2022.02.02電子カルテ

診療報酬とは?電子カルテとのかかわりや診療報酬改定をご説明

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診療報酬とは

保険医療機関では、診療行為をするたびに申請をすれば公的医療保険機関から「診療報酬」という報酬が支払われます。

本記事では診療報酬とは何か、電子カルテとのかかわりや診療報酬改定についてご説明します。

 

診療報酬とは?

診療報酬とは、患者への医療行為の対価として公的医療保険機関から支払われる報酬のことを指します。

算定方法は厚生労働省により定められています。

例えば初診料は288点、再診料は73点、外来診療料は74点など、医療機関の規模や医療行為ごとに点数が決まっています。

保証される費用は1点ごとに10円と単価が定められており、こちらの点数は日本全国どこでも変わりはありません。

医療機関は従業員の人件費や設備管理費など全ての費用を診療報酬で賄い、運営していかなければならないので、算定、請求の漏れによる診療報酬の取りこぼし(請求すれば支払われるはずの点数を取り忘れること)は医業経営者にとって手痛いダメージとなります。

また、入力ミスなどによって必要な情報の欠落や間違いが生じることで診療報酬請求書・明細書上での辻褄が合わなくなり、返戻や減点を発生させてしまった場合も同様に医業収入に直接的な悪影響を及ぼします。

従って、これらの情報の不備を即座に警告し、診療報酬の算定・請求を支援してくれる電子カルテやレセコンのチェック機能は医業経営の見地から極めて重要なものであるといえます。

 

電子カルテを使用してやること

電子カルテでやるべきこと

診療報酬を正しく算定・請求するために電子カルテでは何をすれば良いのでしょうか?

こちらでは、電子カルテを使用してやるべきことについてご説明します。

 

レセコンとの連携

本来、診療報酬はレセコンに入力する情報で、診療記録を入力する電子カルテとは別々に取り扱われます。

もしも連携をしなかった場合、従来の紙カルテ運用の時と同様に電子カルテ情報を表示させ、これを参照しながら医事スタッフが解釈・判断を行いつつ算定すべき情報をレセコンに手入力していくという手順になります。「費用を投じて、カルテ情報を電子化した」だけの状態です。

そのため、レセコン入力作業の負担や所要時間、間違いを減らすためにレセコンと電子カルテを連携させる必要があります。なお、最近ではカルテとレセコンの機能がシームレスに統合されたオールインワンの「一体型電子カルテ」が主流となっています。

 

診療報酬改定後の情報更新

厚生労働省や厚生労働大臣の発表により診療報酬は変更・決定されます。

クラウド型のシステムであればメーカーが更新してくれることもありますが、自院でデータを管理している場合は診療報酬や算定方法に変更がある際に自身で更新しなければなりません。

電子カルテやレセコンのメーカーから改定対応のアップデートプログラムが必ずリリースされるので、改定初日につまずくことのないよう、必ず事前にアップデートの適用を行いましょう。

 

診療報酬改定とは?

診療報酬改定とは?

診療報酬は法改正によって改定がなされます。

 

大規模な改定

診療報酬は大きくは2年に1回改定されます。

 

医療技術の進歩や多様化は機器や設備という形で具現化する場合も多く、これらを現場に導入し用いるためには投資額を回収できる目途が必要となります。また、人的体制の強化などでより質の高い医療を提供していくためにはその原資が必要となります。そして、先述の通り医療機関はそれらを診療報酬で賄っていかなければなりません。

 

従って、国策として「このような医療をさらに普及浸透させていこう」と見定められた診療行為に対して保険点数や加算点数が新たに設けられたり、従来からの点数が引き上げられたりという見直しがなされます。

逆に、普及浸透が進み、金額相場も普及フェーズに入り下落して導入のハードルが下がるなどその目的が達成されつつあると判ぜられたものや、新しい技術へと置き替わるなどしてほぼその役割を終えたと判ぜられたものについては点数が引き下げられたり廃止されたりという見直しがなされます。

 

政府の方針として目指す我が国の医療の在り方、その実現に向けて医療現場が第一歩を踏み出すための後押しのやり方が診療報酬改定という形で反映されているといえます。

 

ちなみに、診療報酬の大規模改定は2年に1回行われますが、介護報酬の改定は3年に1回行われます。そして6年に1回はこれらが同時に行われることになり、「ダブル改定」と呼ばれることがあります。

 

小規模な改定

大規模な診療報酬改定が行われるまでの2年間の途中で臨時的に診療報酬改定が行われる場合があります。次回の(最大で2年後の)診療報酬改定まで見直しを行わないということが好ましくないものについて随時決定され、施行されます。

 

消費税率が8%から10%へと引き上げられる2019年10月1日に合わせて、医療機関が増税によって負担増となる金額を解消する為に基本診療料の点数が引き上げられるなどの見直しが行われたのはこの一例です。

また、昨今のコロナ禍においては、目まぐるしく変動する情勢に即して緊急的な診療報酬改定が次々に行われていることは見ての通り(直近では2021年12月31日から新型コロナウイルス感染症にかかるSARS-CoV-2抗原検出検査の検査料などが引き下げられました)ですが、これも原資の要不要やその度合いなど医療機関を取り巻く環境の急変に対応して点数の新設や引き上げ引き下げ、適用対象の拡大などを迅速に決定し施行している例といえます。

 

おわりに

本記事では診療報酬とは何か、電子カルテとのかかわりや診療報酬改定についてご説明しました。

診療報酬は保険医療機関からの請求に対して支払われる報酬です。

提供した診療行為に即して正確な請求を行い、受け取った報酬によって医療機関は運営されます。

算定漏れによる点数の取りこぼしや請求情報の不備による返戻・減点は医業経営に直接的な悪影響を及ぼすので、ご使用中の電子カルテやレセコンのチェック機能が正しく設定され使用されているか確認してみましょう。

 

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