように心がけました。


- 待合室の机やソファーひとつひとつに、温かみを感じる内装ですね。ところで窓口にサプリメントやビタミン剤を販売されていますが、どのような理由から販売されているのでしょうか。
- 保険医療でカバーが難しい部分をサプリメント等で補完していきたいからです。
実際に効果の高いサプリメントもありますし、高濃度ビタミンC点滴療法や、栄養療法の一環で置いています。血液検査や画像検査で問題なしと診察されても、体調不良を感じられている患者さんの中には、それらを使うことで改善する場合もあります。

- 先生のお考えが反映されていますね。現在、当社の電子カルテを使用されていますが、当社の製品を知ったきっかけはなんだったのでしょうか。
- 買い替えで電子カルテを選定する際、色々な資料を見ている中で、ユヤマのユーザーレポート(BarinBoxVⅡ)を見たのがきっかけです。特に太子橋クリニックの赤堀先生のレポート※を見て当院も調剤まで自動化して、省力化したオペレーションが出来ればいいなと思い、興味を持ちました。 ※(電子カルテBarinBoxVⅡと全自動調剤分包機Litreaをシステム接続し自動化。少人数でのオペレーションを実現)
- 先生に興味を持って頂けて、非常に嬉しく思います。そこから当社の電子カルテを選ばれた最終的な決め手を率直に教えてください。
- 移転前のクリニックでは他社の電子カルテを使っていました。細かい部分だとは思うのですが、私としてはSOAP形式でSからOなどと記入したいという思いがありましたが、他社では一旦入力した内容をD&D(ドラッグ&ドロップ)で並び替えが出来なかったのです。BrainBoxVⅢは並び替えに対して、融通が利く所が良いと思います。
BrainBoxVⅢの入力手順は、問題志向型(POS)記載方式で最も用いられているS・O・A・P形式に則っています。
S(Subjective) 症候的、問診等による主観的データ O(Objective) 所見、検査等による客観的データ A(Assessment) 問題に対する考察、評価(診断等も含む) P(Plan) 問題に対するプラン
- 導入後、実際に使われてみてどうでしょうか?
- 『良い』と思います。他社の一体型モデルやフリーの電子カルテを補助として使っていた時期もあり、比較というわけではないですが、BarinBoxVⅢは診察機能だけでなく、経営的な数値がすぐに出てくるのが非常に助かります。診察機能ではよく使用するものが予め配置されているのも使いやすいですし、配置している場所もわかりやすく操作しやすいです。画面自体も見やすく、診察行為セットなどよく使う可能性が高いセットが予め準備されているのも良いですね。またセット登録や帳票作成など、ある程度自分好みにカスマイズ出来るのがとても良いと思います。

菅原先生

- 使いやすさにこだわった電子カルテとしては非常に嬉しいお声です。
ところでさきほど経営的な数値がすぐに出てくると言われましたが、具体的にどのようなことでしょうか。
- 統計的な数値です。毎月の患者数や新患数、年間売上、後発品使用割合といったものがすぐに表示できるのもありがたいです。
- なるほど、ありがとうございます。標準搭載されている医薬品データベース(MDbank)の使い勝手はいかがでしょうか。
- 使いやすいと思いますよ、特に薬の画像が良いですね。患者さんに画像を見せながら、薬を説明できます。他社の医薬品データベースを搭載している電子カルテもありますけど、MDbankの方がより使いやすいと思いますし、自社の医薬品データベースを標準で搭載されているのは強みになるのかなと思います。
- ありがとうございます。では最初に仰っていました調剤自動化について詳しくお伺いしたいと思います。BarinBoxVⅢに加え、当社の調剤ロボット、機器(MiniDimeRo、miniAQUA、charty-ⅢUC5+45錠剤カセット)を導入され、システム連携されていますが、当社の調剤ロボット、機器を選定された理由を教えてください。
- 赤堀先生のユーザーリポートを見て、ユヤマ製の電子カルテと調剤機器がシステム連携可能な点は魅力に感じていました。一体型という訳ではないですが電子カルテと調剤機器のメーカーを揃えた方がリスクが小さいのでは、と思いました。

