電子カルテを選ぶ 失敗しないための注意点とは?
どの電子カルテを導入するのか。
導入する電子カルテの候補を絞った後は、担当者からその電子カルテについての説明をしっかりと受けましょう。
医師、看護師、事務それぞれの視点での電子カルテ選びに失敗しないための注意点をご説明します。
電子カルテ選びは、全員が納得して行うことが大切
電子カルテシステムは、診療所の基幹システムになります。
失敗しないための注意点として覚えておきたいことは受付や診察、検査、処置、投薬、会計、レセプト請求、書類発行これら診療所での一連の行為すべてに電子カルテが関わってくるということです。
そのため、電子カルテを操作するのは医師だけではありません。
事務、看護師など診療所で働くほとんどの人が、電子カルテを操作する可能性があります。
なので、電子カルテを導入する際は、医師にとって良い電子カルテかどうかだけではなく、診療所の全員にとって良いものかどうかを判断する必要があるのです。
仮に、医師だけで使い勝手を確認し導入した結果、事務の方から受付・会計・レセプト請求などで使い勝手が悪いなどの不満があがってしまうかもしれません。
看護師の方にとって使い勝手の悪いシステムであれば、裁血室、点滴室、処置室、レントゲン撮影室等での業務の流れが悪くなり、それらへの患者誘導の導線が壊れ、診療所内のあちこちでトラブルが生じかねません。
そのような事態になってしまえば、導入した意味がありません。
きちんと電子カルテシステムを運用することができるよう、電子カルテ導入前には全員がしっかりと納得できるようにしましょう。
医師の視点での注意点
医師は、診察室で主訴、所見、処置、投薬、診療計画など行為を電子カルテに入力します。
この際のポイントは、診療をしながらスピーディーに入力できるかどうかということです。
シェーマを多く使う診療科であれば、その入力のしやすさについても確認が必要でしょう。
主訴・所見のテンプレートは、編集・追加が可能かどうか確認しておきましょう。
編集・追加ができれば、対応スピードの向上が見込めます。
処置、投薬、その他の診療行為についても同様です。
オーダー内容を都度検索していては、時間がかかってしまいます。
セットを多用することになるので、セット登録の仕方とその際の操作、そしてセットの使い方についても確認しておきましょう。診療の妨げにならない、診療の質の向上に威力を発揮してくれる、自分にとって使い易いものを選びましょう。
看護師の視点での注意点
処置室や検査室では、看護師が電子カルテを確認し処置・検査を行います。
院内検査か外注検査かは、診療所によって異なるでしょう。
院内か外注か、またその際の検査会社や検査機器についてもシステムベンダーに伝え、連携について確認しておきましょう。
これらの連携により、二重入力や取り違いを無くす・防ぐことができます。
事務の視点での注意点
受付では、事務が新患登録、来院受付、会計、レセプト、予約受付等を行います。
また、公費・保険・自費の登録をする方法と会計の方法の確認、労災や自賠責を扱う診療科であればそれらも確認をしておくようにしましょう。
事務の視点では、どのような業務フローを構築するのかを確認することが重要です。
そのうえで、どのようなシステム・機能が必要なのかを考えていきましょう。
どのシステムにも色々な機能があります。
事前に考えた業務フローをもとに必要な機能の取捨選択を行うようにしましょう。
おわりに
電子カルテ選びに失敗しないためには、このようにその電子カルテを使用する方全員の意見を取り入れることが重要です。
医療の現場は医師のみならず看護師、事務員など全員による共同作業で成り立っており、限られた人員で営まれている診療所などは特に共同作業の重要性は高いといえるでしょう。
全員が導入前に自分事として考えるようになり、導入時の失敗は起こりにくくなります。
また、それだけでなく、導入後も率先して前向きに電子カルテを使用するようになるでしょう。
メーカーを診療所に呼ぶ際は、ぜひその操作をすることになる方全員で説明を聞くようにしましょう。

株式会社ユヤマ

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