加賀こころの病院様(石川県)
応対者:医療法人社団長久会 加賀こころの病院 薬局長 中川 将人様
取材者:株式会社ユヤマ 営業企画部 主任 松尾 笑加
鑑査の負担が全然違う!負担が減る分、処方内容に時間を費やせます
一包化錠剤鑑査支援装置 TabSight
ポリファーマシーの概念が広まり処方の適正化が各所で取り組まれていますが、精神科の領域においては処方される薬品種がまだ多い傾向にあります。処方される薬品種が多いと有害事象への配慮のみならず、それだけ鑑査の負担も大きくなることが想像されますが、精神科病院様において、一包化錠剤鑑査支援装置「TabSight」がどのように活用されているのでしょうか。日本精神薬学会の企画委員も務められている、加賀こころの病院薬局長の中川様にTabSightの導入経緯や使用感についてお伺いしました。
まず、加賀こころの病院様の概要についてお教えください。
184床の精神科病院になります。薬局スタッフは薬剤師が4名で、入院患者様向けに1日100枚、施設向けと合わせて1日150枚くらいの調剤業務を行っています。外来は100%院外処方になります。
錠剤分包については、150枚の処方箋全てが錠剤を含む処方になりますが、錠剤分包にだいたい1名がつき、鑑査は平均2名で交代しながら行っています。
TabSightを導入されたきっかけについてお教えいただけますか?
調剤の中でも鑑査業務というのは、一番神経を使うし、時間もかかる業務なんです。精神科の本病院では飲み間違いのないように、たとえ1錠の処方であっても全てを一包化して入院患者様にお渡ししています。
1包あたりの錠剤数は比較的多く、7~8錠と入っているケースもありますが、そのため分包品の鑑査業務の負荷も高いため、精神的な負担がありました。
そのうえ、ある時スタッフの1人が体調不良で抜けることになり、とても大変な時期があったんです。
時間のかかる鑑査業務を何とか簡単にできないものかと考えていたところ、「鑑査装置ができました」と紹介してもらったので、「それはいいね!」と飛びついたんです。
興味を持たれてから、どのようなプロセスを経て導入を決められましたか?
営業さんからパンフレットで製品紹介を受けて、「鑑査の負担が減らせるならぜひ」と思っていました。体感ですが、調剤している時間の半分くらいは鑑査に時間を費やしているんです。ですから、そこを支援してもらえるのはありがたいと感じました。
比較的早い時期に導入したので、導入前に実物を見ることはできなかったんですが、福井県立病院さんでの導入事例を営業さんから聞いたり、他にも知り合いの先生からも話を聞いたりする中でイメージを湧かせながら導入を決定しました。
実際にTabSightを導入されてみて、どのような変化がありましたか?
鑑査に対する精神的な負担や安心感が、今までとは全然違います。使い方としては、錠剤分包機で分包したものを全てTabSightに通して鑑査をしています。TabSightに通した後に、人の目でも全包鑑査を行いますが、人の目では1包目と、それからTabSightでエラー表示が出たものを特に重点的に見ています。TabSightの導入前は全包を同じくらいのウェイトで見ていましたので、神経を使いますし、すごく疲れていたんです。今も全部見るのは見てるんですが重点度合いが違うので、疲れ方というか、負担が全然違います。
今は、「作る」という調剤よりも「内容」のほうに時間をさけるようになりましたし、「作る」という業務においてはすごく楽になりました。
TabSightの薬品画像登録作業についてはいかがですか?
最初に薬品画像を登録する負担は確かにあります。登録するのに時間がかかるし、撮影に使う薬剤は手で触ったりのりが付いたりしますのでその1つは使えなくなり、高価な薬剤もあるのでそのロスはもったいないという思いはあります。マスターが用意されればもっとよくなると思います。
それから、分包品すべてをTabSightに通して使用しているので、どうせなら分包機と直接つながってくれたらいいのになと思ったりもします。
TabSightで画像記録を後から確認したことはありますか?
確か、2~3回ありました。患者様によっては、1週間分などまとめて薬をお渡してご自身で管理されている方もいらっしゃるんですが、その患者様からこの日の分の薬がないという問い合わせがあったのです。それに対してTabSightで記録されている画像を確認したうえで、お薬出てましたよと説明したことがありましたね。
TabSightとあわせてお使いいただいている錠剤分包機は、ユニバーサルカセット(UC)付のLitrea-Ⅲですが、UCを導入されたことによってTabSightで引っかかるミスは減りましたか?
ミスはほとんどなくなりました。UCがあるので手撒きがほとんどなくなり、確実に分包できるようになったからです。あと手撒きが残っているのは半錠くらいですね。
それから薬品の補充方法もいいですよね。薬品のGS1データバーと錠剤カセットのダブルチェックができるので、以前は監査対応で薬品補充は必ず2人でしなければなりませんでしたが、1人でも対応することができるようになったので助かっています。手撒きも鑑査も補充も、いずれをとっても負担感が全然違います。
錠剤カセットで簡単にダブルチェック
MiniDimeRoの姿も
当社の機械が負担軽減に大きく貢献できているとお聞きでき嬉しいです!もっとお役に立てるよう、これからも色々とご意見をいただけると幸いです。
本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございました!
加賀こころの病院様(石川県)はこんなところ
入院・外来一体化で患者様の薬物治療をトータルサポート!
石川県の温泉街の中心となる「加賀温泉駅」から徒歩約10分の距離に位置する精神科の病院様。自然に囲まれた見晴らしの良い立地で、空気の良さにも癒されます。
加賀こころの病院 薬局様では現在、特に外来患者様への対応に力を入れており、「入院・外来一体化」を目指しているとのこと。具体的には「おくすり相談室」を設けて入院患者様が退院された後にも気軽に相談できるようにするなど、患者様が入退院に関わらず安心して暮らせるようサポートされています。
2018年5月時点の情報です。