2026年2月号
時間外調剤を選定療養化-低緊急性は特別料金可
病院間連携型研修で要綱案-地域、グループ内の連携促す

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時間外調剤を選定療養化-低緊急性は特別料金可

情報提供元:薬事日報社

中央社会保険医療協議会総会は9日、保険薬局における開店時間以外の緊急性のない調剤を選定療養の対象とする対応方針を了承した。診療時間内の調剤を患者に働きかけることや医療職種の負担軽減を目的としたもの。やむを得ない事情による時間外の調剤については、患者から特別料金を徴収することは認めないとした。

医療機関では診療時間外の診察が選定療養に位置づけられている一方、薬局の開局時間外の調剤は定められていない。昨年9月の総会で、厚生労働省が報告した医療関係団体等から選定療養に追加すべきものに関する提案や現行制度に関する類型見直しの意見募集結果では「時間外調剤に対する支払い」が挙げられ、緊急性の低い時間外調剤を追加するよう求めていた。

そのため、厚労省は対応方針として、既存の選定療養の対象範囲を見直すものとして「緊急性のない保険薬局が表示する開店時間以外の時間における調剤」を挙げた。緊急的にやむを得ない事情による調剤については、患者から特別の料金を徴収することは認めないとした。

今回の見直しにより、患者に対して診療時間内の調剤を働きかけることで医療職種の負担軽減、医療の質向上につながるとした。

また、新たに選定療養に追加するものとして、参天製薬の近視進行抑制薬「リジュセアミニ0.025%点眼液」(一般名:アトロピン硫酸塩水和物)の使用を対象とした。

同剤は2024年12月に承認を受けているが、薬価基準に未収載のため、処方は保険外診療としている。裸眼視力が1.0未満の小中学生の割合が増加傾向にあり、近視の進行抑制は一定のニーズがあること、コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者が処方を希望しても検査は保険診療である反面、同剤の処方は保険外診療である現状が保険医療機関および保険医療養担当規則に抵触する懸念があるとして、円滑に近視の治療を受けるために選定療養への追加が適当とした。

 

病院間連携型研修で要綱案-地域、グループ内の連携促す

情報提供元:薬事日報社

日本病院薬剤師会は、2026年度から本格運用する病院間連携型の卒後臨床研修支援事業について、実施要綱案と事業の手引き案をまとめた。日病薬が助成金を交付し、地域間や病院グループ間の複数の病院等が連携して薬剤師の卒後臨床研修を行う体制整備を促す。実施要綱や手引き案で、全体を統括する代表病院の要件や研修協力病院の役割などを定めた。今月中旬から公募を開始し、3月には交付先を決め、4月から連携研修が始まる見込み。

日病薬は、厚生労働省の委託で「卒後臨床研修の効果的な実施のための調査検討事業」に取り組んできた。この結果を踏まえ、厚労省は24年3月に「薬剤師臨床研修ガイドライン」を公表した。研修期間を原則1年以上とすることや具体的な研修項目、臨床研修プログラム例などを盛り込み、望ましい卒後臨床研修のあり方を示した。

日病薬はガイドラインに準拠した卒後臨床研修の実施を広げるため、病院間連携研修事業を企画した。二つの連携モデルを設定し、複数の病院が連携する体制の整備を後押しする。一つは、同一の医療法人や組織などの病院グループ内で中核病院と中小病院等が連携し、共同で研修プログラムを構築・実施する「グループ病院連携モデル」である。

もう一つは、各都道府県病院薬剤師会が主体となって地域の研修病院と中小病院等のマッチングを行い、地域内で連携研修を推進する「地域連携モデル」だ。研修病院(代表病院)と研修協力病院・薬局(パートナー施設)がグループを形成し、統一のカリキュラムを作成することで、ガイドラインに準拠した研修の実施を目指す。事業の研修対象者は主に26年度に病院勤務を開始する新人薬剤師とし、1年以上の研修を求める。

実施要綱案や手引き案では、代表病院の役割を「研修内容の主要部分を提供し、研修施設グループ全体の研修を統括する」と定めた。代表病院の必須要件としては、▽全体を統括する卒後研修管理委員会の設置・運営▽全体を管理する研修プログラム責任者1人の設置▽指導薬剤師の設置▽全体の指導体制の構築・統括――を盛り込んだ。

研修協力病院(パートナー病院)は、代表病院に所属する研修者が自施設だけでは経験できない研修の実施に協力する。今回の事業では努力目標と位置づけるが、在宅医療や介護、地域連携の研修実施先として、研修協力薬局を組み込むことも可能だ。

指導薬剤師の要件としては、▽薬学生や薬剤師レジデントの指導経験▽薬剤師認定制度認証機構が認証する認定薬剤師や学会等が認定する認定・専門薬剤師等の資格保有▽指導薬剤師養成講習会等の受講――の全てを満たす必要があると定めた。日病薬は養成講習会としてeラーニングを設け、今月以降に実施する。

並行して、研修施設登録システムの構築も進める。事業参加病院に加え、単独で研修を実施する病院にも幅広く登録を呼びかける。現在は、研修を希望する薬学生らが実施施設を探すための情報が集約されておらず、研修希望者と施設のマッチングも課題になっている。各病院の情報登録で国内の研修実施状況を可視化し、連携を促進する基盤を整備したい考えだ。

昨年12月23日に開催した都道府県病薬担当者向けオンライン説明会で、石井伊都子理事(千葉大学病院教授・薬剤部長)は、「臨床研修の主な課題は、臨床研修の実施施設と未実施施設で大きく二極化していること。仮に新人薬剤師が全員研修を受けることになると、研修実施施設が圧倒的に不足している」と強調した。

特に中小病院はガイドラインの要件を満たしにくく、単独での研修実施が困難なケースがあるとして、連携研修体制の構築に期待を示した。

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