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2024年2月号

  • 調剤基本料見直し盛る‐24年度改定へ議論整理案(厚生労働省)

    情報提供元:薬事日報社

     厚生労働省は10日、2024年度診療報酬改定に関する議論の整理案を中央社会保険医療協議会総会に示した。地域医療に関する病院薬剤師の研修体制が整備された医療機関の病棟薬剤業務に新たな評価を行うと共に、医療機関からの処方箋受付が集中している薬局に対する調剤基本料の見直しなどを盛り込んだ。きょう12日の総会でも議論した上で、パブリックコメントに諮る考え。

     整理案では、人材確保・働き方改革等推進に向け、病院薬剤師等の医療関係職種の賃上げ実施のために新たな評価を行うことを明記。病棟における多職種連携によるポリファーマシー対策をより進める観点から業務が合理化されるよう薬剤総合評価調整加算の要件を見直す。

     また、地域医療に関する業務の実践的な修得を含めた病院薬剤師の研修体制が整備された医療機関の病棟薬剤業務に新たな評価を行うほか、外来腫瘍化学療法診療料の要件・評価も見直すと共に、診察前に薬剤師が服薬状況等の確認・評価を行い、医師に情報提供、処方提案等を行った場合も新たに評価する。

     地域のニーズに対応した機能を持つ医薬品供給拠点としての役割を評価するため、調剤基本料について、特定の医療機関からの処方箋受付が集中しており、処方箋受付回数が多い薬局の評価を見直す。同一敷地内薬局への対応として、特別調剤基本料を算定する薬局の体制、同一敷地における医療機関の処方に対する評価も見直すこととした。

     地域包括ケアシステムの深化・推進に向けた取り組みとして、保険薬局の薬剤師が介護老人保健施設等に入所する患者に専門的薬学管理が必要な薬剤の調剤・服薬指導を行った場合の医療保険と介護保険の給付調整範囲を見直す。

     外来医療の機能分化・強化に向け、リフィル処方および長期処方の活用、医療DXの活用による効率的な医薬品情報の管理を適切に推進する観点から、特定疾患処方管理加算の要件・評価見直しも行う。

     かかりつけ薬剤師関連として、同一薬局の利用を進めるため、かかりつけ薬剤師指導料等を算定する患者に対して、かかりつけ薬剤師以外がやむを得ず対応する場合の要件を見直すほか、地域における医療機関と連携して行う調剤後の薬学管理に関する評価も直す。

     在宅医療では、医療用麻薬等の提供体制、急変時の夜間・休日における対応を含めた在宅患者(緊急)訪問薬剤管理指導の要件・評価を見直す。

     さらに、退院後の在宅訪問を開始する移行期における薬学的管理、医師等との連携による処方内容の調整、介護関係者に対する服薬等に関する情報提供に新たな評価を行う。

  • 病院は150区分で評価提案‐病院薬剤師などの賃上げ

    情報提供元:薬事日報社

     中央社会保険医療協議会入院・外来医療等の調査・評価分科会が4日に開かれ、6月の診療報酬改定に向けた大臣折衝事項の「看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種」に対する賃上げへの対応をめぐって議論した。厚生労働省は、看護職員、病院・診療所の薬剤師、その他の医療関係職種に対し、来年度にベースアップ2.5%、2025年度に2.0%を実施していくため、賃上げ促進税制が有効的に活用されることを前提に、診療報酬0.61%分で対応する賃上げ率を対象職種賃金の2.3%と想定し、シミュレーション結果を示した。

     病院の看護職員、薬剤師、その他の医療関係職種に対する賃上げ必要点数については、医科診療所における初診料、再診料、在宅患者訪問診療料の賃上げ必要点数と同点数を設定し、不足分を入院基本料等に上乗せする。この日の分科会では、入院基本料等に、▽一律の点数(全体の中央値)を設定する場合▽点数を複数に分け、病院ごとに点数を設定する場合――の2パターンでシミュレーションを実施した。

     その結果、入院基本料等における賃上げ必要点数と一律の点数を設定する場合は制度設計はしやすく、医療機関の事務負担は小さくなることが想定されるものの、賃上げの対象職種の在籍状況や給与の状況、算定回数等によって賃金増率のバラツキが大きくなった。

     一方、点数を複数に分け、病院ごとに評価を設定する設計方法では、賃上げの対象職種の在籍状況や給与の状況、算定回数等に応じたものになるため、過不足のバラツキを最小限に抑えることが可能となるが、医療機関の事務負担が大きくなることが想定される結果となった。

     病院ごとに評価を設定する設計方法では、▽入院基本料における賃上げ必要点数を5区分に分け、病院ごとに点数を設定する場合▽入院基本料における賃上げ必要点数を1点〜150点に分け、病院ごとに点数を設定する場合――について各施設の賃金増率の分布状況を検討した。150区分での評価方法では各施設の賃金増率が2.3%に収束しており、医療機関の事務負担で見ても5区分と150区分による評価設定にはさほど差がないという。

     構成員からは「一律の点数を設定するのは、施設によって外れ値が出てしまうので難しい」「点数を複数に分け、病院ごとに評価を設定する場合に、5区分と150区分で施設の事務負担が同じであれば、より精度が高いところに合わせた方がいい」などの意見が出た。

     同分科会では今月中にも取りまとめを行う予定だ。