2025.01.10電子カルテ

電子カルテの仕組みや導入するメリット・デメリットをご紹介

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電子カルテとは、電子データとしてカルテ情報を保管し、参照や編集を行うシステムです。

現在、多くの医療機関で電子カルテが導入されており、導入を検討している医療機関も増えています。

本記事では、電子カルテの仕組みや導入するメリット・デメリットについてご説明します。

電子カルテの仕組み

笑顔な男性医と女性医

電子カルテは、診療の記録を電子データとして記録・保管するシステムです。

以下の2種類の方法でデータを保管します。

  1. オンプレミス型:自院でサーバーを用意してデータを保管する方法です。
  1. クラウド型:電子カルテ提供会社が用意しているクラウド上のサーバーにデータを保管する方法です。

電子カルテの仕組みと導入によるメリット従来の紙カルテでは、カルテの内容を確認するために保管庫から取り出す必要があり、誰かが閲覧しているとき他の人が見ることができないという問題がありました。

電子カルテは、カルテの情報を電子情報としてサーバーに管理する複数人が同時にどこからでもアクセスできます。

また、オーダー情報を電子カルテから直接各部門に出すことができるため、医療事務システムでの算定漏れや指示漏れなどのヒューマンエラーを防ぎ、再入力の手間や入力ミスのリスクをゼロにすることができます。

 

電子カルテ導入によるメリット

こちらでは電子カルテの仕組みや導入するメリットをご紹介します。

業務効率の向上

電子カルテを導入することで、業務効率を大幅に向上させることが可能です。これは、医療従事者だけでなく、患者さんにも大きなメリットがあります。

具体的には、以下のような効果が期待できます。

待ち時間の削減:紙のカルテであれば必要だった待ち時間が削減できるため、「診療情報提供書などの文書を作成する時間」、「受付や予約業務の量」、「患者さんの待ち時間」を短縮できます。

作業時間の短縮:「カルテの記入時間」や「オーダリングにかかる時間」も削減され、多くの作業時間を短縮できます。

 

リアルタイムでの情報の閲覧

電子カルテは、閲覧したいときにすぐカルテ情報を閲覧できるため、紙のカルテとは異なり、リアルタイムでの情報アクセスが可能です。

また、閲覧するだけでなく、入力や編集も可能です。

これにより、以下のような利点があります。

即時アクセス:見たいときにカルテの内容を確認し、入力・編集が可能です。

自動保管:入力・編集したカルテは自動的にサーバー上に保管され、再度確認したいときにはすぐにアクセスできます。

 

検査結果の取り組み

検査会社へ依頼した検査結果を電子カルテに取り込むことができます。

これにより以下のようなメリットがあります。

記載不要: カルテに手動で記載する必要がなくなります。

迅速な確認: カルテの管理画面からスピーディーに検査結果を確認できます。

 

保管スペースの削減

紙カルテは多くの保管スペースを必要とし、必要なカルテを探す際に時間がかかります。

一方、電子カルテは以下のような利点があります。

スペース節約: 電子カルテは紙カルテほど保管スペースを必要としません。

効率的な保管: 多くのカルテを効率的に保管できます。

 

ほかの医療機関と連携・情報共有がしやすい

電子カルテは、ほかの医療機関と情報を共有する際に非常に便利です。

紙カルテの場合、情報共有には紙媒体を持ち込んだりFAXで送信したりする必要がありますが、電子カルテでは以下のような利点があります。

ネットワーク経由での共有:ネットワークを経由して、デスクにいながら高速で他の医療機関と連携・共有が可能です。

セキュリティの向上:紙媒体の持ち運びやFAX送信に伴うリスク(風で吹き飛ばされる、盗難、誤送信など)がなくなり、情報の安全性が向上します。

業務効率の改善:スムーズな情報伝達により、業務効率の改善や信頼性・正確性の向上が実現できます。

 

電子カルテのデメリット

パソコンと紙カルテと聴診器

一方、電子カルテには以下のようなデメリットがあります。

 

コストが発生する

電子カルテを導入する際には、クラウド型・オンプレミス型問わず数百万円程度の初期費用が必要です。

サーバーを導入する性質上、クラウド型よりもオンプレミス型の方が高額になる傾向にありますが、メーカーやカスタマイズ内容によって異なります。

導入後には保守費用やカスタマイズ費用のほか、インターネット通信料や修繕費用など、さまざまな出費が発生します。

そのため、電子カルテを導入する際にはさまざまなコストが発生することから、導入を見送るクリニック経営者は多いものです。

しかし、人件費や保管費用などを考慮すると、意外と高額になっていることがあります。

電子カルテを導入しない現状のままの方がコストを抑えられるのか、導入する方がコストを抑えられるのかを試算し、見える化することをおすすめします。

 

セキュリティ対策

クラウド型の電子カルテを使用する際は、インターネット環境が不可欠であり、メーカーのサーバーから情報を読み取ります。

電子カルテには患者さんの名前や病状といった、さまざまな個人情報が記載されているため、堅牢なセキュリティが求められます。

ネットワークを介してデータのやり取りを行う場合、外部から情報を抜き取られる可能性があるのです。

また、院内に勤務するスタッフがUSBなどを用いて直接データを抜き取る可能性もあるため、それらの対策が必要となります。

これらの対策としてウィルス対策ソフトを導入したり、認証システムがある製品を導入したりします。

しかし、これらを導入・運用するためには初期費用やランニングコストが必要になるため、出費が発生します。

 

運用に慣れが必要である

厚生労働省の調査結果によると、電子カルテを導入しないクリニックは既存業務の変更に必要性を感じないことが要因と発表があります。

紙カルテを慣れ親しんで使っていた方は電子カルテに慣れていないため、多くの時間を要します。

紙カルテの場合は画像などを管理する必要がなく、キーボード入力に慣れていなくても運用することができます。

現状の業務で運用ができているにも関わらず、費用を払って不慣れなシステムを導入する必要性を感じない方もいます。

また、導入後にはパソコン作業やキーボード入力、電子カルテの使い方に慣れる必要であり、導入初期は多くの時間を要します。

病院や有床クリニックよりも規模が小さいクリニックの場合、業務効率のメリットが小さいことも導入を妨げる要因となっています。

 

現代の日本では医療DXの一環として、電子カルテの導入が進められています。

しかし、先述のようなデメリットがあることから、クリニックでは導入率が49.2%と、2院に1院が未導入の状態です。

一方、電子カルテを導入したことで業務効率が大幅に改善したクリニックも存在します。

電子カルテの導入前には、先述したメリットとデメリットを確認し、メリットが大きいかを確認してから商品を選定しましょう。

 

おわりに

電子カルテの仕組みとそのメリットの一部をご紹介しました。

電子カルテは、旧来の紙カルテの課題を解決し、今までできなかったさまざまなことが可能になります。

そのため、電子カルテを導入することによるメリットは非常に多くあります。

まだ電子カルテを導入していない医療機関では、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか?

 

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タグ : 電子カルテ 仕組み メリット デメリット
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