2021.10.22電子カルテ

【電子カルテコラム】電子署名やタイムスタンプについて

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電子署名などについて

稼働中の診療所において、中途から電子カルテを導入した場合それまでに紙カルテに記録・保存された情報はどのように扱えば良いでしょうか?
スキャナ等で電子化を行う場合、留意事項のキーワードとして「電子署名」や「タイムスタンプ」があります。

これらについて触れつつ、既存診療所におけるスムーズな電子カルテ導入のポイントをご説明します。

 

電子署名・タイムスタンプとは?

そもそも電子署名やタイムスタンプとはいったい何なのでしょうか?

こちらでは、電子署名とタイムスタンプそれぞれについてご説明します。

 

電子署名

電子署名とは「電磁的記録に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するもの」

一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。

二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

とされています。

(「電子署名及び認証業務に関する法律」第2条1項)

つまり、電子データの正しさを法的に証明するものが電子署名となるのです。

 

タイムスタンプ

タイムスタンプとはその名の通り日付や時刻が記録された電子スタンプを指します。

タイムスタンプの目的は作成されたデータの日付はもちろん、その時刻以前に該当文書が存在していたこと、またその時刻以降改ざんがされていないことを示すといったデータの透明性を証明するものです。

 

スキャナによる紙カルテ情報の電子化

『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』の中で、「診療録等をスキャナ等により電子化して保存する場合」について「スキャナによる読み取りについて運用管理規定を定めること」をはじめ、「電子署名を含む文書全体にタイムスタンプを付与すること」などが定められています。

 

スキャナによる電子化の注意点

電子署名

ガイドラインに定められた手順を遂行するには手続きを踏んで電子署名の発行を受け、維持していく必要があります。また、病院など大規模な医療機関で相応の人件費予算を組みながら行うのと異なり、診療所規模の医療機関で大々的にスキャナによる既存紙カルテ情報の電子データ化作業を行うのは大きな負担となります。
これでは既存診療所が中途から電子カルテ運用へと移行させる為のハードルが余りにも高く、現実的ではありません。

 

 

スムーズな電子カルテ化へのヒント「並行運用」

タイムスタンプ

ガイドラインの「診療録等をスキャナ等により電子化して保存する場合について」の中では「一旦紙等の媒体で運用された情報をスキャナ等で電子化することは慎重に行う必要がある。電子情報と紙等の情報が混在することで、運用上著しく障害がある場合等に限定すべきである。」と言及されています。つまり、過去の情報については紙カルテを手元で参照しながら本日の新たな情報は電子カルテに入力していくという「並行運用」で支障がない場合は、スキャナによる過去の紙カルテ情報の電子データ化は必要ないということです。

 

また、ガイドラインの「補足」には「紙等の媒体で扱うことが著しく利便性を欠くためにスキャナ等で電子化するが、紙等の媒体の保存は継続して行う場合、電子化した情報はあくまでも参照用情報であり、保存義務等の要件は課せられない」と記載されています。つまり、紙カルテを原本としてそのまま保存・活用し、本当に必要な患者の本当に必要な情報に限り、「参照用」情報としてスキャナで取り込み、運用の利便性を高めようということです。

 

以上のように考えれば電子カルテ運用へと移行させていくハードルはぐっと下がります。

 

注意点

紙カルテを原本として引き続き保存する場合のスキャナによる電子化データは「参照用」であり、原本のような義務要件は生じませんが、個人情報保護への配慮は同様に必要です。また、運用に支障のない精度で電子データ化するなどの注意が必要です。

 

おわりに

今回は紙媒体の情報を電子データとして取り込む際の電子署名やタイムスタンプについてご紹介しました。

電子署名は「電子署名及び認証業務に関する法律」第2条1項で、法的に定められているものとなります。

タイムスタンプには日付や時刻が記載されており、時刻以前に該当文書が存在していたこと、またその時刻以降改ざんがされていないことを示す、データの透明性を証明するものです。

しかし、診療所がこれらの手順で何から何まで紙カルテ情報のスキャナによる電子データ化を行おうとするのは負担が余りにも大きく、現実的ではありません。

そもそも、紙で発行・使用されていた文書を原本に準じるものとして敢えて電子データ化する(そして場合によっては紙の原本文書を廃棄処分する)必要性が生じた場合に限り、そのデータの信憑性を担保する為の技術的要件が「電子署名」、「タイムスタンプ」であるに過ぎません。

参考知識として知っておくに越したことはありませんが、診療所ではガイドラインをしっかりと読み解き、引き続き原本として保存する紙カルテとの「並行運用」でよりスムーズな電子カルテ導入を実現させましょう。

 

 

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タグ : タイムスタンプ 電子カルテ 電子署名
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