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2023年4月号

  • 【政府方針】服薬管理指導料2倍に‐薬局でのコロナ薬交付

    情報提供元:薬事日報社

     政府は10日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ変更後の医療提供体制や公費支援の見直し方針を決めた。診療報酬上の取り扱いとして、コロナ患者への服薬指導の評価を継続し、薬局における治療薬の交付には「服薬管理指導料2倍」を適用する。外来・入院患者に対する治療薬の公費支援も9月末まで続けることとした。

     新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけは、5月8日に現在の2類相当から5類感染症に移行し、「幅広い医療機関による自律的な通常対応」に切り替える。

     診療報酬上の取り扱い方針については、10日に中央社会保険医療協議会が持ち回り審議で決定。調剤では、コロナ患者への服薬指導等を引き続き評価する。

     現行の特例措置では、陽性患者に薬剤を配送した上で、対面で服薬指導や薬学的管理指導を行った場合は500点、電話や情報通信機器によって服薬指導を行った場合は200点を算定できるが、この措置を継続することとした。

     薬局でコロナ治療薬を交付した場合は、服薬管理指導料を2倍に引き上げる措置を適用することとし、プラス59点またはプラス45点を算定できる。

     算定を行う背景には、コロナ治療薬のゾコーバは緊急承認、パキロビッドは特例承認された品目であるため、薬剤師による丁寧な説明が必要とされている。また、これら薬剤は併用禁忌なども多く、説明に手間や時間がかかるため、5類移行後に一定期間は様子を見る必要があると判断した。

     一方、類型移行により、医療提供体制と患者に対する公費支援の見直しも行うこととし、類型移行による患者の急激な負担増を避けるため、期限を区切って公費支援を継続する。

     具体的には、コロナ治療薬の▽ラゲブリオ▽パキロビッド▽ゾコーバ▽ベクルリー▽ゼビュディ▽ロナプリーブ▽エバシェルド――について、外来患者と入院患者に対する費用の公費支援は、今夏の感染拡大を見据えて9月末まで継続する。10月以降の取り扱いについては、他の疾病との公平性、国の在庫活用や薬価の状況も踏まえて今冬の感染拡大に向けた対応を検討することとした。

     コロナ治療薬以外の外来医療費の自己負担分に関する公費支援は終了する。発熱等の患者に対する検査についても、抗原定性検査キットが普及したことなどを踏まえ、自己負担分の公費支援は終了する。

  • 全国一律実習期間に賛否‐日薬は全国統一を要望(新薬剤師養成問題懇談会)

    情報提供元:薬事日報社

     新薬剤師養成問題懇談会(6者懇)が15日に開かれ、薬学実務実習における薬局・病院の各11週とする実習期間の原則について、日本薬剤師会は教育の質保証の観点から全国一律にすべきと主張したが、大学側は「大学によってポリシーが異なる」として、全国一律とする考えに疑問を呈した。

     この日の6者懇では、薬学実務実習の枠組みを議論した。薬学実務実習に関する連絡会議が策定したガイドラインでは、病院と薬局の実習期間は連続性のある22週間とし、各施設11週間ずつを原則としているが、22週間を下回らないことを条件に、大学が主導して病院・薬局が連携してより学習成果が高い期間等を検討し、実習を進めることも可能としている。

     日薬の田尻泰典副会長は、「一部大学が病院の期間を長く、薬局の期間を短くするなど独自の実習方式を主張してくることがあった」として、文部科学省に今後の病院・薬局における実習期間に関する見解を示すよう求めた。

     これに対して文科省は、連絡会議が今秋に決定予定のガイドライン見直し案に言及し、「より効果的な実習方法、枠組みについて提案があれば検討し、地区内で合意を得られた場合は薬学教育協議会病院・薬局実務実習中央調整機構委員会で対応する」とした。

     山本信夫会長は、「11週プラス11週にこだわっているわけではない。より良い方向があるなら、きちんと議論した上で全国の薬科大・薬学部でやるべき」との考えを示し、「質保証の観点から一部大学だけ週がばらつくのではなく、きちんと全国統一されていなければいけない」と訴えた。

     一方、京都大学の竹本佳司薬学部長は「大学によってポリシーが異なるので、金太郎飴のように均一がベストかは疑問」とした。病院・薬局の各実習期間については、「学生の要望に近い形に持っていきたいので、11週間プラス11週間ありきで固定化するのは避けてほしい」と述べ、関係者間で具体的な協議の場を設けるよう求めた。

     日本病院薬剤師会の奥田真弘副会長は、大学独自の方式による実習について「実態を把握した上で、成果を上げているのか振り返って評価する必要がある。学生主体で評価するなどして、どのような期間設定がベストか協議すべき」との考えを示した。