【電子カルテコラム】紙カルテ運用の電子化についてご説明
昨今、さまざまな分野でIT化が進行しており、医療分野も紙カルテから電子カルテへの移行などでIT化が進んでいます。
現在紙カルテを使用している診療所でも、今後電子カルテの導入を検討しているということもあるのではないでしょうか?
今回は、紙カルテ運用の電子化の方法についてご紹介します。
移行を進めるにあたり
電子カルテを導入するにあたり、現在の診療所に敷設されているネットワーク配線や電力を確認する必要があります。
これらを確認し、必要であれば電設工事を行うことになります。
紙カルテから電子カルテに移行を進めるにあたり、さまざまな情報を調べられるかと思いますが、まずは電子カルテを製造しているメーカーに相談するようにしましょう。
電子カルテメーカーは多数ありますが、当社では導入からアフターフォローまでを一貫して承っておりますので、ぜひご相談ください。
電子カルテへの移行方法
電子カルテを導入する為には、どのように紙カルテを電子カルテに移行するのでしょうか?
ここでは、電子カルテへの移行方法についてご紹介します。
移行可能なデータの出力と取り込み(データコンバート)
現在使用中のレセコンの中にある患者属性情報(氏名、性別、生年月日、住所、保険情報など)を一括出力したり、レセプト電算の院内控えデータを利用し病名や投薬オーダー等の情報を抽出するなどして用意したデータを電子カルテシステムに取り込みます。
事前入力
稼働時の負担軽減のために患者毎にコピー元となるオーダデータ等を入力し保存しておきます。レセコンから取り込んだすべての患者について事前入力を行うのではなく、例えば「過去3か月以内に来院歴がある」かつ「慢性疾患で定期通院している」などのように条件を設けて対象患者を絞り込むことによって「稼働初日からコピー入力などで負担少なく操作」できてほしい患者についてのみ行います。
PDFファイル作成と取り込み
事前入力と同様ですが、全ての患者の全ての紙カルテページをスキャナでPDF化するのは膨大な時間と手間がかかり現実的ではありません。カルテ2号紙情報をPDFファイル化して「パソコンの画面上で参照しなければならない」何か特段の理由がある患者のみに絞り込んでPDFファイルを作成します。
作成した患者毎のPDFファイルは電子カルテ画面からワンタッチで呼び出し、表示させることができます。
並行運用
稼働当初は、過去情報は紙カルテを参照しながら当日情報を電子カルテに入力します。扱い慣れた紙カルテを手元で一瞥しながらの操作なので負担が少ないです。
診療回数を重ねて充分な電子カルテ情報が蓄積できた患者から順に「手元で紙カルテ」の並行運用を終了させていきます。
ポイント
紙カルテを参照しながら電子カルテ入力を行う「並行運用」でスムーズに電子カルテ稼働へと移行できるのであれば「PDFファイル作成と取り込み」の手順は全く不要です。
電子カルテを導入したからといってそれまでの全ての紙カルテ情報が電子データ化されていなければならないわけではなく、またどれだけ多くの時間と手間を費やしてPDFデータを作成したところで取り扱いや保存について厳しく義務が課せられている法令上の原本はもとの紙カルテです。
過去カルテ情報のむやみな電子データ化に拘泥するのではなく、目の前の患者に最適・最良の医療を提供する為に「最小の負担で」電子カルテ運用へと移行できるよう、必要な場合に限って補助的・部分的にPDFデータ参照を組み入れるようにしましょう。
おわりに
今回は紙カルテの電子カルテへの移行方法についてご紹介しました。
電子カルテへの移行を進めるにあたって、まず行うことはメーカーへの相談になるでしょう。
電子カルテへの移行方法としては、患者属性データや病名データ等のコンバート、対象患者を絞り込んでの事前入力、稼働当初の並行運用という手順になります。
とはいえ、診療所ごとに状況は異なりますので、電子カルテメーカーの担当者から自院に最適な移行手順の提案を受けるのが良いでしょう。
もしも電子カルテの導入を検討されているようでしたら、一度当社にご相談ください。

株式会社ユヤマ

最新記事 by 株式会社ユヤマ (全て見る)
- 医療DXの現在とは? - 2025年3月18日
- クリニックにおける診療科目別で電子カルテを選ぶ際のポイントをご紹介 - 2025年3月6日
- 2025年4月施行!「かかりつけ医機能報告制度」とは?クリニックがこれから期待される役割について - 2025年2月25日