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ユーザーリポートUser's Report

12加賀こころの病院様

一包化錠剤鑑査支援装置 TabSight(タブサイト)

一包化錠剤鑑査支援装置 TabSight(タブサイト)

調剤室内(錠剤分包エリア)

応対者
医療法人社団長久会 加賀こころの病院 薬局長 中川 将人先生
取材者
株式会社ユヤマ 営業企画部 主任 松尾 笑加

ポリファーマシーの概念が広まり処方の適正化が各所で取り組まれていますが、精神科の領域においては処方される薬品種がまだ多い傾向にあります。処方される薬品種が多いと有害事象への配慮のみならず、それだけ鑑査の負担も大きくなることが想像されますが、精神科病院様において、一包化錠剤鑑査支援装置「タブサイト」がどのように活用されているのでしょうか。日本精神薬学会の企画委員も務められている、加賀こころの病院薬局長、中川将人先生にタブサイトの導入経緯や使用感についてお伺いしました。

(松尾)まず、加賀こころの病院様の概要についてお教えください。

(中川先生)184床の精神科病院になります。薬局スタッフは薬剤師が4名で、入院患者様向けに1日100枚、施設向けと合わせて1日150枚くらいの調剤業務を行っています。外来は100%院外処方になります。
錠剤分包については、150枚の処方箋全てが錠剤を含む処方になりますが、錠剤分包にだいたい1名がつき、鑑査は平均2名で交代しながら行っています。

中川 将人先生
中川 将人先生
調剤室内全景
調剤室内全景

(松尾)タブサイトを導入されたきっかけについてお教えいただけますか?

(中川先生)調剤の中でも鑑査業務というのは、一番神経を使うし、時間もかかる業務なんです。精神科の本病院では飲み間違いのないように、たとえ1錠の処方であっても全てを一包化して入院患者様にお渡ししています。
1包あたりの錠剤数は比較的多く、7~8錠と入っているケースもありますが、そのため分包品の鑑査業務の負荷も高く、精神的な負担がありました。
そのうえ、ある時スタッフの1人が体調不良で抜けることになり、とても大変な時期があったんです。
時間のかかる鑑査業務を何とか簡単にできないものかと考えていたところ、「鑑査装置ができました」と紹介してもらったので、「それはいいね!」と飛びついたんです。

(松尾)興味を持たれてから、どのようなプロセスを経て導入を決められましたか?

(中川先生)営業マンからパンフレットで製品紹介を受けて、鑑査の負担が減らせるならぜひ、と思っていました。体感ですが、調剤している時間の半分くらいは鑑査に時間を費やしているんです。ですから、そこを支援してもらえるのはありがたいと感じました。
比較的早い時期に導入したので、導入前に実物を見ることはできなかったんですが、福井県立病院さんでの導入事例を営業マンから聞いたり、他にも知り合いの先生からも話を聞いたりする中でイメージを湧かせながら導入を決定しました。

中川先生(右)と松尾(左)

中川先生(右)と松尾(左)

(松尾)実際にタブサイトを導入されてみて、どのような変化がありましたか?

(中川先生)鑑査に対する精神的な負担や安心感が、今までとは全然違います。
使い方としては、錠剤分包機で分包したものを全てタブサイトに通して鑑査しています。
タブサイトに通した後に、人の目でも全包鑑査を行いますが、人の目では1包目と、それからタブサイトでエラー表示が出たものを特に重点的に見ています。
タブサイトの導入前は全包を同じくらいのウェイトで見ていましたので、神経を使いますし、すごく疲れていたんです。
今も全部見るのは見てるんですが重点度合いが違うので、疲れ方というか、負担が全然違います。
今は、「つくる」という調剤よりも「内容」のほうに時間をさけるようになりましたし、「つくる」という業務においてはすごく楽になりました。

錠剤分包品をタブサイトに入れる様子

錠剤分包品をタブサイトに入れる様子

エラー(赤)部分をアップにして重点的にチェック

エラー(赤)部分をアップにして
重点的にチェック

(松尾)タブサイトの薬品画像登録作業についてはいかがですか?

(中川先生)最初に薬品画像を登録する負担は確かにあります。登録するのに時間がかかるし、撮影に使う薬剤は手で触ったりのりが付いたりしますのでその1つは使えなくなり、高価な薬剤もあるのでそのロスはもったいないという思いはあります。マスターが用意されればもっとよくなると思います。
それから、分包品すべてをタブサイトに通して使用しているので、どうせなら分包機と直接つながってくれたらいいのになと思ったりもします。

タブサイトについてざっくばらんにお話しくださった中川先生

タブサイトについてざっくばらんに
お話しくださった中川先生

(松尾)タブサイトで画像記録を後から確認したことはありますか?

(中川先生)確か、2~3回ありました。
患者さんによっては、1週間分などまとめて薬をお渡してご自身で管理されている方もいらっしゃるんですが、その患者さんからこの日の分の薬がないという問い合わせがあって、それに対してタブサイトで画像を確認したうえで、お薬出てましたよと説明したことがありましたね。

(松尾)タブサイトとあわせてお使いいただいている錠剤分包機は、UC(ユニバーサルカセット)付のリトリアⅢですが、UCを導入されたことによってタブサイトで引っかかるミスは減りましたか?

ミスもほとんどなくなりました。UCがあるんで手撒きがほとんどなくなったからです。あと手撒きが残っているのは半錠とかくらいですよね。
それから薬品の補充もいいですよね。薬品バーコードと錠剤カセットでダブルチェックができるので、以前は監査対応で薬品補充は必ず2人でしなければなりませんでしたが、1人でも対応することができるようになったので助かっています。
手撒きも、鑑査も、補充も、いずれをとっても、負担感が全然違います。

UCに錠剤を投入する様子
UCに錠剤を投入する様子
 
薬品充填時も薬品バーコードと錠剤カセットで簡単にダブルチェック
薬品充填時も薬品バーコードと
錠剤カセットで簡単にダブルチェック
散薬分包エリアには散薬調剤ロボットMiniDimeRoの姿も

当社の機械が先生方の負担軽減に大きく貢献できているとお聞きでき嬉しいです!
もっとお役に立てるよう、これからも色々とご意見をいただけると幸いです。
本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございました!

加賀こころの病院 薬局様はこんなところ

入院・外来一体化で患者様の薬物治療をトータルサポート!!

石川県の温泉街の中心となる「加賀温泉駅」から徒歩約10分の距離に位置する精神科の病院様。自然に囲まれた見晴らしの良い立地で、空気の良さにも癒されます。
加賀こころの病院 薬局様では現在、特に外来患者様への対応に力を入れており、「入院・外来一体化」を目指しているとのこと。具体的には「おくすり相談室」を設けて入院患者様が退院された後にも気軽に相談できるようにするなど、患者様が入退院に関わらず安心して暮らせるようサポートされています。