散薬分包機の清掃のコツ
毎日の調剤業務に欠かせない散薬分包機。患者さんにとって正確で安全な調剤を行うには、散薬分包機のメンテナンスがとても重要です。
本記事では改めて散薬分包機のメンテナンスがなぜ重要なのか、また清掃において気を付けたいポイントは何かについてお伝えしたいと思います。
清掃の徹底がコンタミネーション防止につながる
薬剤の分包作業においては、機器に薬剤が付着することは避けられません。分包機の清掃をおざなりにしていては、次の分包を行う際にコンタミネーションが起きる可能性が高くなってしまいます。
基本的なことですが、分包後の清掃を徹底することがコンタミネーション防止につながります。特に付着しやすい薬剤やアレルギーの原因となりやすい薬剤、また少量でも作用の強い薬剤を扱う場合は注意が必要です。薬剤がこびり付いてしまうと、分包機の正常な動作を妨げたり、分包機が停止してしまったりする恐れもありますので、気を付けてください。
また、清掃はコンタミネーションだけでなく異物混入を防止する効果もあります。特に、錠剤カセット付きの散薬分包機を使用している場合、錠剤を充填する際にPTPシートのアルミ部分が混入してしまう恐れがありますので、日々の清掃はとても大切です。
自己流になりがちな散薬分包機の清掃
コンタミネーション防止に努めなければならないこと、そのためには徹底した清掃を心がける必要があることは、薬剤師の方なら誰しもが認識されているでしょう。しかし薬剤師一人ひとりがその重要性を理解していても、たとえば薬局として清掃がマニュアル化されておらず、個人の判断に委ねられている場合は、清掃が十分に行き届いていない可能性もあります。個人差をなくすためには、取扱説明書をよく読み、正しい清掃方法を知っておくことが重要です。
薬局内の清掃管理が不徹底であれば、万が一の事故を引き起こすリスクも高まります。しかし現場としては慌ただしい業務の合間で、毎回時間をかけて丁寧に清掃することはなかなか難しいのが現実でしょう。そのため、最小限の時間と手間で効果的に清掃できるコツを知っておくことが大切です。
散薬分包機を清掃するコツ
毎日のお手入れは水に濡らした柔らかい布で拭く
R円盤や散薬分割器、ホッパーなどの汚れは掃除機で吸い取るのが基本ですが、汚れが気になる場合は都度、水拭きをして、そのあと乾拭きをしてください。部品を傷つけないように柔らかい布を使用しましょう。
なお、アルコールで拭くのは部品を傷めるリスクがあるため、絶対にNGです。タッチパネルもアルコールで拭くと劣化してしまいますので、必ず水拭きするようにしてください。
ひどい汚れには重曹を活用
コンタミネーションを避けたい色の濃い薬剤や、錠剤・カプセル剤を粉砕して苦味の強くなった薬剤、その他ハイリスクな薬剤を扱った場合は、乳糖やでんぷんなどの賦形剤か重曹(炭酸水素ナトリウム)を使って洗いをかけることが有効です。特に汚れがひどいときは清掃効果の高い重曹を多めに使って洗いをかけることをおすすめします。
水洗い可能な部品は定期的に水洗い
使用頻度に応じて、1日1回から月1回は部品を取り外して水洗いをしましょう。洗剤などは使用せず、柔らかいスポンジで隅々まで優しく洗い流してください。汚れが落ちにくい場合は、部品をしばらく水に浸けておくと汚れが落ちやすくなります。水洗いできるかどうかは取扱説明書でご確認ください。
水洗いの後は乾いたタオルの上に置いてよく乾かしましょう。食器乾燥機で乾かすのはやめてください。
特に散薬分割器は汚れやすい傾向にあります。最近の分包機は分割器を取り外すことができるので、なるべく水洗いをするようにしてください。
内蔵の掃除機フィルターもメンテナンスを忘れずに
フィルターに粉がたまってしまうと、吸引力が低下して清掃効果が落ちます。また、フィルターの破れなども故障の原因になるため、こまめにチェックするようにしましょう。機器を安全に使用するために、万全なメンテナンスを心がけたいですね。
まとめ
特に汚れやすい部品の清掃のポイントは以下の通りです。
- R円盤‥‥水拭き・乾拭き(アルコール厳禁!)
- 散薬ホッパー・散薬分割器‥‥水拭き・乾拭き(水洗いできる場合は水洗い)
コンタミネーションを防ぎ、患者さんに対して十分な安全性を確保するには、日頃の清掃を徹底することが大切です。YUYAMAの分包機は清掃性に配慮し、対物業務の効率化を目指しています。清掃方法についてご不明点等ありましたら、弊社の社員が訪問した際にぜひお気軽にお声掛けください。

株式会社ユヤマ

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