2022.11.22電子カルテ

電子カルテのほかに医療機関が保管するべき文書を解説

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保管すべき文書

クリニックや診療所といった医療機関では、電子カルテだけではなく患者さんに関するさまざまな情報を管理しています。

それらが外部に漏えいしてしまうと、患者さんの情報が知られることにより信用を失い、経営に大きな打撃となります。

本記事では、電子カルテのほかに医療機関が保管するべき文書について解説します。

 

電子カルテの保管について

電子カルテの保管

患者さんの症状や診療データなどを記載した電子カルテは、保険医療機関及び保険医療担当規則第9条によって診療が完結した日から5年と定められています。

これは電子カルテのデータは診療情報であることと同時に、診療報酬を請求した際の証拠としての役割があるためです。

なお、5年の保存期間は電子カルテだけではなく、紙カルテも対象となります。

 

参考ページ

当社コラム「電子カルテや紙カルテで定められている保管期間5年について解説」(https://www.yuyama.co.jp/column/medicalrecord/electronicmedicalrecord-storageperiod/

e-Gov「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=332M50000100015)

 

医療機関が保管するべき文書とそれらに関する法律

保管するべき文書とそれらに関する法律

こちらでは、医療機関が保管するべき文書と、それらに関する法律をご紹介します。

 

レントゲン

患者さんの身体を撮影したレントゲンは医療法施行規則第二十条によって患者さんの診療が完結してから2年間とされていますが、保険医療機関及び保険医療養担当規則第九条では3年間とされています。

どちらの年月に合わせるべきなのかを迷われる方もいらっしゃると思いますが、期間が長い3年間で保存しましょう。

なお、医療機関によっては患者さんの生命保険申請などに後々使われることがあるため、3年以上保管することがあります。

 

処方箋

薬局などが保管する処方箋は、薬剤師法によって調剤済みとなった日から3年間の保存が義務付けられています。

しかし、生活保護法や自立支援法に関連する方に対しての処方箋は、調剤済みとなった日から5年間です。

薬局にはさまざまな生活様式や背景を持った患者さんが訪れるため、必要な情報をすぐに引き出せるように、処方箋は期間別など分かりやすいように保管する必要があります。

 

救急救命処置録

救急救命処置とは、対象者の症状が悪化することにより、命の危険にさらされている際に行われる救命措置を指します。

個人で行う心臓マッサージや人工呼吸を行った場合も、医療機関はそれらの情報を確認し、記載する必要があります。

救急救命処置録は、救急救命士法によって処置が完了してから5年間の保管期間が定められています。

こちらの期間で保存しなかったり、旧救命処置録を記載しなかった、誤った情報を記載したりした場合、30万円以下の罰金に処されます。

 

帳簿

入院した患者さんの数や、診療を受けに来た外来患者さんの数を示す帳簿は、国税庁によって事業年度の確定申告書を提出した翌日から7年間と定められています。

帳簿に記載する情報には総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、売掛金元帳、買掛金元帳、固定資産台帳、売上帳、仕入帳などが含まれています。

 

経営に関する書類

医療機関の運営記録となる損益計算書や貸借対照表、領収書といった書類は、帳簿の欄でご説明した期間と同様の7年間です。

なお、所得税を正しく納税するために提出する青色申告書を使用した事業年度で欠損金額が生じていた場合、10年間保存する必要があります。

 

おわりに

本記事では、電子カルテのほかに医療機関が保管するべき文書について解説しました。

下記のように、書類によって保存期間が異なります。

  • 電子カルテ:5年間
  • レントゲン:2~3年間
  • 処方箋:3年間
  • 救急救命処置録:5年間
  • 帳簿:7年間
  • 経営に関する書類:7~10年間

必要な情報が必要な時に引き出せるよう、法律や規則によって決められた期間は最適な形式で保管しましょう。

 

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