2025年4月号
疾患別対応でマニュアル-調剤後フォローを支援
【日病薬】業務向上加算17施設が算定-194施設で算定予定なし
疾患別対応でマニュアル-調剤後フォローを支援
情報提供元:薬事日報社
厚生労働省は20日、薬局における対人業務の充実に向けた参考となるよう「薬局における疾患別対応マニュアル―患者支援のさらなる充実に向けて」を作成し、同省ホームページに掲載した。マニュアルは、癌、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患の5疾患の対応について、薬局薬剤師が疾患特性に応じた継続的で細やかな対応や、医療機関等への患者状態の情報共有を行うための対応方法をまとめた標準的な手引きとなっている。
マニュアルは、疾患対策の意義や治療における薬剤師の役割・目標を解説した「総論」に続き、「疾患・病態や治療方針の特徴」「処方監査・薬剤調製におけるポイント」「患者情報の収集・服薬指導・フォローアップにおけるポイント」「地域医療連携」「その他」で構成。各章では、薬局薬剤師が遭遇しやすい疑問や困りごとにポイントとしてQ&A形式で記載し、「処方監査・薬剤調製におけるポイント」「患者情報の収集・服薬指導・フォローアップにおけるポイント」については薬局における対応のフローに沿って解説している。
対象疾患は癌、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患の五つ。精神疾患は、気分障害、統合失調症、睡眠障害、認知症に分けて記載した。例えば、糖尿病患者に服薬状況を確認する際には、「はい」や「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンではなく、「どのように服用していますか」といったオープンクエスチョンでのインタビューが望ましいとした。
また、低血糖や1型糖尿病、糖尿病に罹患している患者が食事ができなくなるなどの体調不良となる「シックデイ」についての対応のポイントも解説している。
【日病薬】業務向上加算17施設が算定-194施設で算定予定なし
情報提供元:薬事日報社
日本病院薬剤師会は、昨年11月時点における薬剤業務向上加算の算定状況について公表した。既に算定している施設は17施設あり、今年度中に算定予定は11施設、2025年度以降に算定予定は65施設に上ることが判明した。一方で「算定の予定はない」との回答は194施設だった。
薬剤業務向上加算を算定する施設は、特定機能病院が11施設、急性期充実体制加算1の算定施設が5施設、同加算2の算定施設が1施設となった。所在都道府県は千葉県が3施設、東京都と石川県、大阪府が2施設、1施設が宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、岡山県、広島県、山口県、長崎県となっている。
出向先施設の所在都道府県は「出向元と同一都道府県内」は15施設、「出向元の所在都道府県外」が2施設となった。出向中人数は1人が15施設、2人が2施設だった。
出向者の出向期間では最も多かったのが「3カ月」で11人、次いで「6カ月」が6人、「2カ月」が4人と続いた。出向者の病院勤務経験年数は「10年を超える」が10人、「5年以上~10年」が16人、「5年未満」が8人。出向元施設勤続年数では「5年以上~10年」が14人、「5年未満」が13人、「10年を超える」が7人 となった。
出向者の賃金基準は「出向元に準ずる」が15人、「出向先に準ずる」が1人で、昇給や昇任など出向者のインセンティブ「あり」が5施設、「なし」が12施設だった。
また、薬剤業務向上加算を算定するために薬剤師を新たに採用したかを聞いたところ、「今年度に採用 (内定)した」は1施設、「2025年度に採用予定」は5施設、「採用の予定を含めない」は11施設あった。
一方、薬剤業務向上加算の算定予定がない理由を聞いたところ、「病棟薬剤業務実施加算の届出している施設ではない」が13施設、「研修を実施する体制が整備できない」が48施設、「地域の医療機関に出向する薬剤師が確保できない」が120施設、「出向する医療機関がない」が29施設、「都道府県と連携体制を整備することができない」が35施設となった。
武田泰生会長は2月26日の記者会見で、「大きな施設では数千万円の上乗せになるので、半分程度は採用に活用してほしい。施設によっては、全て赤字補填をしているところもあると聞いているので、薬剤部長にはぜひ頑張ってほしい」と述べ、薬剤師の増員を促した。