マスター配信サービス
ページトップ

ピックアップニュースPickup News

2021年10月号

  • 対面診療の処方箋も可能に‐初回からの遠隔服薬指導(厚生労働省)

    厚労省がルール見直し案


     厚生労働省は、10日の規制改革推進会議医療・介護ワーキンググループで、医薬品医療機器等法に基づき、薬剤師の判断で初回からオンライン服薬指導の実施が可能とするルール見直し案を示した。音声のみによる実施は不可とし、音声と映像による対応を原則とする一方、オンライン診療・訪問診療を行った際に交付した処方箋に限定せず、対面診療の処方箋でもオンライン服薬指導が可能となるようルールを緩和する。秋頃にルール見直し案についてのパブリックコメントを実施し、関連する施行規則の公布や通知の改正を行う。
     現行の薬機法でオンライン服薬指導を実施する場合、初回は対面による指導に限定されている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、昨年4月から初回から実施が可能とする時限的措置(0410事務連絡)が運用されているが、政府は特例措置を恒久化する方針を打ち出している。
     6月に示された規制改革実施計画では、「患者がオンライン診療又は訪問診療を受診した場合に限定しない」「薬剤師の判断により初回からオンライン服薬指導することも可能とし、介護施設等に居住する患者への実施に係る制約は撤廃する」などの文言が盛り込まれた。
     この日の会合では、厚労省が薬剤師の判断に基づき、初回でもオンライン服薬指導の実施が可能とするルール見直し案を示した。薬剤師がオンライン服薬指導と対面指導のどちらを実施するのが望ましいか判断するために必要な情報等については今後例示する。
     0410事務連絡では、電話(音声)のみの実施方法でもオンライン服薬指導を認めていたが、音声のみは不可とし、映像と音声による対応を求める。対面診療による処方箋でも可能になるようルールを緩和し、介護施設に居住する患者に対しても実施可能とする。
     初診からのオンライン診療を実施するに当たっては適さない症状・医薬品の処方を検討するとされたが、初回からのオンライン服薬指導では原則的に全ての薬剤を対象とする。ただし、手技が必要な薬剤については薬剤師が適切と判断した場合に限るとした。
     委員からは、オンライン服薬指導の実施場所について「薬局内なのか、薬剤師の自宅なのか検討が必要」との意見も出た。厚労省では秋頃にルール見直し案に対するパブリックコメントを募集する予定だ。

     また、この日の会合では日本経済団体連合会が新型コロナウイルスの抗原検査キットを薬局で販売できる環境整備を要望。PCR検査を補完する抗原検査の拡充に向け、より容易にアクセスできるよう、厚労省が承認した抗原簡易キットを薬局で販売し、検体採取や測定を自身で行えるようにすべきと提言した。
     測定対象者を「有症状者」から「全員」、販売者を「医薬品卸販売業者」から「薬局・ドラッグストア」に拡大すべきとした。一部の調剤薬局で販売する零売にとどまらず、OTC化していくべきとの考えを示した。
     既に海外では抗原検査の自己測定やOTCを認める国もあることから、薬局で抗原簡易キットを扱う方向性について、委員からは大きな異論は出なかったという。厚労省は抗原簡易キットを入手しやすくする方策について、関係者の意見を聞きながら検討を進める方針。

  • 外部委託は「当然の流れ」‐元日病薬副会長・土屋氏「病棟・対人業務の拡張を」

    元日本病院薬剤師会副会長の土屋文人氏(医薬品安全使用調査研究機構設立準備室室長)は、先にウェブ開催された日本医療薬学会主催の医療薬学公開シンポジウムで講演し、「長い目で見れば薬剤調製の外部委託や薬局のセントラル化への移行は当然の流れ」と語った。それが実現すれば薬剤調製業務のロボット化がさらに進展するとし、安全性を担保するため「ロボットの品質を保証する規格を定める必要がある」と呼びかけた。
     土屋氏は数年前から、薬剤調製の外部委託を可能とする具体的な仕組みを提案してきた。
     その後、厚生労働省が2019年に示した0402通知で調剤業務における非薬剤師等の活用条件が示されたり、規制改革推進会議で調剤業務の外部委託が討議されたりするなど時代は変わりつつあるとし、こうした動きは「当然の流れ」と話した。
     ただ、あくまでも薬剤調製の外部委託は手段であり、「目的は薬剤師の病棟業務や対人業務のさらなる拡張」と強調した。
     0402通知には「調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、以下のいずれも満たす業務を薬剤師以外の者が実施することは、差し支えない」と記載されている。
     土屋氏は「調剤設計を行うことが薬剤師の専権事項だとするならば、それに基づく薬剤調製指示書を作成して活用すれば、通知に書いてあることの多くは守れる」と指摘。指示書に基づく外部機関の活用法を提案した。
     提案では、処方箋を受け付けた薬剤師は処方監査を実施した後、患者ごとに調剤設計を行い、再包装指示書を作成する。そこには患者の個人名などは記載しない。外部のリパッケージセンターに再包装指示書を送信し、そこでは薬剤師の管理下のもと指示書通りに医薬品の再包装が行われる。リパッケージセンターから納品された再包装医薬品を病院や薬局の薬剤師が指示書と照合して確認し、患者に交付する。
     こうした仕組みが実現すれば薬剤調製業務のロボット化がさらに進展するとし、「薬剤師の業務の代替作業をロボットに行わせるのであれば、そのロボットについては少なくとも品質保証を示す規格を作る必要がある」と指摘。

     最近は、薬局ヒヤリ・ハット事例として調剤機器エラーの報告が結構あるとし、「本来はJISだが、それができなければ業界標準でもいい。とにかく規格を作り、それに適合したロボットだということを確保しなければならない」と課題を投げかけた。