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2022年2月号

  • 山本会長、覚悟必要な一大事業‐リフィル処方箋導入で(日本薬剤師会)

    情報提供元:薬事日報社

     日本薬剤師会の山本信夫会長は、12日の都道府県会長協議会であいさつし、4月の診療報酬改定でリフィル処方箋が導入されたことに言及。「専門家の診察がない状態で薬剤師がその患者に対してこの処方を継続していいのかどうかという判断が迫られる。そういう意味で極めて薬剤師の担う役割は大きいものがあり、その判断や決断が重たくなる」と述べた上で、「覚悟を持って取り組まなければならない一大事業になる」との決意を表明した。
     山本氏は、「リフィル処方箋の扱いというのは、薬剤師の責任が今よりも100倍も200倍も重くなる。(リフィル処方箋が認められて)はしゃいでいるほど簡単なものではない」と述べた。
     リフィル処方箋の導入は医薬品医療機器等法の改正を通じて薬局や薬剤師が目指す方向性とも合致するとの考えを示し、「薬局が調剤する場所から医薬品を提供する場所に変わり、薬剤師の役割を患者のフォローアップに持っていったが、私どもがしっかりと積み上げてきた管理指導が政策に反映された」と評価した。
     その一方で、「薬剤師の役割を明確にできれば薬剤師になろうとする学生たちの将来が明るいものになるだろうし、それを間違うと薬剤師がこの社会から消えてしまうという大きな転換になるので、しっかり対応していかなくてはならない」との認識を示した。
     昨年8月にスタートした認定薬局制度については、「薬局としての機能を十分に果たしたものが初めて達し得るレベルであり、それをなしに形だけの認定薬局で済んだのであれば悲劇となる」と指摘した上で、「これから先、認定薬局の数が増えていくが、増えていく中でいたずらに数を競うことなく、地域を担える薬局を目指していきたい」と述べた。
     また、昨年10月の衆議院総選挙で落選した薬剤師の松本純氏、渡嘉敷奈緒美氏が来賓あいさつし、リフィル処方箋の導入で薬剤師に対する期待を述べた。
     自民党への復党を目指している松本氏は、「診療報酬改定でリフィルという言葉が入り、それを理解してくれて、形になったのは大きなことだと思っている」と強調。リフィル処方箋の導入を「いかに生かしていくことができるか、薬剤師として体制を作り上げることができるか大事なときを迎えた。各地域の中でその意味を理解してもらい、一致結束して薬剤師の職能を皆さんと共有し、国民のためにがんばっていただきたい」と激励した。
     渡嘉敷氏は、「落選時に会営薬局で勤務したときにリフィルについて何度も勉強会をして政策として必要だねとみんなで言っていて、国政に戻ったときに実現させたいテーマだった。政策として実現してくれてありがたいと思っている」と述べた。

  • 誤投与の死亡例5年で36件‐確認タイミング明確化提言(日本医療安全調査機構)

    情報提供元:薬事日報社

     日本医療安全調査機構は17日、医療者の確認不足による薬剤の誤投与を原因とする死亡事例が2015年から5年間で36件報告されたことを公表した。薬剤の取り違え後も多職種で確認する体制が機能せずに出血性ショックの疑いで死亡する事例などが見られたため、再発防止策として、処方から投与までの工程で確認のタイミングを明確にすることなどを提言した。
     15年10月から5年間で機構に報告された医療事故報告のうち、「薬剤に関連した死亡事例および薬剤に関連した死亡であることが否定できない事例」は計273件だった。
     このうち、確認不足による誤投与で死亡に至ったと考えられる事例として、ハイリスク薬関連29件、ハイリスク薬以外でも警鐘が必要な事例7件の計36件を分析した。
     これら36件では、処方時や投与準備・実施時のミスなどにより、禁忌薬の投与、過少・過量投与、濃度が高い薬剤の投与、重複投与、内服中断などが行われ、結果的に患者の死亡につながってしまった。
     具体例を見ると、70代の肝性脳症患者に同治療剤「リフキシマ」が処方されたものの、塞栓治療剤「リクシアナ」と取り違えて調剤された後、看護師が薬袋の薬剤名と薬剤を照合することなく内服薬が投与され、消化管出血による出血性ショックの疑いで死亡。
     糖尿病患者に対するインスリン製剤投与関連では、4件の死亡事例が報告された。60代患者にインスリン専用注射器を使用せずに10mL注射器を用いて適量の100倍投与となり、低血糖を契機とする肝不全等で死亡と判断された。
     これらの死亡事例を踏まえ、機構は再発防止に向けた対策を提言した。
     死亡事例のうち35件で何らかの確認が不十分で誤投与に至ったとして、処方から投与までの工程で確認のタイミングを明確にし、患者への薬剤の適応を判断する「妥当性チェック」、薬剤名や患者名を突き合わせる「照合型チェック」が必要とした。
     不慣れな薬剤の取り扱いも誤投与につながっているとして、ハイリスク薬の使用に必要な知識の習得、ハイリスク薬の投与直後に変化がなくてもすぐに患者の監視を始め、薬物中毒の相談窓口や専門医に相談することも求めた。
     インスリンバイアル製剤からインスリンを量り取る際は必ず専用注射器を使用するほか、インスリンを指示する場合は単位で行い、専用注射器で量り取れない場合は指示間違いを疑い、指示した医師に確認すべきとした。
     学会や製薬企業に対しては、禁忌薬が患者情報と連動して照合可能などの機能を持ったオーダリングシステムについて、国、学会、業界の中央機関が一括してリスク対応するよう提案。
     また、薬品ラベルに携帯情報端末をかざすと表示や音声で注意喚起する機能といったICTを活用すること、注意喚起するロゴを薬剤に装着するなどの努力を求めた。