ユーザーリポートUser's Report
16岡谷市民病院様
業務支援モバイル GX-handy、最終鑑査システム
- 応対者
- 岡谷市民病院 薬剤科薬剤長 伊藤 勇人 様、林 美和子 様、小松 晴菜 様
- 取材者
- 株式会社ユヤマ 営業企画部 長下 悦子
岡谷市民病院様は長野県の中央に位置し天気の良い日には富士山を見ることができる、眺めの良い場所にある総合病院です。
2006年に2つの病院が経営統合し、2015年に施設を集約。地上6階、地下1階、病床295床の「岡谷市民病院」としてスタートされました。
新築時には薬剤科の業務システムを全て見直し、調剤業務における効率性と安全性の向上を図るシステム構築を行われました。
薬剤師に求められる業務が対物業務から対人業務へとシフトしている現状を踏まえ、業務全体の見直しを実施。
システムにより調剤業務の効率性と安全性を向上させることで、薬剤師の職能や専門性を発揮する業務転換を進めていらっしゃいます。
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伊藤 勇人薬剤長
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林 美和子先生
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小松 晴菜先生
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Hp-PORIMS更新のため、GX-handyを導入されたと伺いました。改めて、GX-handyの導入に至った
背景について、お話いただけませんか?当科では、調剤業務におけるヒューマンエラーを最小限に抑え、正確かつ安全な業務を遂行できるシステムの構築を目指しています。
GX-handyは従来からのピッキング認証機能の他にも様々な機能が1台に集約されており、これからの薬剤師の調剤業務ツールとして欠かせないデバイスの1つであると判断し、導入することにしました。
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現在、業務の中でGX-handyをどのように活用されていますか?
医薬品認証機能が中心です。例えば、調剤におけるピッキング認証、注射薬の機械払い出し以外の認証、抗がん剤払い出し時の認証、注射薬払出機へ充填する際の認証、半錠などの予製を作成する際の認証、麻薬金庫から麻薬を払い出す際の認証などです。
さらに、調剤システムから出力している処方箋には、検査値を印字しています。腎機能が低値の患者さんの場合、腎機能に応じた添付文書の用量になっているか確認が必要になりますが、GX-handyを使用し処方箋のバーコードを読むことでDIを呼び出すことができ、用量の確認に役立っています。
また、外来の患者さんに薬をお渡しした後、「薬の数が足りない」と問い合わせが来たことがありました。そのような事象をきっかけに、必要に応じてGX-handyのカメラ機能を利用して処方箋と実際にお渡しした薬の数を撮影し記録・保存しています。
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GX-handyを実際に使われてどのようなメリットを感じられていますか?
GX-handyの導入により正確な医薬品の取り揃えが行えるようになりました。薬品の取り間違いだけでなく、同一薬品の規格・剤形の取り間違い防止にも役立っていると感じています。
注射薬に関しても同様ですが、特に抗がん剤の払い出しには注意が必要になるため、認証機能は重宝しています。
GX-handyを使用することで内服・注射ともに調剤ミスを未然に防止することができるため、安心して業務に取組むことができています。
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以前使用されていたHp-PORIMSと比較して使い勝手はいかがですか?
Hp-PORIMSは本体とバーコード部の2部構成だったためサイズが大きく、重量もあり携帯デバイスとしては利用範囲が限定されていました。さらに、バッテリー性能も弱く本体とバーコード部両方のバッテリー管理が必要でした。
それに対して、GX-handyは一体化・軽量化されており、白衣のポケットに収まるので持ち運んで様々なシーンで活用できています。前モデルから端末のスペックも向上しており、ワークエリアの拡大に合わせて多様な運用が可能となっているのも大きな特徴だと思います。
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岡谷市民病院様は最終鑑査システムも導入いただいています。業務の中で最終鑑査システムをどのように
活用されていますか?外来、入院調剤の鑑査で活用しています。従来は薬袋への薬の入れ間違いと、お薬情報、お薬手帳の患者さんへの渡し忘れが課題になっていました。そこで、錠剤の一包化と散薬の分包、お薬情報、お薬手帳ラベルの全てに認証用バーコードを印字し最終鑑査システムで全てのバーコードを認証することにより、これらの課題をまとめて解決することができました。
調剤のピッキング時にもGX-handyを使用して薬品間違いを防止しており、ピッキング時と鑑査時の2段階で認証を行えているのも特徴の一つです。
また、鑑査時に添付文書で用量等の確認が必要な際、従来は電子カルテで確認を行っていましたが、最終鑑査システムでは添付文書の原文が閲覧できるのも便利だと感じています。
さらに、リスクの高い抗がん剤等のレジメンチェックでは認証対象である医薬品のDI情報がリアルタイムに参照できるなど、認証システムとしての機能以外も業務に役立っています。
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GX-handyや最終鑑査システムの導入にあたって、不安などはございましたか?
すでにHp-PORIMSを導入していたため、GX-handyへの業務移行もスムーズに行うことができました。最終鑑査システムの導入当初は、最終鑑査を全ての処方に行うことで調剤に時間がかかることを不安視していましたが、導入後1年が経過した現在は運用にも慣れ時間的な問題も感じていません。それ以上に調剤ミスが激減していることを実感し、安心感につながっています。GX-handyや最終鑑査システムの導入は、当直業務の一人調剤・一人鑑査の際にもメリットが大きいと感じています。
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今後の展開についてはどのようなことをお考えでしょうか?
調剤業務における小型情報端末として様々な利用シーンがあると考えています。院内に払い出される薬は最終鑑査後に払い出し先のパスボックスに保管されますが、入れ間違いのリスクがあるため、今後はそれを防止する認証を取り入れる予定です。
また、現在入院時に持ち込まれる大量の持参薬は、持参薬鑑別システム等と電子カルテの持参薬オーダー連携システムで運用しています。GX-handyのような稼働性の高いデバイスが利用できれば、持参薬を薬剤科に持ち込み鑑定するのではなく薬剤師が病棟で鑑別を行い、持参薬管理も含め効率的な病棟業務が行えると思います。
さらに、私見ですがGX-handyのような小型情報端末は幅広い応用の可能性を秘めていると感じています。将来的にはバーコードを利用した薬袋・薬品情報・ラベル等の再出力の自動化や、処方歴・検査歴の参照、薬剤管理指導システムのサブセットとした入院時の初回面談聞き取りの簡易入力をはじめ、ChatGPTのようなAI機能を取り入れた服薬指導時の指導補助、病棟業務日誌管理などもできるのではないかと考えています。
現在のスマートデバイスは数年前のPCと同程度のスペックを持つため、デバイスとして携帯性や多様性とネットワーク化を活かして持ち運べる様々なソリューションが開発されることを期待しています。
岡谷市民病院様はこんなところ
ピッキング時と鑑査時の2段階認証で安全性の向上を実現!
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岡谷市民病院様はミスを防ぐ仕組みを取り入れるのはもちろんのこと、機械でできることは機械に任せて、病棟に行って患者様と向き合うことに力を入れておられました。
実際に取材に行った日も、調剤室には数名の先生がいらっしゃるのみで、大半の方は病棟業務へ行かれていました!さらに、小型情報端末の活用方法における今後の展望などもお伺いすることができ、先生方の熱い想いを感じた一日でした。
貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました!