2021.09.17電子カルテ

電子カルテデータの二次利用とは?

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電子カルテの二次利用

近年、いつでも患者のデータをすぐに見られる、またデータの入力や管理が容易になる電子カルテの導入率が高まっています。

以前の紙面のデータと違い、迅速に患者の服薬履歴や診療履歴を確認し、現在の状態も追記することが可能です。

そのようなデータは、当該患者の為だけに用いられるのでしょうか?

今回は、電子カルテデータの二次利用についてご紹介します。

 

電子カルテデータの二次利用とは?

そもそも二次利用とは、診療情報を収集する、本来の目的外のためにその情報を利用することです。

例えばこれまでの診療データを利用した研究論文の作成や学会発表、自院の医業経営分析など、利用用途はさまざまです。

そのためには、一定以上の情報量が必要になります。

紙カルテの場合、院外での紛失を防止するため持ち出すことができず、また情報利用の際には膨大な紙の中から必要な情報のみを探し、抜き出し、ひとつひとつデータ入力作業を行うところから行わねばならないため大幅な工数がかかってしまいます。

電子カルテであればどうでしょうか。

カルテ情報が電子化されていれば任意の条件での抽出や集計が容易に行えます。

また院外に運び出すことはないため、院内ネットワークのセキュリティが堅牢なものであれば情報漏洩することはありません。

つまり、二次利用されるデータは電子カルテ内に蓄積されたデータとなるため、膨大なデータを比較的容易に取り扱うことができるようになります。

ちなみに一次利用とは、患者毎の診療録としての本来の情報の使い方のことです。取得した情報を本人の為に使用する、という意味ではPHR(パーソナルヘルスレコード)や地域医療情報ネットワークにおける情報共有も一次利用ということになります。

近年、施設の垣根を越えてより広範囲からより大量のデータを集積した「医療ビッグデータ」として大規模に二次利用していくための政府の取り組みが本格化しています。

「大きすぎて扱いきれない」というニュアンスも含ませて名付けられたとされるビッグデータは、情報処理のソフトウェアやハードウェア、インフラの進歩発展によって今や私たちの生活の中で活かされる時代となりました。

医療、ひいては健康や介護といった分野においても大規模に二次利用していこうという取り組みが始まったのです。

 

 

大規模な二次利用で期待されるメリット

二次利用の課題

「医療ビッグデータ」のように大規模にカルテデータが二次利用されるメリットはどのようなものでしょうか?
政府が活用を目指している医療ビッグデータの全体像は、実は単に数多くのカルテデータを集めるだけに止まらず、保険請求(レセプト)データや介護保険の要介護認定データなどのような隣接する分野の様々なデータを高度に連結・統合させた集合体となっています。

これらのデータを分析活用することによって、今まで認識されていなかった副作用を発見したり、新しい治療法が考案されたり、より適切な診療報酬(保険点数)の設定ができるようになることが期待されています。

 

 

大規模な二次利用に向けての課題

二次利用のメリット

診療所の医師が症例報告の論文作成をおこなう場合であれ、製薬企業が大規模な分析を行う場合であれ、カルテデータの二次利用において絶対に守られなければならない大前提は、患者の個人情報保護です。

改正個人情報保護法では、「要配慮個人情報」として予め説明を行い、同意が得られた患者の医療情報でなければ第三者提供を行うことができません。また、同法に対応して、

のちに制定された次世代医療基盤法に従い、厳しい基準をクリアして国の認定を受けた事業者のみが医療機関から情報を収集し「匿名化」の加工を施した医療情報として、研究機関などに提供を行えると定められています。

認定基準が厳しすぎれば新たに名乗りをあげる事業者が増えにくくなりますし、匿名加工の基準を厳しくしすぎるとデータの要素が削ぎ落とされ、活用の可能性が限定的なものになってしまいます。

また、活用の可能性の観点からは、認定事業者への情報提供は医療機関の義務ではないため、提供の追い風となる制度を設けなければ良質なデータ収集が行えないのではないか、という議論もなされています。

 

 

おわりに

今回は電子カルテデータの二次利用についてご紹介しました。

二次利用とは、本来の目的である診療とは違うデータの利用方法になります。

二次利用のメリットは、医学研究の進歩やより良い医療の発展に寄与することです。

二次利用の課題は、個人情報保護との両立です。法律や制度の更なる整備など、課題をクリアしながらより大きなメリットを目指す政府の取り組みは続いています。

今まさに電子カルテに入力されているデータの一つ一つが明日のより良い医療を実現する為の礎となる時代がいよいよ到来します。

 

 

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