2022.04.28電子カルテ

電子カルテの安定稼働についてご説明

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安定稼働

一体型電子カルテシステムは、患者のカルテ情報に加えてレセプトなどの医業経営にまつわる情報を一手に取り扱う診療所の基幹システムです。

障害発生によりシステム運用ができなくなってしまったり、大切なデータが滅失してしまうようなリスクへの対策が必要です。

本記事では、診療所電子カルテシステムを安定的に稼働させるための仕組みについてご説明します。

 

 

サーバ用コンピュータ

電子カルテシステムの情報を管理する電子カルテサーバにはサーバ用コンピュータが使用されます。

 

一般的な業務端末用(クライアント用)PCと比較してのサーバ用コンピュータの大きな特長の一つが「堅牢性」です。

サーバ用コンピュータではその役割上、安易に停止させることが許されないので、使用されている部品に至るまで「24時間365日連続稼働」に耐え得る耐久性の高いものが採用されています。また、ネットワークを通じて同時に多くのアクセスを受け、これに応じるために処理能力の高い部品が採用されています。

かたや、一般的な業務端末用(クライアント用)PCで採用されている部品については、メーカーや機種により様々ですが、例えば「1日平均8時間使用(=16時間は停止)」を前提とした試算に基づき耐久性を定めるなど、コストダウンにも重きを置いた設計になっています。

また、サーバ用コンピュータではこれらハードウェア的な特長に加えてソフトウェア的にも安定稼働させるための仕組みとしてサーバ専用OSがインストールされています。

サーバ専用OSは多数のクライアントからの求めに応答するなど高い安定性とネットワーク性が求められるサーバ用コンピュータのために設計された専用OSです。

 

冗長化

堅牢性に優れたサーバ用コンピュータであっても、部品の故障発生リスクをゼロにすることはできません。そして一般的にコンピュータにおいて最も故障発生のリスクが高い部品の代表例が情報の記憶媒体装置であるハードディスクです。

ハードディスクは高速回転する磁気ディスク上で情報を読み書きする装置なので、「動くものほど壊れやすい」の例に漏れず、常にゼロではない故障発生リスクを孕んでいます。

そこで、故障によりデータが失われてしまったりシステム全体の稼働が停止してしまったりしないよう、サーバ用コンピュータではほぼ必須の要件としてストレージを冗長化するなどの技術的な対策が講じられています。

比較的低コストで実装できることなどを理由に最も一般的に採用されているストレージ冗長化の方式がミラーリングです。

ミラーリングでは2つのハードディスクドライブを使用し、それぞれに同じデータを同時に読み書きさせる仕組みになっています。

一方のハードディスクが万が一故障してしまっても、もう一方のハードディスクが正常であればデータが失われることはありませんし、サーバとしてのコンピュータの機能は正常に継続しているのでシステム全体の稼働が停止してしまうことはありません。

 

バックアップデータ

電子カルテシステムメーカーと締結する保守契約書の記載に従い、ユーザーは業務終了後に毎日バックアップデータの作成と保存を行います。

電子カルテサーバのデータを圧縮したバックアップファイルは、サーバ筐体とは別環境のNAS(ネットワークディスク)などに設けられたフォルダに複数世代(5世代など)分が保存されます。

自然災害や火災、盗難などで電子カルテサーバ(とそのデータ)が丸ごと失われてしまっても、バックアップデータが残っていれば買い直した電子カルテサーバ上でデータを復元させることができます。復元させたデータに万が一何らかの問題があった場合はその前日に作成したバックアップデータを用いて復元させます。このように複数世代のバックアップデータを保存しているので、何らかの問題が生じた場合でも可能な限り直近に近いデータを復元させることができる仕組みになっています。

 

サブサーバ

電子カルテサーバとは別の業務端末用(クライアント用)PCのうちの1台では、サブサーバとして常に電子カルテサーバとのデータ同期を取り、リアルタイムでサーバと同一の電子カルテデータを保持しています。この方式はシャドウイングと呼ばれています。電子カルテサーバ内で電源ユニットやメモリなどハードディスク以外の箇所で故障が発生したり、電子カルテサーバとのネットワーク経路上で通信障害が発生するなど、電子カルテサーバが使用できない事態が生じた時、サブサーバを電子カルテサーバに位置付けるための設定変更を行うことにより、電子カルテシステムの運用を継続(短時間で再開)することができます。

