2023.01.19電子カルテ

【電子カルテコラム】レセプト点検とは?業務内容もご紹介

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電子カルテの点検

「レセプト点検」と言う言葉を聞いたことはありますか?

医療従事者でなければ、あまり馴染みのない言葉かもしれません。

医療事務には「患者さんの窓口対応・診療報酬請求」など、さまざまな業務があります。

その中でも「レセプト点検業務」は専門知識を必要とするため、医療事務の仕事の中でも極めて重要な業務にあたります。

今回は、電子カルテコラムとして「レセプト点検」について業務内容も併せてご紹介していきましょう。

 

レセプト点検とは?

レセプト点検

「レセプト」と呼ばれる診療報酬明細書を点検していくことを「レセプト点検」と言います。

医療機関では手術や投薬などさまざま種類の診療行為があります。

このひとつひとつの診療行為には国で統一されている保険点数があり、行った医療行為それぞれの点数を計算していくのです。

その合計点数を集計し、レセプトである「診療報酬明細書」を作ります。

レセプト点検は、この明細書の内容が正確なものであるかを点検していくものであり、

医療事務の中でも極めて重要な業務の一つにあたります。

 

レセプトチェックに役立つ資格・試験

資格

こちらでは、レセプトチェックに役立つ資格や試験についてご紹介します。

 

レセプト点検業務技能検定試験

レセプト点検業務技能検定試験とは、病名に対して行われた検査や治療、処方された薬が正しいかどうかといった、レセプトに関する知識が問われる試験です。

  • 受験資格

日本医療事務協会が認定するレセプト講座を修了した者

受験申請のあった高校・専門学校・短期大学・大学等

受験申請のあった一般受験申込者

 

  • 試験時間

1時間30分

 

  • 試験内容

学科試験、実技試験

 

  • 合格基準

問題の総得点の70%を基準とし、問題の難易度で補正したうえで採点

 

  • 履歴書への記載

「日本医療事務協会主催 レセプト点検業務技能検定試験 合格」と記載可

 

医療事務認定実務者(R)試験

医療事務認定実務者(R)試験とは、全国医療福祉教育公開が実施する試験で、医療事務に関する基礎知識と、診療所での外来症例を想定したレセプト作成問題が出題されます。

そのため、医療事務の実務における理解を深めることができます。

 

  • 受験資格

特になし

 

  • 試験時間

1時間30分

 

  • 試験内容

学科試験、実技試験

 

  • 合格基準

問題の総得点の60%を基準とし、問題の難易度で補正したうえで採点

 

  • 履歴書への記載

「〇〇年〇〇月〇〇日 医療事務認定実務者(R)試験 合格」と記載可

 

医療事務技能審査試験

医療事務技能審査試験は一般財団法人 日本医療教育財団が実施している、医療事務技能の向上と平準化を推進し、医療事務職の社会的・経済的地位の向上を目的とした試験です。

45年以上の歴史があり、医療現場のニーズに対応した問題が出題されることから、高い信頼と実績を得ています。

 

  • 受験資格

特になし

 

  • 試験時間

計3時間

 

  • 試験内容

患者接遇・筆記

医療事務知識・筆記

診療報酬請求事務・点検

 

  • 合格基準

問題の総得点の70%を基準とし、問題の難易度で補正したうえで採点

 

  • 履歴書への記載

「診療報酬請求事務能力認定試験 合格」と記載可

 

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験は、診療報酬請求事務に従事する方の資質向上を目的とした試験で、公益財団法人 日本医療保険事務協会が実施しています。

受験科目は医科と歯科に分かれているため、必要に応じて選択しましょう。

 

  • 受験資格

特になし

 

  • 試験時間

3時間

 

  • 試験内容

学科試験、実技試験

 

  • 合格基準

未公開

 

  • 履歴書への記載

「診療報酬請求事務能力認定試験 合格」と記載可

 

これらの資格や試験は必須ではありませんが、クラークなど医療事務としての採用を希望する際、就職時に有利に働いたり、就職後スムーズに業務にあたることができたりします。

そのため、レセプトに関わる業務に携わる可能性がある方は受験しておくことをおすすめします。

 

レセプトチェックと個人情報保護

個人情報保護

レセプトのなかには、下記のように個人を特定することができる情報が含まれています。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 被保険者証・被保険者手帳等の記号・番号
  • 老人医療の受給者番号
  • 公費負担医療の受給者番号
  • OCR部分

 

レセプトの情報が第三者の手に渡ると、個人情報保護法に抵触するため、取り扱いには十分注意する必要があります。

しかし、先述した情報を削除した場合、法の規制の対象外となります。

こちらは法が個人情報を「生存する個人に関する情報であり、当該情報に含まれる指名、生年月日などで特定できるもの」といった定義されていることが由来です。

しかし、情報漏えいは医療機関の信頼を失ってしまうため、未然に防げるようにセキュリティ対策などを行っておきましょう。

 

参考ページ:厚生労働省ホームページ「健康保険組合等における個人情報の適切な取り扱い

のためのガイドライン」を補完する事例集

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/170331kenpoqa.pdf

 

レセプト点検の業務内容

レセプト点検の業務内容

レセプト点検の業務内容についてご紹介していきましょう。

診療基本情報が正しいものであるか

診療基本情報に正しい情報が入力されているかどうかを確認します。

「その病気に対する初診と診療開始時が同じであるか・診療回数や処方薬の回数が同じであるか」といった診療のさまざまな基本情報が正確なものとして登録されているかを確認していく作業です。

算定に漏れがないか

窓口での情報入力に算定漏れがないかを確認していく作業です。

算定の回数は正確か

算定の回数が超えることなく、正確なものであるか確認していく作業です。

食い違いが生じていないか

「診療行為が別々に登録されている・まとめて算定ができない」など食い違いが生じていないかを確認していく作業です。

病名が正確に登録されているか

「病名に漏れがないか・正確な病名が登録されているかどうか」という内容を確認していく作業です。

病名に適した診療行為が行われているか

それぞれに行った診療行為に病名漏れが無いか、また病名に適した投薬や検査等がなされているかを確認していく作業です。

診療日に関する内容の確認

「診療日に誤りがないか」など診療日に関する確認を行っていく作業です。

医薬品に関する内容の確認

医薬品が同じものであっても、病名によって摂取量や摂取期間は異なります。

また年齢により医薬品の剤形も変わってきます。

そういった決まりに合ったものが使われているかを確認していく作業です。

 

おわりに

今回は、電子カルテコラムとして「レセプト点検」について業務内容も併せてご紹介しました。

「レセプト」という診療報酬明細書に関する項目を一つずつ点検していくことを「レセプト点検」と言いました。

一つ一つの診療行為には国で統一されている保険点数が付けられており、行った診療行為の点数をそれぞれ計算していくことで明細書が作成されるのです。

レセプト点検の業務内容としては、「診療情報が正しいものかどうか・算定のルールに沿った内容であるか・病名に誤りが無いか」などが挙げられます。

これら一つ一つの項目に対して慎重に目を通していかなければなりません。

レセプトチェックに役立つ資格にはレセプト点検業務技能検定試験や医療事務認定実務者などがあり、これらを受験して合格すると、就職で有利になったり、実務を理解しやすかったりすることがあります。

「レセプト点検」は、医療事務のなかでも非常に重要な業務であるのです。

 

 

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