2021.12.28電子カルテ

電子カルテのブロックチェーン 医療データ共有について

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電子カルテのブロックチェーン

電子カルテとは、従来使用していた紙のカルテを電子化し、診療の質的向上や情報管理の効率化を実現させるシステムです。

電子カルテは診療所内の基幹システムとして多岐にわたるその他周辺システムや機器と相互接続し、手間の削減やヒューマンエラーの撲滅に貢献します。

紙のカルテを電子化して活用する電子カルテのデータを管理する場所は、オンプレミス型では院内、クラウド型はクラウド上になります。

昨今、それぞれの施設が保有するデータを共有し、より医療の発展に貢献しようとする「ブロックチェーン」について議論されることが多くなりました。

本記事では、電子カルテのブロックチェーンについて、メリットや注意点などをご紹介します。

 

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンとはデータ管理技術のひとつで、別名分散型台帳と呼ばれます。

もともとは暗号資産業界で使われていた言葉で、ネットワークを構築する複数のコンピュータに、データを保護するための暗号を組み合わせて記録・閲覧する技術です。

医療業界では、診療所の電子カルテに記載されたデータをひとつのブロックとしてまとめ、コンピュータ間でブロック同士をつなぎ合わせて情報を蓄積する仕組みです。

ブロックをチェーンのようにつなぐことからブロックチェーンという名称がつけられました。

データのかたまりであるブロックは、過去から現在までの、複数に分けられた期間別でデータが保存されています。

ブロックチェーンは複数に分けられて情報を共有しているため、一部のシステムが停止・故障してもブロックチェーン全体への影響を抑えることができます。

なお、ブロックチェーンを用いた医療データの共有は、すでに一部諸外国では先駆的に導入されています。

 

 

医療データのブロックチェーン導入によるメリット

ブロックチェーンの導入

こちらでは、医療データのブロックチェーン導入によるメリットを3点ご紹介します。

 

施設間で医療データの共有

患者さんのカルテ情報を施設間で共有することによって、自院で事例がなかった症状でも、他院のデータを参照することができます。

そのため、初見の症状でも病名を特定できたり、処方薬の決定に至る時間を短縮できたりします。

 

患者さんの利便性向上

ブロックチェーンで共有されるデータは、患者さんのカルテ情報だけでなく、会計(保険請求)情報なども含まれます。

本人確認や問診票の記載が省略されるため、患者さんの利便性向上が期待できます。

 

データ改ざん防止

ブロックチェーンのデータは過去の履歴も参照ができます。

ある期間の情報を改ざんすると、データのチェックデジットに不整合が生じ、その辻褄を合わせようとするとその期間以降のデータをすべて改ざんする必要があるため、データ改ざんが極めて難しいです。

そのため、情報の信用度・透明性が高くなります。

 

 

ブロックチェーンの注意点

ブロックチェーンの注意点

ブロックチェーン導入における課題には、データ取扱者による悪用や、非公開を希望する情報まで公開してしまう可能性がある点や、データの漏えいが挙げられます。

情報が公開されるため、診療データをどのように保護するのかが今後の課題であるといえます。

 

 

おわりに

本記事では、電子カルテのブロックチェーンについて、メリットや注意点などをご紹介しました。

ブロックチェーンの導入により、医療機関同士でデータの共有が可能となります。

そのため、診療所は別の施設から紹介された患者さんをスムーズに診察することができます。

患者さん側からしても、すでに診療所が他院での情報を保有しているため、問診などの手間を省くことができるため、双方にメリットがある取り組みであるといえます。

他業界で開発された技術の医療分野への応用の一例として今後さらに関心が高まり、議論が深まっていくでしょう。

 

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タグ : ブロックチェーン 電子カルテ
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