【電子カルテ】記録を書きこむ際の注意点とは?
ひと昔前までは、カルテと言えば「紙」で作成された診療の記録というイメージがあったかと思います。
しかし時代が進むにつれてカルテの電子化が進み、医療従事者たちは「正しい電子カルテの書き方」を知識として習得する必要がでてきました。
紙のカルテとは違い、電子カルテに記録を行う際には、電子媒体特有の注意点がいくつかあります。
今回は、そんな電子カルテに記録を書き込む際の注意点についてご紹介していきます。
リアルタイムな情報を記録する
「いつ・誰が・どこで」記録したのかという情報がリアルタイムで反映されるのが電子カルテです。
基本的には、記録した時間は診察した時間であると判断されるため、患者さんの診察が終わった後にはすぐに記録を完了させるようにしましょう。
忙しい場合はメモに残し、後から入力
場合によってはすぐに電子カルテに記録ができないこともあります。
そういった場合には、後から電子カルテに入力するようにしましょう。
ただし、その時の患者さんの状態を忘れないようにするため、大まかでも良いのでメモに内容や時間を残しておいてください。
注意したいのが、記録時刻の項目です。
電子カルテは入力を行った時刻が記録時刻に設定されます。
そのため業務が落ち着いて再度記録を行う際に、メモしておいた時刻を別途入力し、その理由を付記しておきましょう。
記録を修正する場合は特に注意!
電子カルテに入力を行っていた時、途中で席を離れる場合もあるでしょう。
しばらくしてから席に戻ってきた場合、時間が経ってしまうとデータ情報の「真正性」が薄れてしまうため、再度入力し直すことになります。
この時、記録の修正を行う場合は特に注意が必要です。
多くの施設では、一旦電子カルテに入力したデータの修正が可能な仕組みを導入しています。
データの修正を行う場合、もとの記録に修正者・修正した時刻が記録されます。
「いつ・誰が修正した」という内容が残ってしまうため、誤った情報を入力し直してしまうと、それを訂正する為の入力を更に行わなければならなくなるので注意しましょう。
記録の削除は慎重に
「カルテ」は基本的に電子カルテ・紙カルテどちらの媒体でも、「追記」「削除」を行ってしまうと「記録を改ざんした」と受け取られ罰せられる可能性があります。
そのため、原則として電子カルテの「追記」「削除」は行ってはいけないものとされています。
しかし電子カルテの入力後にミスが発覚し、削除せざるを得ない状況になってしまうこともあります。そのような場合には「真正性」を守るため、電子カルテには削除前・削除後の情報を全て記録として残す機能が実装されています。
削除を回避するためにはやはり、日時・内容にミスが無いかを繰り返し確認して、リスクを少しでも減らすようにすることが大切です。
おわりに
今回は、電子カルテに記録を書き込む際の注意点についてご紹介しました。
すぐにリアルタイムなデータを閲覧できたり、そのデータを全員と共有できたり、電子カルテには紙カルテにはないメリットが多くあります。
しかしその反面、誤った情報を入力してしまうと、それが瞬時に全員に伝播してしまうというリスクもあります。入力操作は慎重に行うよう心掛けましょう。

株式会社ユヤマ

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