いつ起きてもおかしくない水害。知っておきたい対策を紹介
近年、世界的な気候変動の影響により、日本でも記録的な豪雨が多くの水害を引き起こしています。水害に見舞われた地域では薬局店舗への浸水被害も報告されているため、もしものときに備えて対策を講じておくことが大切です。
本記事では、具体的にどのような水害対策を行う必要があるのか、万が一被害に遭った場合にどのように対処したらよいかをお伝えいたします。
水害に備えて事前に対策しておきたいこと
水害による被害をなるべく最小限にとどめるには、日ごろから危機意識を持って対策をとっておくことが重要です。特に以下のポイントを押さえておきましょう。
施設やリース物件に付保する動産保険の契約内容を確認する
施設やリース物件には水害を含む自然災害などによる損害を補償するため、動産保険が付保されているケースが一般的です。
ただし、詳しい契約内容については保険によって異なります。そのため改めて契約内容を確認し、どのような場合にどの程度の補償が受けられるのかを把握しておくことが大切です。
有事の指示・連絡系統を整備する
水害は曜日や時間帯を問わず、いつ起こるかは予測ができません。有事には「誰が」「どのような順番で」指示や連絡をするかをフローチャートなどで文書化し、従業員全員に共有しておきましょう。
在宅中に被害に遭った場合も想定し、文書は二部作成して従業員各自が自宅でも保管しておくことが望ましいと言えます。
土嚢を準備する
もしもの場合に備えて、店舗の倉庫などに十分な量の土嚢を準備しておくことをおすすめします。
ただし土嚢は土砂を詰めて使用するため、準備に時間や労力がかかることが難点です。近年は比較的手軽に準備できる水嚢も普及しているため、状況に応じて使い分けるなどして、時間がない場合でも即座に対応できるようにしておくとよいでしょう。
大雨予報が発表された場合にすぐ対応すべきこと
警報級の豪雨が予想される場合は、なるべく早く以下の対応を済ませておきましょう。
使用機器データのバックアップをとる
水害による物理的な損失だけでなく、患者さんの個人情報などの重要なデータの損失も防ぐ必要があります。万が一のケースを想定して、大雨予報が出たらデータのバックアップを都度とるようにしておくと安心です。
また、バックアップをとった外付けハードディスクやUSBメモリなどの媒体を、あらかじめ被害を受けづらい安全な場所へ移しておくことも忘れないようにしましょう。
レセコンサーバーなどを移動する
使用中のレセコンサーバーなどは、設置高を最低でも床から50cm以上の場所へ移しておくことをおすすめします。
大規模な水害であれば、浸水被害がそれ以上になる可能性も否定できません。できる限り高い場所を確保しておくことが望ましいと言えるでしょう。
電子機器のコンセントを抜く
電子機器のコンセントを挿した状態で浸水してしまうと、漏電により機器の故障を引き起こすリスクが高まります。大雨予報が発表された場合は、可能な限りコンセントを抜いておくことを忘れないでください。
排水溝をふさぐ
水害の際は汚水の逆流が起こりやすく、後処理が大変になってしまう可能性があります。対策として、トイレや給湯室の流しなどの排水溝に水嚢を詰めて備えておく方法がおすすめです*。
万が一、被害に遭ってしまったときは…
どんなに万全な対策を講じていても、想定していたレベルを上回る甚大な被害に見舞われることもあるでしょう。万が一、被害に遭ってしまった場合、まずは被害状況を写真に残しておくことが大切です。浸水の高さが判断できる記録があると、保険申請時に役立つ可能性があるためです。
また、浸水した機器は十分に乾燥しないうちに電源を付けると、漏電による故障を引き起こす可能性が高いと言えます。浸水してしまっても、きちんと乾燥できれば正常に動作するケースもあります。同時に、使用機器のメーカーに被害状況を連絡し、対応を依頼してください。多くのメーカーが代替機など復旧に向けたサポートをしています。
<編集後記>
- 災害時の対応は、メーカーとしてもユーザーさんの業務を停めないために備えをしてきました。各地の良い事例を共有し、災害対応の面でも進化していければ良いと思います。(編集担当:M.S)
- 今後ますます異常気象による影響が大きくなることが予想されるなか、しっかり対策しておくことの大切さを感じます。(ライター:N.K)
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