2022.12.23電子カルテ

【電子カルテ】記録を書きこむ際の注意点とは?

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電子カルテの記録

ひと昔前までは、カルテと言えば「紙」で作成された診療の記録というイメージがあったかと思います。

しかし時代が進むにつれてカルテの電子化が進み、医療従事者たちは「正しい電子カルテの書き方」を知識として習得する必要がでてきました。

紙のカルテとは違い、電子カルテに記録を行う際には、電子媒体特有の注意点がいくつかあります。

今回は、そんな電子カルテに記録を書き込む際の注意点についてご紹介していきます。

 

リアルタイムな情報を記録する

「いつ・誰が・どこで」記録したのかという情報がリアルタイムで反映されるのが電子カルテです。

基本的には、記録した時間は診察した時間であると判断されるため、患者さんの診察が終わった後にはすぐに記録を完了させるようにしましょう。

 

忙しい場合はメモに残し、後から入力

メモにする

場合によってはすぐに電子カルテに記録ができないこともあります。

そういった場合には、後から電子カルテに入力するようにしましょう。

ただし、その時の患者さんの状態を忘れないようにするため、大まかでも良いのでメモに内容や時間を残しておいてください。

注意したいのが、記録時刻の項目です。

電子カルテは入力を行った時刻が記録時刻に設定されます。

そのため業務が落ち着いて再度記録を行う際に、メモしておいた時刻を別途入力し、その理由を付記しておきましょう。

 

記録を修正する場合は特に注意!

電子カルテに入力を行っていた時、途中で席を離れる場合もあるでしょう。

しばらくしてから席に戻ってきた場合、時間が経ってしまうとデータ情報の「真正性」が薄れてしまうため、再度入力し直すことになります。

この時、記録の修正を行う場合は特に注意が必要です。

多くの施設では、一旦電子カルテに入力したデータの修正が可能な仕組みを導入しています。

データの修正を行う場合、もとの記録に修正者・修正した時刻が記録されます。

「いつ・誰が修正した」という内容が残ってしまうため、誤った情報を入力し直してしまうと、それを訂正する為の入力を更に行わなければならなくなるので注意しましょう。

 

記録の削除は慎重に

記録の削除

「カルテ」は基本的に電子カルテ・紙カルテどちらの媒体でも、「追記」「削除」を行ってしまうと「記録を改ざんした」と受け取られ罰せられる可能性があります。

そのため、原則として電子カルテの「追記」「削除」は行ってはいけないものとされています。

しかし電子カルテの入力後にミスが発覚し、削除せざるを得ない状況になってしまうこともあります。そのような場合には「真正性」を守るため、電子カルテには削除前・削除後の情報を全て記録として残す機能が実装されています。

削除を回避するためにはやはり、日時・内容にミスが無いかを繰り返し確認して、リスクを少しでも減らすようにすることが大切です。

 

効率良く入力するためには

効率よく入力

こちらでは、電子カルテに効率良く情報を入力するための方法をご紹介します。

クラークを導入する

医師はクリニックや診療所を構える地域の患者さんに対して診療行為だけではなく、会計や事務処理といったさまざまな業務を担当することがあります。

患者さんを診察し、診察データを電子カルテに記載した後は診療報酬や会計処理を行います。

1日の診療をすべて終えた後は残していた事務処理を行う必要があるため、非常に多忙な生活を送っていると言えます。

医師ひとりでは対応することができる業務に限界があるため、「クラーク」を導入することがあります。

クラークとは医師の業務負担の軽減を目的として、医師に代わって電子カルテへの記入といった、事務作業を担当する方を指します。

電子カルテの入力は診療中に行う必要があるため、医師が入力すると診療に集中することができなくなります。

そのような場合、クラークがいれば電子カルテに代行入力をしてくれるため、医師はより多くの患者さんの診療に集中することができるようになります。

また、クラークは電子カルテへの代行入力だけではなく、クリニックや診療所の事務作業を行うことができるため、全体的に業務改善を図ることができます。

 

AI補助機能を使う

AIとは人工知能を指す言葉で、コンピュータ上において人間と同じ考え方や知識を持たせる技術です。

近年ではAI自身が学習する「機械学習」や、人間では解析ができないほど膨大なデータをAIが高速で解析し、最適なデータを提供するといった技術が進歩しています。

電子カルテにおいてAIは、過去の診療実績から対象となる症状や診療情報を、医師やクラークといった入力者に提案するといったことが挙げられます。

また、処方箋については市販の薬だけではなく、ジェネリック医薬品の提案を行ったりすることもできます。

機械学習を効率良く行うためには、自院だけではなく地域で情報のやり取りなどで連携している医療機関の情報も参考にすることがあります。

 

音声入力を使う

医師やクラークは、日々多くの業務に臨んでいるため、可能な限り効率を改善したいものです。

普段からパソコンを触っている方もいれば、パソコンを使い慣れていない方もいるため、電子カルテへの入力などパソコンを使用する作業に時間がかかってしまうことがあります。

このような入力作業を改善する方法のひとつとして、「音声入力」が挙げられます。

音声入力を使用することで、電子カルテの内容を見ながらサマリーを作成する際や、医療文書を作成しやすくなります。

特に、放射線科では音声での指示などを行うため、音声入力が重宝する現場であると言えます。

また、音声入力は手や指が触れずにデータを入力することができるため、感染症や衛生面が気になる方でも安心して使用することができる点もメリットと言えます。

医師やクラークのなかには「音声入力は信用できない」と思われている方もいらっしゃると思いますが、近年では先述したAI技術の進歩により、音声入力の精度も飛躍的に向上しています。

 

電子カルテの改ざんについて

電子カルテの改ざん

これまでに、電子カルテの改ざんが裁判によって認められた事例が多くあります。

たとえば、失敗した手術を隠ぺいするような情報に書き換える、病状を間違えて記載する、処方箋の情報が正しくないといったことが挙げられます。

被害者やその家族が手術に関して疑いを感じ、裁判所に相談してから裁判に発展した場合、医療機関は電子カルテの開示を求められることがあります。

電子カルテの情報は裁判において重要な証拠となるため、開示を求められた場合は応じる必要があります。

先述の通り、電子カルテには履歴を振り返ることができるため、誰がいつ、どのような編集を行ったのかを確認することができます。

過去実績を振り返り、改ざんととらえることができる履歴があった場合、その証拠をもとに裁判を進めます。

医療機関に有罪判決が下った場合、数百万円以上の賠償金が命じられることがあります。

また、裁判後も診療情報を偽ったという実績から、患者さんの信頼を大きく損ねるため、患者さんの数が減少し、経営が難しくなります。

そのため、電子カルテには必ず正しい情報を記載する必要があります。

 

おわりに

今回は、電子カルテに記録を書き込む際の注意点についてご紹介しました。

すぐにリアルタイムなデータを閲覧できたり、そのデータを全員と共有できたり、電子カルテには紙カルテにはないメリットが多くあります。

しかしその反面、誤った情報を入力してしまうと、それが瞬時に全員に伝播してしまうというリスクもあります。入力操作は慎重に行うよう心掛けましょう。

 

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