オンサイト保守で電子カルテサーバの使用が再開できるようになれば設定切替を行い通常状態に戻します。データ同期によって、サブサーバによるシステム稼働中に新たに発生した電子カルテデータは逆に電子カルテサーバへと反映されます。

 

クラウドバックアップ

電子カルテシステムのサブサーバで行っているのと同様に、更にクラウド上でもサーバの電子カルテデータの同期を取って保持させるオプションサービスです。

自然災害や火災などによってバックアップデータに至るまで全てが滅失してしまった場合でも、遠隔地にあるデータセンタ内では同期データが保存されているので、サブサーバ運用からの復帰時と同様に買い直したサーバへと電子カルテデータを反映させることができます。

また、当社が提供するクラウドバックアップサービスはリアルタイムで電子カルテデータを保管するために常時VPN接続した状態ですが、バックアップサーバのコピ一をランサムウェア対策した環境へと周期的に複数世代分保管する仕組みを実装しているので、厚生労働省がランサムウェア対策として新たに策定する指針に示される「独立保管」と同じ状態を担保しています。

 

 

業務端末用(クライアント用)PCのストレージ空き容量について

業務用端末PC

診療所向け一体型電子カルテシステムの業務端末用(クライアント用)PCには電子カルテのアプリケーションソフトウェアがインストールされており、このアプリケーションソフトウェアを起動させて診察患者の過去カルテ情報を表示させたり、本日のカルテ入力を行ったり、受付•会計•レセプトなどの窓口業務を行います。電子カルテのアプリケーションソフトウェアを使用して業務端末用PCで新たに入力した情報はネットワークを通じて電子カルテサーバに保存されます。また、過去に電子カルテサーバに保存された情報は業務端末用PCの電子カルテアプリケーションソフトウェアからの要求に従い提供され、表示されます。

 

つまり、電子カルテの端末(パソコン)はサーバと通信をして業務を行う表示装置であり入力装置であるに過ぎないので、「使い続けていくうちに保存データが増えてストレージの空き容量が減っていく」などということは起こりません。

 

但し、電子カルテ端末内に任意にフォルダを作成し、USB接続したデジカメで撮影した動画ファイルや高精細な写真ファイルを次々と溜め込むなどのように電子カルテ端末としてではない使い方をしている場合はこの限りではありません。

電子カルテに由来しないデータによる空き容量圧迫で肝心の電子カルテのパフォーマンスが低下したり、不時の障害が発生して電子カルテが使えなくなるということが起こらないようにしなければなりません。

 

どうしても外部由来のデータが発生してしまう場合は電子カルテメーカーに相談の上で外付けハードディスクドライブを増設しデータの保存場所に設定するなどの対策が必要になりますが、メーカーが提供する「電子カルテシステムとその機能」の範囲外の事物は保守契約での取り扱いの対象外となるので、自己責任でバックアップデータを作成•保存するなどのメンテナンスを行い、かつこれに起因して端末の障害が発生した場合は全額実費負担で修理を受けなければならない可能性があるということをあらかじめ承知おく必要があります。

 

 

おわりに

本記事では電子カルテシステムの安定稼働について、そのための仕組みなどをご説明しました。

電子カルテシステムのサーバは堅牢なサーバ用コンピュータが用いられ、またストレージなどの冗長化によってデータの滅失や運用停止リスクを低減させています。保守契約上の取決めとして、毎日の業務終了時にはバックアップデータの作成と保存を行います。

サブサーバはリアルタイムで電子カルテサーバとのデータ同期を取っており、サーバが使用できない事態が生じた時に直ちに自らがサーバとして機能し、システム運用を継続させます。

クラウドバックアップは更に同期データをクラウド上でも作成し保存するオプションサービスです。

業務端末用PCに電子カルテデータを保存している訳ではないので、使い続けていくうちに空き容量が少なくなってしまうなどということは起こりません。

デジカメ撮影データなどの電子カルテに由来しないデータは自己責任で外付けハードディスクドライブ上で管理する必要があり、これに起因して端末の障害が発生した場合は全額実費負担で修理を受けることになる可能性があります。

現在使用中の電子カルテや導入検討中の電子カルテについて、安定稼働のための仕組みがどのようになっているのかを必ずメーカー担当者に確認しておきましょう。

 

 

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