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ユーザーリポートUser's Report

9グリーンメディック薬局イオン局様

小型全自動錠剤分包機(リトリアⅢUC対応)

薬剤師に患者がつく薬局作りを目指して


 大阪府豊中市で地域密着型薬局として4店舗を展開するグリーンメディックが2007年に開設したイオン局は、イオンタウン豊中緑丘内に位置する。大阪のベッドタウンの一つであるこの地域の患者層は、30代と60代が多数を占める。平均年収が高く、患者が医療機関や薬局を選択する環境下にあるイオン局では、開設時から調剤業務の自動化を推進して薬剤師が患者と取り組む時間を捻出。薬剤師に患者がつく究極の理想の薬局作りを目指している。

 グリーンメディックは、1995年に“地域医療に貢献する薬局”を理念とした本局をオープンし、面での院外処方箋応需を開始した。その後、徒歩圏に3軒の薬局を開設し、調剤業務の自動化の推進やクラウドの電子薬歴を導入(15年前)することで、全端末から全店舗への入出力が可能となり、「人的適正」と「サービスの均一化」を実現、エリアで患者を見る試みを提案してきた。

イオン局

イオン局


 薬科大学卒業後製薬企業に勤務し、東京で不適切な分業を見てきた同社代表取締役の多田耕三氏(豊中市薬剤師会副会長)は、「自分の薬局はあえて住宅地に開設し、面で処方箋を応需して“薬剤師に患者がつく薬局”を目指したいと考えた」と22年前を振り返る。

 実際、多田氏は、開局当初から漢方薬の薬局製剤に取り組むなど、地域住民の信頼を高める業務に尽力。99年には在宅医療にも参画し、ほぼ同時に施設調剤もスタートするなど、早くから地域医療に貢献する薬局作りを進めてきた。

 現在も「予防医療」(食べ物、睡眠、日照)に焦点を当てたイベント開催や、薬を減らすための健康相談など、“薬剤師の行動変容”にチャレンジした薬剤師職能の向上を目指している。多田氏の経営理念は、今、国が掲げる“健康サポート薬局”の先駆けであったと言っても過言ではない。

 「住民が健康になれば患者が減少して処方箋も減るという負のスパイラルの三段論法ではなく、地域住民の健康維持に貢献すれば結果的に処方箋が来るようになるという考えが重要である」との持論を強調する多田氏。

多田氏

多田氏


 さらに、「そのためには、地域内に4軒程度の薬局を開設する経済的ボリュームが必要になる」と指摘した上で、「薬剤師が患者さんとしっかりと向き合うには、調剤業務に従事する時間をより短縮する必要がある」と言い切る。

調剤業務の自動化で患者と向き合う時間を捻出


 薬剤師本来の職能を発揮するのに不可欠となるのが「調剤業務の徹底した自動化」だ。グリーンメディックの4薬局では、調剤の一包化、粉薬、水剤など、全ての調剤業務が自動化されている。


 中でも、イオン局では、いち早くユニバーサルカセット(UC)対応の小型全自動錠剤分包機「リトリアIII」が導入された。同局の1カ月の処方箋枚数は3000枚。スタッフは11人で、うち薬剤師は6人。イオンタウン豊中緑丘内の医療モールにも「小児科」「糖尿病専門内科」「婦人科」「歯科」が開設されているが、大阪府下約300医療機関の処方箋を応需しており、取り扱い経口薬品数は2000品目にも上る。

 小型全自動錠剤分包機「リトリアIII」のUCは、“手撒きいらずで、手間いらず”“撒き間違いなしで調剤過誤防止”を実現したインテリジェント・カセットだ。一つのUCで様々な薬品に対応し、採用薬の増加にもフレキシブルに対応できる。加えて、薬品ごとにUCをまとめて入れるだけで分包が完了し、撒き間違いを防止し、安全性を高める。

 主な特徴は、[1]払い出す薬品ごとに払出口の形状が変化し、様々な薬品の払出が可能[2]ロック機構+バーコード照合で誤投入を防止[3]服用時点を考えることなく撒けるので分包作業がスピーディ[4]使用後は残薬を自動回収(5錠まで・目視要)[5]分包頻度の高い薬品を指定して固定カセットとしての使用も可能など。

イオン局スタッフ

イオン局スタッフ


 また「リトリアIII」はUC以外にも搭載している特徴として▽タブレットカセットの装着位置を自動認識するRFIDチップ搭載でカセット装着間違いによる調剤ミスを防止▽RFIDチップと錠剤薬品外箱のGS1データバーとのダブルチェック認識で、同一認識による2度読みを防止▽手間なく簡単に薬包を色分けできる自動4色ペンライナーの装備――などを有する。

 イオン局の薬剤師の細川卓氏は、UC対応の小型全自動錠剤分包機「リトリアIII」、特にUCの導入メリットについて、「手作業が減って、ミスの減少にもつながっている。調剤ミスに対する精神的なプレッシャーからも解放されて、捻出された時間を服薬指導や調剤監査に回すことができるようになった」と話す。

 グリーンメディック4薬局における調剤業務の自動化では、レセコンに処方箋を入力して出される指示書に基づいた薬を揃えるための徹底した合理性を追求している。

 薬効別や50音別ではなく、使用頻度の高い医薬品ほど取りやすい棚の真ん中に置かれている医薬品棚もその一つだ。

 多田氏は、イオン局のユニバーサルカセット対応リトリアIIIの導入意義について「薬剤師が地域医療に貢献するための行動変容に役立つためのツールの一つになっている」と強調する。

ユニバーサルカセット対応リトリアIII

ユニバーサルカセット対応リトリアIII
(写真は特注色のマットブラック)



(薬事日報より)