錠剤分包機の清掃のコツとは?
※錠剤分包機はメーカーによって機構・仕組み・名称が異なります。この記事はYUYAMAの錠剤分包機をベースに作成しておりますが、皆様の参考になれば幸いです。
錠剤分包機の薬品経路が汚れていると、薬品への汚れの付着によるコンタミネーションなどを引き起こすリスクがあるため、日頃から清掃の徹底を心がける必要があります。
そこで今回は、錠剤分包機を安心してお使いいただくために、清掃を行うポイントを紹介します。
チェックしておきたい錠剤分包機の清掃箇所を紹介
錠剤分包機で特にきれいに保っておくべき箇所は次の通りです。それぞれの清掃方法についても、ぜひ参考にしてみてください。
錠剤カセット
使用後のカセットが粉で汚れていると、カセット内部のローターの動きが悪くなり、錠剤が詰まったり割れたりすることがあります。更に、割れた錠剤がカセットの中にそのまま残っていると、錠剤の誤カウントにつながる恐れもあります。特にOD錠などは形状が崩れやすいため、カセット内部のローターを定期的に掃除機で清掃しましょう。付属の掃除機ノズルを使用すると粉をきれいに吸い込めるのでおすすめです。また、清掃の際にはローター内に薬品が残っていない状態か確認するようにしましょう。
機器や薬品に触れる際は除電グッズを活用
寒さが厳しくなると、薬剤師さんがセーターやニットを着用することも増えるのではないでしょうか。セーターやニットを着ていると静電気が起こりやすいため、機器や薬品に触れる際には適宜、静電気除去シートなどのグッズを活用することをおすすめします。
専用グッズがない場合も、一度機器や薬品以外のところに触れてから扱うように心がけるだけでも効果があります。ぜひお試しください。
モーターベース
カセットと同様に、モーターベースの粉汚れも誤カウントを引き起こすリスクがあるため、定期的な清掃が大切です。
モーターベースは、錠剤落下センサー内を乾いた柔らかい布で清掃しましょう。実施目安は1週間に1回です。その際、アルコールを使用するとセンサーレンズが変色し、薬品検出に影響を及ぼす恐れがあるため控えてください。
粉汚れが特にひどい場合は、初めに掃除機で汚れを吸引したのち、布で拭き掃除をするときれいになります。ただし錠剤落下センサー内は繊細なので、掃除機を無理に突っ込んだりしてキズが付かないように気を付けましょう。
サッシ
サッシの汚れは薬品の変色につながる恐れがあります。上段の2カセットを外してサッシを開放し、乾いた柔らかい布で拭き掃除をしてください。実施目安は1週間に1回です。
手撒きユニット
手撒きユニットは錠剤のばらつきや薬品の変色を防ぐため、マス内を乾いた柔らかい布を使って毎日清掃する必要があります。
特に薬品を直接マスに撒いている場合、PTPシートのアルミが付近に落下していることがあるため要注意です。清掃の手間をなるべく省くためにも、直接撒かずに乳鉢に出してから行うと予防できます。
まとめ
自動錠剤分包機は対物業務にかかる時間や手間を省ける一方で、正確性と安全性を維持するには日々のメンテナンスが重要です。
今回紹介したポイントを参考に、薬局内にチェックリストを設置するなどして清掃が行き届くように工夫してみてはいかがでしょうか。
<編集後記>
- 錠剤には糖衣錠のように粉がほとんどでないものもあれば、OD錠のようにくずれやすい薬品もあります。薬品の種類と使用量を把握することで、ご使用環境に合ったメンテナンスを行うことができます。投薬には流行りもあるため、季節ごとに見直して頂くこともお薦めします。(編集担当:J.T)
- 自動錠剤分包機の清掃はちょっとした手間ではありますが、患者さんの安心につながる大切なポイントです。効率化を図りつつ、常にきれいな状態を保つために今回ご紹介した内容をお役立てください。(ライター:N.K)
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