2022.10.20クリニック開業 , 電子カルテ

クリニックの開業前におさえておくべき「損益分岐点」を解説

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損益分岐点

クリニック開業後、患者さんの来院状況に問題が無くても利益が出ないことがあります。

そのような場合、黒字と赤字を分けるポイントである「損益分岐点」を見直してみましょう。

本記事では、クリニックの開業前におさえておくべき「損益分岐点」について解説します。

 

損益分岐点とは?

損益分岐点とは

損益分岐点とは、売り上げと費用が等しくなるポイントで、黒字と赤字の差がゼロになる売り上げを指します。

売り上げが損益分岐点を超えている場合は黒字ですが、損益分岐点未満だった場合は赤字の経営状況と言えます。

利益を算出するために売り上げから引かれる費用は、「固定費」と「変動費」の2種類が挙げられます。

固定費とは家賃やテナント料、人件費、広告代理店への依頼費用のように、毎月同じ金額の出費を指します。

一方、変動費とは医薬品や備品の費用、診察時に必要な材料費、検査委託費用などが挙げられます。

 

損益分岐点の計算方法

損益分岐点は、下記の数式で算出することができます。

  • 損益分岐点 = 売上高 – (固定費 + 変動費)

 

また、クリニックの経営状況を把握するための指標として、「損益分岐点比率」と呼ばれるものがあります。

損益分岐点比率は、下記の数式で算出します。

  • 損益分岐点比率(%)=損益分岐点 ÷ 売上高 × 100

 

こちらの数値が高いほど経営が厳しく、低いほど経営状況が良好であると言えます。

医療機関の規模や立地、患者さんの数により損益分岐点は異なるため、一般的には損益分岐点比率で医療機関の経営状況を確認します。

 

 

損益分岐点を下げる方法

損益分岐点を下げて利益を上げるには、クリニックを経営する際に発生する費用を下げることを考えましょう。

そのためには、先述した固定費と変動費を抑える必要があります。

固定費の抑え方には「家賃交渉」「スタッフの拘束時間変更」「広告代理店との契約解除」などが挙げられます。

スタッフについては入社時の契約内容によっては難しいこともありますが、パートやアルバイトに対しては拘束時間の見直しなどで改善することができます。

変動費については「備品の無駄遣いをなくす」「大量に仕入れて1個当たりの単価を安くする」「在庫管理を徹底する」といったことが挙げられます。

日々使用しているものを無駄に使わず、仕入れ値を安くすることが変動費を抑えるポイントとなります。

 

医療機関における損益分岐点比率

損益分岐点比率

厚生労働省の調査によると、クリニックなど医療機関の損益分岐点比率は90%程度です。

先述の通り、損益分岐点比率は低いほど経営状況が良好であると言えるため、90%は赤字に近い経営状況の医療機関が多いということになります。

経営状況が悪化した要因として、コストに見合う収益が得られなかったことと、人件費の増加が要因と言われています。

医療機関の経営を改善する方法のひとつとして、国や地方自治体などが実施している補助金制度の利用が挙げられます。

補助金制度を利用するためには審査などが必要ですが、補助金を使用して備品を購入したり、電子カルテといった業務改善機器を導入したりすることができるため、経営状況を改善できる可能性があると言えるでしょう。

また、医療機関のなかにはインターネットで自社サイトのプロモーションを行い、患者さんの集客を実施しているところがあります。

スマートフォンが普及した現代において、広告の配信や特定のキーワードで上位表示を目指すSEO(検索エンジン最適化)対策など、さまざまな手法で集客に臨んでいます。

 

出典:厚生労働省「第 23 回医療経済実態調査報告-令和3年実施-」(https://www.jmari.med.or.jp/wp-content/uploads/2021/12/RR122.pdf)

 

おわりに

本記事では、損益分岐点について解説しました。

損益分岐点は「売上高 – (固定費 + 変動費)」で算出することができるもので、こちらの値が高いほど良好な経営状況であると言えます。

また損益分岐点を売り上げで割ることによって算出することができる「損益分岐点比率」も経営状況を確認するために用いられます。

損益分岐点を算出することによって自社の経営状況を確認し、改善案を立案しましょう。

 

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タグ : 損益分岐点 開業
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