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2020年4月号

  • 【服薬情報管理】約9割「できている」‐「服用薬剤調整支援料2」新設で

    ■日本保険薬局協会(NPhA)は、薬局薬剤師の取り組みに関する情報を中心としたアンケート調査を行った結果を報告書にまとめた。2020年度調剤報酬改定で、複数の医療機関を受診する患者の重複投薬解消を進めるため、薬局で服薬情報を一元的に把握し、重複投薬の有無を確認した上で医師に解消提案を行う取り組みを評価する「服用薬剤調整支援料2」が新設されたが、今回のアンケート結果によると、患者に処方されている全ての医薬品の管理について、「全てできている」および「概ねできている」との回答の合計が9割近くに達した。NPhAは、「薬局において一元的把握はほぼできている」と強調している。 アンケート調査は、NPhA会員薬局管理薬剤師を対象に、今年1月7〜24日の期間で実施され、3335薬局から回答を得たもの。実施目的は、「今後の協会の発展を支える保険薬局全般に関する情報源の確立」としている。主な調査結果を見ると、処方箋集中度では「70%以下」が35.5%で、19年1月調査の39.1%と比較すると3.6ポイントの減少となった。「70%超〜85%以下」が15.6%、「85%超」が48.5%となっている。

     

    ■応需処方箋枚数の月間平均は「2000枚未満」が72.7%と全体の約4分の3を占めており、近年この傾向に大きな変化は見られない。調剤基本料は、「基本料1」が53.7%、「基本料2」が1.9%、「基本料3―イ」が13.8%、「基本料3―ロ」が29.8%、「特別調剤基本料」が0.9%という状況。

     

    ■在庫している医療用医薬品総品目数の平均は1258.2品目で、「1000品目以上1500品目未満」が44.5%を占めた。後発品品目数の平均は538.3品目。年を追うごとに在庫数は増えており、300品目以上在庫を抱えているとの回答が85.0%に達した。NPhAは、「20年度改定ではジェネリックのハードル自体は据え置かれたが、現状においても在庫という点で薬局の負担が非常に大きい」としている。

     

    ■週32時間以上勤務する常勤薬剤師の中で、かかりつけ薬剤師を届け出ている割合は40.1%で、約6割の常勤薬剤師が届出できていなかった。理由としては、「当該保険薬局に1年以上在籍していること」が59.5%で最多。次いで「医療に係る地域活動の取り組みに参画していること」(40.5%)、「服薬指導が固定されてしまう等の運営上の問題」(39.5%)などが続いた。かかりつけ薬剤師指導料の算定によって対患者で変化したことについては、「相談が増えた」が59.6%で最多。「複数医療機関の処方箋を持ってきてくれた」(40.2%)、「残薬が解消された」(30.6%)が続いた。

     

    ■20年度調剤報酬改定では「服用薬剤調整支援料2」が新設されたが、患者に処方されている全ての医薬品の管理の面では、「全てできている」が8.2%、「概ねできている」が79.3%となり、これらを合計すると87.5%に達した。この状況についてNPhAは、「薬局において一元的把握はほぼできている」と強調。その上で、「17年に日医が診療所を対象に同様の調査を行っているが、診療所で把握できているという回答は19.7%だった。これは、院内と院外の大きな状況の差ではないか」と指摘した。

     

    ■訪問薬剤管理指導を「実施している」薬局は65.3%だった。月間(19年12月)の算定件数で最も多いのは「1件以上20件未満」で77.5%。「20件以上70件未満」が13.4%で続いた。また、在宅医療に取り組む上での課題としては、「薬局の人員体制」(86.7%)、「24時間調剤体制を確保すること」(46.3%)、「24時間連絡体制を確保すること」(32.2%)などが上位となった。地域連携薬局の要件にも盛り込まれている無菌調剤体制については、「自薬局に無菌設備あり」が2.9%、「共同利用で対応可」が13.2%にとどまり、「対応できない」が83.8%と大部分を占めた。さらに、「対応できない」とした薬局に、近隣に共同利用で連携できる薬局があるかどうかを質問したところ、「ない」が57.3%、「わからない」が31.4%となり、これらの合計で9割近くに及んだ。「実質、無菌調剤設備を持っていない薬局は、共同利用も含めて非常に困難な状況にある」(NPhA)と分析している。

     

    ■服用期間中のフォローアップについては、「ルーチンで行っている」が4.1%、「不定期だが必要に応じて行っている」が35.7%、「行ったことがある」が27.0%、「行ったことがない」が33.3%だった。「行ったことがない」は19年1月調査では54.6%と半数を超えており、NPhAでは「服用期間中のフォローアップは現場レベルでもだいぶ取り組みが進んでいる」とした。

     

    ■服用期間中のフォローアップの対象患者については、「処方変更があった患者」(44.6%)、「かかりつけ薬剤師指導料の算定患者」(36.8%)などが上位で、「すべての患者」は8.2%だった。実施方法は、「電話で確認」が89.9%で約9割となった。また、服用期間中のフォローアップを実施することで患者の薬物療法にどのような影響があったかを質問したところ、「服薬状況が改善した」が55.0%でトップ。以下、「アドヒアランスが向上した」(44.0%)、「副作用の発見につながった」(23.9%)が続いた。

     

    ■対人業務へのシフトに向けて必要な施策や現状の課題、問題点等では、「疑義照会の簡略化(残薬調整、一包化、剤形変更等の疑義照会不要)」との回答が75.1%で最も多かった。次いで、「薬歴の簡素化」(58.1%)、「検査値や病名など診療情報の開示」(57.9%)、「調剤業務のシステム化」(41.5%)などが挙がった。

  • 薬の長期投与が増加‐生活習慣病患者(医療情報総合研究所)

    ■新型コロナウイルスの感染拡大で生活習慣病薬の長期投与が増加していることが、医療情報サービスを手がける「医療情報総合研究所」(JMIRI)の調査結果で明らかになった。
    今回の調査では、JMIRIが独自運用する処方箋データベース「JMIRI処方情報データベース」の2月データをもとに、新型コロナウイルスの感染拡大が処方箋データに与えた影響を分析した。

     

    ■その結果、国内感染者数が増加した2月の処方箋発行枚数では、例年と大きな変動は見られていないが、生活習慣病薬を処方されている患者に着目すると、「前回処方より処方日数が増えた割合」が前年に比べ、2.4ポイント増加した。
    処方日数を延長することで、次回の受診までの間隔を空ける傾向にあることが背景にあるとしている。厚労省は2月28日、感染拡大を防止する観点から、「慢性疾患などを有する定期受診患者については、一般的に長期投与にとってなるべく受診間隔を空けるように努めることが原則」と事務連絡している。JMIRIでは「今後も一来院当たりの処方日数を増やすことで、受診間隔の調整に対応する医師が多くなる」と分析している。