2020.06.16調剤機器

ここまで進化した!散剤(散薬)調剤の自動化

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薬剤師の業務効率化と安全な調剤業務を行うため、調剤機器が誕生してから半世紀以上が経ちました。

実はここ数年、様々な調剤機器が開発され、薬局などで行っている調剤業務における自動化の流れが劇的に変わっています。

今回は散剤(散薬)調剤業務と、最新の調剤機器の登場についてご紹介します。

調剤業務とその範囲の拡大

調剤とは、処方箋に基づいて医薬品を揃え、患者さんに交付する業務を指します。

医師・歯科医師・獣医師から発行された処方箋が正しいかを確認し、薬剤を計数・計量して患者さんに薬剤を交付するまでの一連の流れを総称した言葉が調剤です。この一連の調剤業務は薬剤師の独占業務になります。独占業務である調剤業務ですが、過去から現在まで、様々な変化を遂げています。

第1世代が用法指示、第2世代が処方内容の確認・医薬連携、第3世代が患者インタビュー・薬歴管理・服薬指導、第4世代が薬歴管理から活用、薬薬連携、そして今はカウンセリング・モニタリング、他職種連携などの第5世代に突入し、業務範囲は拡大の一途をたどっています。

「対物」から「対人」へ。薬剤師は時間がない?!

また、厚生労働省は2015年に「患者のための薬局ビジョン」を策定し、医薬分業の実現に向けて、服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理、24時間対応・在宅対応、医療機関等との連携など、かかりつけ薬局への再編の道筋を示しました。

こうした薬局の姿に合わせ、薬剤師の職能も、これまでの医薬品中心の対物業務から、患者中心の“対人業務”へシフトすることが盛り込まれています。

丁寧な服薬指導や在宅訪問での薬学管理、副作用・服薬状況のフィードバック、処方提案、残薬解消など、「対物」から「対人」へシフトしていくことが今日の薬剤師に求められています。

このように様々な業務が増加される一方、調剤業務は省略されることはなく、薬剤師の方は多忙を極め、あるべき姿を描きながらも実行できないもどかしい状況に直面しています。

そこで調剤の一部である散剤分包業務を代わりに全自動で行ってくれる調剤機器、分包機が脚光を浴びています。

全自動散剤分包機/散薬調剤ロボットの登場

散薬、散剤の分包とは、服用時期が同じ薬品を1袋に小分け包装することです。

今も散剤秤量を薬剤師の方が自らの手で行うのが主流ですが、ここ数年ほぼ散剤分包業務を完全に自動化する分包機が全国各地に導入されはじめました。散剤分包業務の自動化は薬剤師の方の業務効率に強烈なインパクトを与えています。

その散剤分包業務を自動で行う機器は『散薬調剤ロボット』と呼ばれ、今まで人の手で行われていた散剤、散薬の選択と散剤秤量すらも自動で行います。

この散薬調剤ロボットは全自動散剤分包機とも言われ登場以来、全国でも数多く導入され、これからの調剤業務にはなくてはならいものとして注目されています。

散薬調剤ロボットは薬品が入っている散剤カセッターを複数内蔵しており、自動的に払い出す薬品をピックアップし秤量から分包までのすべての作業を自動で完結します。そうすることで薬剤師の方は『対物業務』から解放され、『対人業務』に時間を割くことが可能になります。

全自動散剤分包機/散薬調剤ロボットの登場はまさに革命的であり、薬剤師の方が患者さんに寄り添うという『目指すべき姿』を実現するキーアイテムとなっています。

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