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2023年6月号

  • 医療用麻薬の調剤が課題‐備蓄薬局に配慮求める声(厚生労働省)

    情報提供元:薬事日報社

     厚生労働省は18日の「2024年度同時報酬改定に向けた意見交換会」で、緩和ケアにおける医療用麻薬の調剤を検討課題として示した。麻薬の提供体制整備、患者に関する情報共有などを課題とし、出席者からは、調剤する薬局の負担に対する配慮、癌以外の疾患に対する使用のあり方を検討するよう求める声などが上がった。

     厚労省は、緩和ケアの提供に関する現状として、自宅や高齢者施設でケアを行う場合は薬局が麻薬調剤に対応することが求められるものの、全国で麻薬調剤に対応可能な麻薬小売業免許を持つ薬局は約8割、24時間対応可能な体制を整備している薬局は約3割にとどまることに言及。

     そのため、麻薬小売業免許を有していても必ずしも必要となる麻薬が薬局に常備されているとは限らず、麻薬の調剤に対応できない薬局が一定数あり、提供体制の充実が必要とした。さらに、薬局で必要な麻薬をよりタイムリー、円滑に供給できるようにするため、緩和ケアを行っている医療機関等から薬局に対して、介護老人福祉施設、特定施設、在宅等でケアを受ける人に関する情報を予め適切に共有されることが求められるとした。

     その上で、検討の視点として、患者の希望する緩和ケアに必要となる薬剤を円滑に供給するため、医療機関、薬局、介護施設等の連携のあり方を検討する必要があるとした。

     日本薬剤師会の森昌平副会長は、「夜間・休日など緊急対応を見据え、日常的に医療機関や訪問看護ステーション等との関係構築も不可欠」と強調。また、麻薬を備蓄する薬局には管理や調剤で相応の負担がかかっているとして、「何らかの配慮が必要なので、改定の議論で検討してほしい」と述べた。

     日本慢性期医療協会の池端幸彦副会長は、癌に対する麻薬使用は進んできているとした一方、「心不全の重度末期状態や慢性閉塞性肺疾患(COPD)による呼吸の苦しさを取るには少量の麻薬が有効だが、介護施設での使用は難しい。非癌の緩和ケアでは何らかの処置の場面が想像されるので、検討課題にすべき」と訴えた。

  • 持参薬業務時間を2割減‐入院前の薬薬連携進む(かながわ薬剤師学術大会)

    情報提供元:薬事日報社

     神奈川県薬剤師会・病院薬剤師会共催の「かながわ薬剤師学術大会」が13、14の両日に横浜市内で開催され、分科会では地域の病院と薬局が連携した入院時の持参薬管理が着実に進んでいることが報告された。演者からは、患者に対する一元的・継続的な薬物治療の実現に加え、薬局から患者の服薬情報が入院前に提供されることで、病院での持参薬業務時間短縮、薬局ではきめ細かな服薬指導やフォローにつながるとの声が出た。

     横浜市立大学病院薬剤部は、2020年2月から薬局との連携による入院時の持参薬管理体制を構築している。薬の管理者、医師の指示による中止薬、自己調節している薬、市販薬・サプリメント、薬剤アレルギー・副作用歴――の5項目を記載した入院時の情報提供書が薬局から患者に提供され、患者が入院時に持参する。その後、持参薬担当薬剤師が提供書の情報に基づき面談を行う。現在、年間1万件の持参薬鑑別を行っている。

     同院薬剤部の関雅子氏は、「お薬手帳などで持参薬の情報を把握していたが、多大な業務負担となっていた」と述べ、情報提供書の導入背景を説明した。

     薬局との連携を見ると、運用開始から配布された提供書500部について回収件数や提供書の所在地を調査したところ、回収件数は325件(回収率65%)で、事前に運用を共有できた横浜市、横須賀市が325件中278件と多くを占めていたことが明らかになった。

     持参薬業務の平均時間は、運用変更前1週間が20.9分、提供書の持参がある患者を対象とした運用変更後1週間が16.6分と4.3分減少(20%減)し、1日当たり147分の業務削減に相当する成果を得た。

     一方、20年10月末までに回収された提供書を対象に、提供書に記載された各5項目で提供内容と入院時情報に相違があった件数を調べた結果、「自己調節薬」で6.4%、「市販薬・サプリメント」で3.3%の相違が確認されたという。

     関氏は、「持参薬管理における薬局・病院の連携は、医療安全や業務効率化、薬剤情報の共通化で有用」とした一方、「未回収の提供書の原因が特定されておらず、回収率向上に向けた調査が引き続き必要」と述べた。

     衣笠病院薬剤部では、入院予定患者の服薬情報に対して、医療機関の求めに応じて薬局が提供した場合に算定可能な「服薬情報等提供料3」が22年度診療報酬改定で新設されたことを受け、昨年7月から入院時における薬薬連携を開始した。

     患者は入院前の説明を受けた後、普段利用している薬局に依頼書を持参し、その薬局から薬剤部に返信する仕組みとなっている。

     昨年7月から今年3月までに薬局に依頼した132件中89件が返信されており、依頼から返信までの日数は「3日以内」が59%を占めたという。

     同院薬剤部の竹永悠司氏は、「病院が薬局薬剤師の対人業務のきっかけを作る側になれる」とのメリットを挙げた。薬局薬剤師から患者に説明する場合は一方的な情報提供になりがちだが、「患者さんに依頼書を持っていってもらうと患者さん側から話すため、いつもとは逆の立場で薬剤師が聞き手となって話の主導権を握ることができる」とし、患者との関係構築をサポートできると説明した。