調剤ロボット、機器が所狭しと並ぶ調剤室
- まさに電子カルテと調剤機器、両方を販売しているユヤマの強みですね。
他に導入の大きな決め手となったものはありましたでしょうか。
- やはり散薬調剤ロボットMiniDimeRoです。散薬を一包化したいと思っていたので、機械で自動化すればヒューマンエラーなく処方出来るというのが大きな決め手です。水剤分注機 miniAQUAに関してはランニングコストが安いというのも魅力に感じました。

散薬調剤ロボットMiniDimeRo

- 調剤機器を選定される際に、先生自らが実機を確認する為、当社の東京ショールームまで来て頂いたとお伺いしました。
- ショールームには一通りの機器がありますし、イチ押しの機器とかもわかりますから。直接、実機を見たり触ったりしたのも選んだ大きな理由になりましたね。
- 小型分包機charty-ⅢUC5+45錠剤カセットも導入されていますね。
- MiniDimeRoで完結できない処方の分包や、その人に合わせたサプリメントセットの一包化をしています。特にユヤマのUC(ユニバーサルカセット)は固定カセットにない錠剤でも、手撒きをせずに分包できるのが良いと思います。サプリメントなどはサイズが大きく種類も多いので、個々人に合わせた組み合わせを出来るのも良いと思います。
- 散薬調剤ロボットMiniDimeRoを導入されているクリニック様は全国でも少数派だと思いますが、周りのドクターからの反応はなにかありましたでしょうか。
- ほとんど公開していないので知っているドクターの方は、ほぼいないと思います。ですが、院内での調剤をしていて散薬の処方が多いドクターの方は、皆さん散薬調剤ロボットを導入したいと思っているのではないでしょうか。まだ導入に至ってない方はコストとの兼ね合いが大きな理由だと思います。
- なるほど、ではコストを上回るメリットがあると先生はご判断され散薬調剤ロボットを導入されたのでしょうか。
- はい。やはり機械は間違いがないだろうというのが大きな理由ですね。人の手が入るとどうしても間違いが出てきてしまいますから。実際によく聞くのはスタッフさんが「間違えたかもしれないといった不安がどうしても付きまとう」と。
ですから、調剤を機械化して、少しでもヒューマンエラーを無くしていきたいと思っています。
- 当社の調剤支援システムYUNiCOM-DSxを導入され、BarinBoxVⅢと調剤機器をシステム連動し自動化されていますが、実際に使用されてみていかがでしょうか。
- システムは全く問題なく稼働しています。細かい内規設定ができるので、すごく助かっています。
自動化に関していうと、やはり人の手間が減りましたよね。あとは散薬の処方が多いので、機械に任せている分、粉の飛び散る心配がなくて安心しています。やはりスタッフさんの健康面も気になりますので。
- 調剤完了までの時間についてはいかがでしょうか。
- やはり格段に早いと思います。会計業務までの全体を含めると全体のスピードアップに繋がっているかはわかりませんが、薬が出てくるまでは、はっきり言って早いです。
- ありがとうございます。当クリニック様では、これから将来的にどのように省力化を進めていくお考えでしょうか。
- 少人数でのオペレーションが出来るよう、システム・機器を考えていたので、どうしてもの時は、私がシステム(調剤支援システムYUNiCOM-DSx)を操作し、調剤したり、問診票をwebアプリにする、もしくはRPA※を導入して入力の手間をさらに減らす、等、まだまだ省力化できると思いますのでコストを天秤にかけながら進めていきたいと思います。
なるほど、これからも省力化が進みそうですね。本日はありがとうございました。
- ※RPA(Robotic Process Automation)…
- これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業を認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能等)を活用して代行・代替する取り組み




- Clinic Profile
- 作詞家・丘灯至夫氏の生誕地やリカちゃんキャッスルがある町として知られる福島県田村郡小野町。その町並みを抜けると、外観からもこだわりが感じられるミッドセンチュリーデザインのクリニックが姿を現します。窓口でのサプリメントの提案含め、機械やシステムの力を活用し調剤自動化を進めている菅原先生。
先生ならではのこだわりが随所に感じられた取材となりました。


