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2017年8月号

  • 高齢者の多剤対策で中間案‐適正使用ガイドライン策定‐厚生労働省‐

    ◇多職種で服薬情報共有を

     

    ■厚生労働省の検討会は14日、高齢者の多剤服用(ポリファーマシー)対策などの医薬品適正使用に向けた中間取りまとめ案を概ね了承した。薬剤師などが参照可能な内服薬の多剤服用に関する適正使用ガイドラインを策定する必要性を明記したほか、処方情報や服薬アドヒアランスの状況などを多職種間で共有する仕組み作りを提言した。ガイドラインの作成に向けては、必要な情報などを集中的に検討するワーキンググループを立ち上げ、今夏をメドに初会合を開く予定。

     

    ■中間取りまとめ案では、高齢者の薬物療法に関する現状について、服用薬の種類は75歳以上でより多い傾向があり、ポリファーマシーの患者に複数の医療機関を受診する傾向などを指摘。特に6剤以上の併用により、薬剤関連の有害事象の頻度が高くなる傾向にあることなどを示した。これらを踏まえ、高齢者の薬物動態を考慮した投与量の調整、多剤併用時の薬物相互作用による副作用を防止するため、医師、薬剤師などの医薬関係者がそれぞれの立場で参照できる医薬品の適正使用情報を充実すべきとし、高齢者の内服薬の多剤服用に関する適正使用ガイドラインを策定する必要があるとした。

     

    ■ガイドラインの策定に当たっては、経口血糖降下薬、高血圧治療薬や抗血小板薬などの循環器用薬、認知症治療薬、重複処方が懸念される睡眠導入剤や抗不安薬、抗菌薬など、特に検討が必要な薬効群を考慮すべきとし、様々な患者がいる医療現場に応じた対応を行うため、急性期、回復期、入院、外来、在宅など各医療現場の特徴に合わせて薬剤数調整や処方変更などの考え方を整理する必要性を明記した。
    その上で、高齢者が服用する医薬品の適正使用を促すためには、多職種間で情報を共有する仕組み作りが必要と指摘。共有する情報に薬剤管理の方法や転倒など患者の状況、処方情報や服薬アドヒアランスの状況などを挙げた。さらに、電子版お薬手帳を活用した処方・調剤情報の一元的、継続的な把握など多職種を含めた情報共有を支援する仕組み作りに加え、医療機関や薬局の機能に応じて保険者と連携し、多剤服用情報をフィードバックするなど適正化の取り組みを進めていく情報共有の方向性を示した。
    多職種が連携して安全対策に取り組むためには、看護師も含め高齢者の薬物療法を理解する人材の育成や確保を課題に挙げ、医薬関係者には薬を減らすことの意義などを患者や家族に分かりやすく情報提供するよう努めることを求めた。同検討会では、ガイドラインの内容を集中的に検討していくワーキンググループを設置することを決め、今夏にも初会合を開催する予定だ。

  • 複数回使用は「使用量」請求‐近く通知発出へ‐厚生労働省‐

    ■厚生労働省は、1回の調製でバイアルに残った抗癌剤の保険請求方法について、複数回投与した場合は使用量単位で保険請求することを求める通知を近く発出する。これまでバイアルに残った抗癌剤を廃棄してもバイアル本数単位で保険請求している医療機関が多かったが、保険請求の取り扱いを明確化し、残薬分を過剰に請求している現状を是正したい考え。18日、自民党行政改革推進本部の「医療費見直しチーム」の会合で明らかにした。

     

    ■抗癌剤などの注射剤に関する保険請求の方法は統一されていないのが現状で、日本病院薬剤師会の調査結果によると、複数患者に1バイアル使った場合、バイアル単位で請求している病院は18%に上った一方、使用量で請求している病院は3%、使用した分だけ請求している医療機関は5%に過ぎなかった。
    こうした現状を踏まえ、厚労省は、抗癌剤の保険請求方法について、安全性を確保した上で一つのバイアルを複数患者に使用した場合、使用量で請求することを明確化する通知を発出する方針だ。1人の患者に対しバイアル単位で請求できないようにするが、やむを得ず残薬を廃棄する場合に限り、残薬分を含め請求できる除外規定も明記する。

     

    ■また、厚労省は抗癌剤の残薬を削減するため、今年度中に多角的な調査研究を実施する。細菌汚染など安全性確保に必要な条件や実際に残った抗癌剤を活用した場合の廃棄率減少、残薬活用時の医療過誤への影響、小規格包装の開発、複数回使用できる製剤の開発などを検討する。なるべくバイアルに抗癌剤を残さないようにすることが医療機関にとって利益になるインセンティブを18年度から導入することも検討する。