患者さんにとって分かりやすい分包紙の印字
患者さんにとって分かりやすい分包紙の印字
日頃の調剤業務に欠かせない分包機は、近年ますます高性能化が進んでいます。その特筆すべき傾向の一つとして挙げられるのが「印字機能」の充実です。分包紙への印字機能は、患者さんの服薬をめぐる、さまざまな課題の解決に役立っています。
本記事では、分包紙の印字が重要視される背景とともに、実際の現場ではどのような活用がされているかをご紹介します。
医療の現場における、分包紙の印字の重要性
処方された薬剤を正しく服用するため、医療機関はもちろん、近年ニーズが増加している在宅医療の現場においても、薬の誤飲や取り違え、飲み忘れなどを防止するための対策が欠かせません。
その対策の一つとして、分包紙への印字機能の活用があります。服薬に関する重要な情報を、分包紙に印字することによって、さまざまな手違いを未然に防ぐことができます。
安心・安全な服薬のために印字機能ができること
薬の情報を誰でも理解できるように
印字機能の基本的な使い方としては、患者さんが薬を服用するうえで参照すべき情報を、分包紙にわかりやすく印字します。印字する情報は、患者さんの名前、服用する日付、服用タイミング、一包化されている薬剤の種類などです。
印字機能が分包機に搭載されたばかりの頃(1990年代)は、文字数やレイアウトに制限がありました。以来、30年以上にわたって現場からの要望やフィードバックを受け、バリエーションに富んだ機能性が備わっていきました。その結果、印字できる文字数が増えたり、自由なレイアウトで印字できるようになったりと、現在ではアイデア次第でさまざまな使い方ができます。
色分けで視覚的にもわかりやすく
文字情報も大切ですが、人によっては色などの視覚的な要素が強い方が判別しやすい場合もあります。そのため、印字機能においてもカラープリントが重宝されています。
たとえば「朝食後」「夕食後」といった服用タイミングによって分包紙上で色分けしておくことで、薬の飲み忘れや飲み間違いの防止につながります。
従来は薬剤師がペンと定規を使って線を引き、用法の色分けをしていましたが、4色カラーリボンを搭載した分包機や、ペンを分包機にセットできる機構などが登場し、自動で色分けすることができるようになりました。
印字機能の活用例
薬局の情報を印字してサポート体制をアピール
薬局の電話番号や在宅・漢方・健康サポート薬局などの情報を分包紙に印字し、相談ごとがある場合の問い合わせ先がわかるようにしておくと、患者さんにとっても緊急時への備えとして安心できるでしょう。
また、患者さんとのコミュニケーションはもちろん、薬局としての取り組みを知ってもらうきっかけにもなります。
介護施設などで患者さんごとの薬の管理を徹底
介護施設などでは、複数の患者さんごとに異なる薬や服薬の方法を正しく管理しなければなりません。そのため、画像印刷の機能を活用し、分包紙に個別のQRコードを印刷することで管理を徹底している施設もあります。
印刷されたQRコードを職員がチェックシステムで読み込むと、間違いなくその患者さんが飲むべき薬であることの確認、服薬したことの確認がとれます。
イラスト印刷で子どもの苦手意識を払しょく
薬に対して苦手意識を持っている子どもは少なくないでしょう。少しでも薬を身近に感じられるように、分包紙に可愛い動物のイラストを印刷することもできます。
実際に取り入れている薬局では、子ども自らが「パンダさんのお薬をください」などと薬剤師に声をかけてくれることもあるようです。
まとめ
別記事「散薬分包機の歴史」でもご紹介したように、分包機は誕生以来、患者さんの視点に立った技術の発展が進んでいます。
今回ご紹介した分包紙への印字機能もその一例であり、服薬コンプライアンスと医療安全の向上のためには欠かせない機能であると言えるでしょう。薬局においては、このような機能をさまざまなアイデアで活用し、服薬指導の質をさらに高めていくことが求められています。
<編集後記>
- 技術の進化と、使い方の工夫、もっとできることがないか、これからも追い求めていきます。(編集担当:M.S)
- ちょっとした工夫を加えるだけでも、服薬が必要な患者さんや周囲の人たちにとって利便性は高まります。改めてホスピタリティを持ち、どんな取り組みができるか考えたいものです。(ライター:N.K)
※この記事は情報提供を目的としており、株式会社ユヤマ・株式会社湯山製作所の企業としての見解を示すものではございません。記事に関するご意見・ご感想はお気軽にお寄せください。

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