クリニック開業前後に知っておくべきリスクとマネジメント方法
病院などで診療を行っている勤務医のなかには、今後自分のクリニックを開業しようと検討している方もいらっしゃると思います。
資金の用途や立地など、さまざまな計画を立案しても、思わぬところにリスクが潜んでおり、計画通りに進行しないことがあります。
本記事では、クリニック開業前後に知っておくべきリスクとマネジメント方法をご紹介します。
リスクマネジメントとは?
リスクとは、2018年に発行されたリスクマネジメントの国際規格であるISO31000によって、「目的に対する不確かさの影響」と定義されており、「不確かな事象が発生する可能性」と「発生した際の影響」の2要素に分解することができます。
クリニックだけではなく、企業や個人店にも下記のようにさまざまなリスクが存在します。
- 情報漏えい
- システムトラブル
- 信用度
- 市場の変動
- 資金運用
リスクによって対応も変わりますが、調査や分析によって発生する可能性と発生した際の影響を知ることができます。
事前にこれらを予測してリスクを回避、提言することをリスクマネジメントと呼びます。
クリニック開業前に発生するリスクとマネジメント方法
下記、クリニックを開業する前に発生するリスクと、それらのマネジメント方法です。
資金不足
クリニックの開業には、不動産の購入、敷金・礼金の支払い、機材や設備の購入などにより多くの費用が必要となります。
また、クリニック開業の際は最低でも3ヶ月分の経費を支払うことができる資金が必要だと言われています。
それらを考慮しなかったり、見積もりが甘かったりすることで、資金不足のリスクが発生します。
マネジメント方法
資金が少ない場合、銀行などの金融機関に借入を行いましょう。
信頼できる機関に借り入れを行った際、営業担当によっては何にいくら必要なのかといった情報を教えてくれることもあるため、そちらの意見も参考にしましょう。
スタッフの採用
クリニック開業の際は、医療事務やクラークといった、さまざまなスタッフを雇用し、患者さんのために働きます。
しかし、愛想が無かったり、スキルが不足していたりするスタッフを雇用した場合、開業後のクリニックの評価を落としてしまう可能性があります。
マネジメント方法
スタッフを採用する際は、その人の性格やスキルをはじめ、勤務可能日時などの労働条件も明確にしておきましょう。
採用前後のギャップを無くすことで、クリニックの評判を上げられるだけではなく、そのスタッフの定着率も高くなるため、採用コストを抑えることができます。
クリニック開業後に発生するリスクとマネジメント方法
こちらでは、クリニックを開業した後に発生するリスクと、そのマネジメント方法についてご紹介します。
診療行為
診療行為に関するリスクとは、誤診や処方箋の間違いといった、ヒューマンエラーが挙げられます。
医師やスタッフは、日々多くの業務を行わなければならないため、忙しくなるほどヒューマンエラーの発生率が高くなります。
マネジメント方法
診療行為のリスクを減らすためには、自動化や簡素化を行うことによる業務改善が挙げられます。
たとえば、1ヶ所で記載した診療情報を院内全体で共有することができる電子カルテは、業務改善に貢献するツールのひとつです。
経営維持
クリニックは長期にわたって運営を行い、地域の患者さんを健康にする手伝いをすることが使命のひとつです。
しかし、クリニックによっては赤字が続き、経営悪化といったリスクが発生することがあります。
マネジメント方法
経営を維持するためには、家賃や人件費が含まれる固定費、事務用品や医薬品といった変動費の削減が方法として挙げられます。
固定費は対象となる方と交渉を行う必要がありますが、変動費は仕入れ先や代替品を利用することで削減することができます。
おわりに
本記事では、クリニック開業前後に発生する可能性があるリスクと、そのマネジメント方法について解説しました。
クリニック開業前後のリスクを理解しておくことで、何かが発生した場合でも対策やマネジメント方法を活用して、影響を最小限に抑えることができます。
健全な経営を維持し、来院した患者さんの健康に貢献しましょう。

株式会社ユヤマ

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