2024.05.20クリニック開業 , 電子カルテ

クリニックにおけるスタッフのマネジメント方法について解説

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医師や看護師など医療従事者は、患者さんの健康促進・維持・回復を目的として診療を行います。

スタッフが最大限のパフォーマンスを発揮するために、医師にはスタッフに対する最適なマネジメントが求められます。

クリニックでは、スタッフに対してどのようなマネジメントを行わなければならないのでしょうか。

本記事では、クリニックにおけるスタッフに対して行うマネジメント方法について解説します。

 

「マネジメント」とは?

マネジメントとは、組織の成果を上げるためにヒト・モノ・カネなどの経営資源を有効活用するための目標を指します。

目標がない経営や業務はムダ・ムラ・ムリが発生しやすく、同じ成果を得るために多くの資源を使ってしまいます。

マネジメントを行うことで、少ない経営資源で最大のパフォーマンスを発揮することができます。

マネジメントの第一人者として、オーストラリア出身の経営学者である「ピーター・F・ドラッカー」が挙げられます。

ドラッカーはマネジメントについて、仕事による成果を上げるには、どのように貢献するかを考えなければならないと提唱しました。

マネジメントをはじめとして、多くの名言を残しているドラッカーの考えは、現代社会でも十分に通用するものがあります。

クリニックでは、経営者である医師はスタッフに対して、どのように貢献するのかを考えたうえでのマネジメントが求められます。

そのためにはスタッフの特徴や能力を理解し、個人が最大限の能力を引き出すことが重要です。

 

リーダーとの違い

マネジメントを実施するマネージャーと混同してしまう方が多い言葉のなかには、リーダーと呼ばれるものがあります。

ドラッカーは、マネジメントを行うマネージャーとリーダーの違いを下記のように定義しています。

  • マネージャー :リーダーが設定した目標やビジョンを達成するための道筋・プロセスを示す
  • リーダー :目標やビジョン、経営方針などを示す

 

クリニックにおいては医師が経営者であることが多く、リーダー=マネージャーとなることが多いでしょう。

経営者自身が方針や目標値などを示し、そのためにスタッフには何をどのような状態にしてほしいのかを指導します。

 

マネジメントに必要なスキル

現代では、下記のようなスキルがマネジメントに求められます。

  • 組織を統率し、最適な判断を下す「意思決定のスキル」
  • 同じ目標に向かって業務に臨み、チーム内の認識をひとつにする「コミュニケーションスキル」
  • スタッフの言動を管理し、正しい評価を行う「管理スキル」
  • ヒト・モノ・カネなどを客観的に評価する「分析スキル」

 

これらが身に付いていることによって、業務や言動などを指導し、組織やスタッフを良い方向に改善することができます。

 

クリニックにおけるマネジメントのポイント

こちらでは、クリニックにおけるマネジメントのポイントをご紹介します。

 

患者さんを優先する

医師をはじめとするクリニックのスタッフは、すでに患者さんを優先して業務に臨んでいると思います。

コストカットや目先の利益ばかりを重視していると、患者さんへの対応がおろそかになってしまうことがあります。

患者さんがクリニックに求めるものは、症状の回復はもちろん、診療前後の対応などが含まれています。

たとえば、待ち時間が短い、わかりやすい説明をするといったことが挙げられます。

そのため、マネジメントを行ううえでは、患者さんにとって必要なサービスは何なのかを考えることが重要です。

患者さんファーストの考え方を重視し、そのための目標を設定して実践することで、多くの患者さんから支持を得られるため、長期的な収益を得られるようになります。

 

スタッフのモチベーションを維持・向上する

マネジメントはできないことをできるようにするだけではなく、働きやすい環境を構築することなどが目的となります。

なぜできなかったのかを深堀すると、現状の体制やシステムが問題だということがあるのです。

そのようなときは、業務改善を目的としたシステムを導入したり、できないことをできるようにするための指導を行ったりします。

特に、長時間労働を行わなければならないときは、モチベーションが低下してしまい、最適なサービスを提供できなくなります。

そのため、マネジメントを行う際は一方的に話すのではなく、スタッフの意見も聞かなければなりません。

お互いが話し合い、解決策を導いてモチベーションを維持・向上させることで、質が高いサービスが提供できるようになります。

 

パイプ役を設置する

医師のなかには、マネジメントが苦手という方がいらっしゃるかも知れません。

そのような場合、経営者である医師に代わってマネジメント業務を行ってくれるスタッフを設置してみてはいかがでしょうか。

パイプ役は医師とスタッフの橋渡しを行うポジションであり、お互いの考えをまとめたうえで双方に情報を伝えます。

医師は診療や経営など、さまざまな業務を行っているため、多忙です。

そのため、パイプ役となるスタッフを設置することで、業務負担を軽減できるメリットもあります。

 

おわりに

本記事では、クリニックにおけるスタッフのマネジメント方法について解説しました。

マネジメントは経営資源を有効活用し、収益性を向上させるために行われるものです。

企業だけではなくクリニックでも必要とされるものであり、患者さんに最適なサービスを提供することが目的となります。

クリニックでマネジメントを行う際は、「患者さんの優先」や「スタッフのモチベーション維持・向上」が重要です。

また、パイプ役を設置することで、経営者でもある医師の業務負担を軽減することができます。

クリニックの運営は医師とスタッフの総力の結集によってこそ成り立ちます。「マネジメント」の観点からの振り返りを行い、更なる質的向上を目指しましょう。

 

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タグ : マネジメント クリニック開業 スタッフ
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