薬品の手撒き間違いを防ぐための取り組み(DTA編)
錠剤分包機は基本的にカセットに薬剤を事前に充填して使用しますが、カセットにない薬品は都度DTA(手撒き錠剤アダプター)を使用して錠剤を手撒きするケースもあります。
日常的に慣れている作業とは異なる操作を行う場合に注意したいのが、ヒューマンエラーによるインシデントの発生です。ヒューマンエラーの防止には薬剤師さん自身の意識も大切ですが、そもそも分包機の機能上、エラーが起こり得ない仕組みにすることが最も効果的と言えます。
今回は錠剤分包機のDTA使用におけるインシデント対策として、湯山製作所の取り組みを紹介いたします。
DTAで手撒きする場所を間違えてしまったら…
DTAを使用して錠剤を手撒きする際、処方と違う薬品を撒いてしまう、入れる場所を間違えて撒いてしまうといったケースもあるかもしれません。そのような手撒きでの間違いを防ぐためにYUYAMAでは2つの機能をご用意しています。
①GS1データバーで薬品を事前に照合
手撒きする前に、該当薬品のGS1データバーをバーコードリーダーで照合します。
もしも、誤った薬品のバーコードを照合した場合はエラー音でお知らせするため、薬品の撒き間違いを防止します。
②6色LED手撒きガイド
薬品もしくは用法ごとに6色(青・赤・緑・黄・紫・水色)で色分けガイドを表示します。一目で錠剤をどのマスに手撒きするかが分かるため、撒き間違いを減らし効率的に作業を行うことができます。
毎回すべてのマスを回収する機能
また、指定した場所以外に撒いてしまうと、錠剤がマスの中に残ってしまい、次の分包に混ざってしまうリスクがあります。このようなインシデントを防ぐために湯山製作所の錠剤分包機にはDTAに回収マス機能を搭載しています。
これによって、DTAを使用した場合は包数によらず、必ずすべてのマスに対して回収動作が入り、前回使ったままの錠剤が残ってしまうリスクを防ぐことができます。調剤の安全性を担保するとともに、薬剤師さんが手作業で確認を行わずに済み、心理的負担の軽減や業務効率アップにつながります。
まとめ
錠剤を手撒きする際の間違いを防ぐための機能は散薬分包機にも搭載されております(一部オプション)。こうした機能の充実が薬剤師さんの調剤業務を手助けし、患者さんの安心・安全につながっています。
<編集後記>
- 薬品の手撒き間違いを防止する機能について、改めて認識する機会になりました。手撒きは神経を使うのでとても大変な業務とお聞きします。ヒューマンエラーの防止で薬剤師さんのお役に立てていたら嬉しいです。(編集担当:E.N)
- 今回ご紹介したようなアシスト機能があることで、薬剤師さんが作業だけに追われることなく、より生産性の高い業務に時間を割けるとよいと感じます。(ライター:N.K)
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