コロナ禍での診療所開業~新たに着目したいポイント~
2019年12月に中国の武漢市で確認されたコロナウィルス。
2021年10月現在、やや沈静化しつつも冬期に向けた第6波到来の懸念など医療従事者への負担軽減や感染対策について日々やり取りが行われています。
このような状況下で診療所を新規開業する場合、これまでとの違いは何でしょうか。
今回はコロナ禍での診療所開業で着目しておきたい新たなポイントについてご説明します。
開業の現状について
厚生労働省の調査によると、2019年10月での診療所の数は102,616件となります。
2018年同月では102,105件、2017年では101,471件、2016年では101,529件と、診療所の数は比較的増加傾向であるといえます。※1
こちら以降のデータは公開されておらず、診療所の増減については明らかになっておりません。
しかし、昨今のコロナ禍の影響により、来患数の減少や患者1人当たりの保険請求点数の減少を理由に閉院する施設が発生したり、新規開業時期の見直し(延期)が発生したりと、増加傾向にブレーキがかかっている可能性があります。
※1出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/)
コロナ禍での開業で着目したいポイント
こちらでは、コロナ禍での診療所開業で着目しいポイントをご説明します。
新たな物件の出現
コロナ禍において、さまざまな店舗が閉店に追い込まれており、「この物件に入っているあの店舗が閉店するとは…」といったことも全国で起こっています。
不動産の所有者からすると、閉店や閉院により空いたテナントを何とか埋めようと考えています。
そのため通常では考えられないような条件で物件を貸し出すことも増えました。
立地もよいため、開業後は一定以上の人流を見込むことができ、アフターコロナでも安定した経営を続けられる可能性が期待されます。
スタッフ応募者の層が拡大
先述のとおり、コロナ禍の影響で廃業や閉店に追い込まれた際に、従業員は職を失うことになります。
医療にまつわる専門知識は事前の研修を強化するなど個別の対策を講じる必要が生じるかもしれませんが、高い事務処理能力や接遇能力、習得能力を備えた優秀なマンパワーを雇用できるチャンスといえます。
開業時の注意点
コロナ禍で開業する際の新たなポイントをご説明しましたが、開業の際にはもちろん注意点もあります。
こちらでは、コロナ禍で開業する際の注意点についてご説明します。
徹底したコロナ対策
各種疾病の感染予防は考えられているかと思われますが、コロナ禍ではコロナウィルスの感染リスクについても対策の必要があるため、通常時の開業以上に気を付けなければなりません。
そのため、内装や設備の費用が膨らむことは避けられません。
感染予防対策を徹底することにより、「さすがこの時期に新規開業するだけのことはある」と患者から評価される差別化要因となるよう費用配分しましょう。
おわりに
今回はコロナ禍での診療所開業で新たに着目しておきたいポイントについてご説明しました。
コロナ禍での開業におけるポイントは新たな物件の出現、スタッフ応募者層の拡大、などが挙げられます。
注意点は徹底したコロナ対策です。
コロナ禍により変化した情勢の中で生じた新たなポイントに着目し、これを最大限活かした開業を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社ユヤマ

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